「志」の英語教育

英語教育実践について日々の雑感を語ります。

中嶋洋一先生ワークショップ

2008-07-14 23:51:51 | 研修
先週末は中嶋洋一先生のワークショップで関大へ。もう毎度おなじみといった感じのe-LINKの企画である。

今回は何かを新たに掴んだというよりも、自分の信念が強化されたような感覚を得ることが多かった。自分が最近やっと気づき始めたことを、ずっと昔から当然のこととして実践されていて恥ずかしくさえあった。また、これまでに人と話したり書物を読んだりして学んだことを思い出させていただく場面も多かった。

たとえばレジュメの表紙の言葉の中から
「ていねいに準備されていたり、便利だったりすると、人は依存するようになる。自分で考えなくなる。本当に力がつくのは、逆境におかれた(負荷がかかる)とき。」

「知識は本から、知恵は生活から作られる。」
「知恵は、異質なものを組み合わせる力である。」
「問題を作りなさい」というのは、知恵を育てる質問である。

生徒に問題を作らせることの有用性については、ライティングの指導で有名な松井孝志先生に教えていただいていた。内容理解をオールイングリッシュで行うとき、普通は指導者がどのような質問を用意しているかが授業の運営のカギになるのだが、松井先生はそこを生徒にさせることによって学習が深まることを仰っていたのだ。

相手に伝えるために「言葉」の役割は7%、視覚からの情報や声の調子で90%以上がすでに決まるというお話の場面では、灘の木村先生のこと。それに谷口先生が最近よく薦めておられるランディ・パウシュの最後の授業の様子を思い出した。

当たり前のことだが、言葉で伝える前に、まず自分の姿勢で示さなければ教育はうまくいくはずがないのだ。中嶋先生によれば、管先生は授業の前に自分の顔を鏡でチェックするそうだが、確かにネクタイを締めて授業をすることの大切さは管先生に教えていただいた。

また、中嶋先生はグループ活動の中に意図的に広く曖昧なテーマで意見交換をするような場面を作られた。参加者からもっと的確な指示が欲しいという要求をわざと引き出して、課題への主体的な取り組みができているか省みる機会を作るためだ。

まったく同じことを斉藤英二先生が記事に書いておられたのを思い出す。(ちなみに、会場には当の斉藤先生のほか、立命館の山岡先生や京都教育大の泉先生のお姿もありました。斉藤先生と山岡先生とはワークショップ中にちょっとですがお話もでき幸運でした)

また、質問力についてグループで意見交換する場面では、組合の研修会で発表を聞かせていただいたS先生の「泣いた赤鬼」の実践事例を思い出した。これについては会全体に向けての簡単なレポートまでさせていただいた。

こうしてみると本当に沢山の方々からいろいろなことを学ばせていただいているものである。