以前にある進学研究会で聞いた有名な研究医の先生のことばが心に残っている。「いろいろなタイプの人が活躍できる場があるのが医学部の良さのひとつである」
一般に、医師といえば倫理観、使命感、コミュニケーション能力など学力以外においてもあらゆる面で卓抜した人間力が要求されると信じられている。ところが、それをこの先生は自分の適性に合う場所を入学後に見つけることができる数少ない学部のひとつだと言ったのである。
実際には、医学部に入学する者の多くは、結局「普通の医者」として働き、やっぱり高水準の総合力が必要だったということになるのかもしれない。しかしながら、あまりにも高すぎる期待を医師に押しつけるのはこの職業に対する誤った態度である可能性も十分にあり得る。
昨今、多くの高校で医師を目指す高校生を東大・京大志望に変えさせるという「指導」が行われているらしい。確かに、生徒本人が自分の適性を見極めてそれに適った進路選択をするように導くのは正しいことであろう。しかし、医学部だけをターゲットにして「指導」しているのであれば、どれだけ正論を並べても説得力はないと思っている。
今年度、これまでに医学部への進学を決めている9名の在校生、卒業生の皆さんが、豊かで実り多い人生を歩まれることを祈ります。(まだ決まっていない人の幸運はより強くお祈りしています!)
一般に、医師といえば倫理観、使命感、コミュニケーション能力など学力以外においてもあらゆる面で卓抜した人間力が要求されると信じられている。ところが、それをこの先生は自分の適性に合う場所を入学後に見つけることができる数少ない学部のひとつだと言ったのである。
実際には、医学部に入学する者の多くは、結局「普通の医者」として働き、やっぱり高水準の総合力が必要だったということになるのかもしれない。しかしながら、あまりにも高すぎる期待を医師に押しつけるのはこの職業に対する誤った態度である可能性も十分にあり得る。
昨今、多くの高校で医師を目指す高校生を東大・京大志望に変えさせるという「指導」が行われているらしい。確かに、生徒本人が自分の適性を見極めてそれに適った進路選択をするように導くのは正しいことであろう。しかし、医学部だけをターゲットにして「指導」しているのであれば、どれだけ正論を並べても説得力はないと思っている。
今年度、これまでに医学部への進学を決めている9名の在校生、卒業生の皆さんが、豊かで実り多い人生を歩まれることを祈ります。(まだ決まっていない人の幸運はより強くお祈りしています!)