「志」の英語教育

英語教育実践について日々の雑感を語ります。

文化の強さを測る尺度

2011-02-11 14:18:55 | その他
web上の大辞泉で文化を調べると以下のような定義が見つかる。

1 人間の生活様式の全体。人類がみずからの手で築き上げてきた有形・無形の成果の総体。それぞれの民族・地域・社会に固有の文化があり、学習によって伝習されるとともに、相互の交流によって発展してきた。カルチュア。「日本の―」「東西の―の交流」
2 1のうち、特に、哲学・芸術・科学・宗教などの精神的活動、およびその所産。物質的所産は文明とよび、文化と区別される。

これを引いた理由は、文化というものは複数の人間によって共有されることによって初めて文化たり得るということを確認するためだ。たとえば一人の天才がなんらかの非常に先進的な偉業を為したとしても、それを認めることのできる他者が現れない限り、それの文化的な価値は実質ないに等しいということだ。

このことは文化のもう一つの側面を同時に示している。上記のような例で、いくらかの時が経った後にそれを認める者が出てくることはよくある。そうすれば存在自体は以前からあったものに対して文化的価値が新たに後からついてきたことになる。このように、時間は文化を考える上で重要な要素であると考えられる。また、「強い」文化は時間的にも長続きするだろうし、時間を経て失われたり、さらに再発見されたりする文化もある。

文化の「強度」を考えるとき、時の経過に対する耐久力以外に、どのくらいの数の人に共有されているかという広がり、また一人の人の生活にどのくらい深い影響力があるかといった尺度が考えられる。これらの視点から眺めれば、キリスト教やイスラム教はなるほど強大な文化だということになる。

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