夏への扉

と言う訳で,ロバート・A・ハインラインの「夏への扉」だ。

コールドスリープとタイムマシンを使ったタイムトラベルもの。
全てを失っても尚「今」を頑張ろうとしたが,結局コールドスリープで未来に放り出されてしまう主人公。
目覚めた「未来」で,再起しようと頑張るが,眠っている間に発生していた不可解な事柄の解明に,再び過去へ向かう。
明らかにされる真実,原因は自分??

・・・と,まあタイムトラベルものの王道的ストーリーなのだが,バリバリのSFではなく,バッドスタート → ハッピーエンド のヒューマンドラマだ。

細かな伏線,鮮やかな逆転劇,タイムパラドックス等,多少のSF的矛盾は全然気にならずに一気に読める。
で,清々しく晴々とした結末。元気出ます。

主人公の相棒の猫は,冬でも夏に続いている扉があると信じている。
主人公は,(2度目の)コールドスリープ後,そして(未来の)伴侶のコールドスリープ終了が,夏への扉だと実感する。

日本の夏は,ジメジメ・ムシムシだが,この書の夏は,からっとした爽やかな夏だ。
梅雨前の五月晴れだ。


しかし,描かれている2000年,実際の21世紀・・・
申し訳ないくらいに進歩していないな。
未だに火薬で大気圏突破,後始末できない放射性物質じゃあねぇ。
未来人(現代人)頑張れ!! って感じだなぁ
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