不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Dali e Rodin insieme per Dante

2011-08-17 01:04:39 | アート・文化
既に教会としての機能をなくし、
現在はアウディトリウムとして
コンサートなどが開催される
Chiesa di Santo Stefano al Ponte Vecchio
(サント・ステファノ・アル・ポンテ・ヴェッキオ教会)。
Dscf1149

この教会で珍しく芸術品の展示が行われています。
Dscf1150

展示はSalvador Dali(サルヴァドール・ダリ)の
彫刻と水彩画など120点、
Auguste Rodin(オーギュスト・ロダン)の
彫刻60点とデッサン画160点。
ダリの絵画のうち100点はダンテの神曲を題材にしたもの、
ロダンのデッサン画は
稀有なコレクションであるAlbum Goupilより。

ダリがイタリア政府の依頼で
ダンテの神曲のイラストを描き始めたのは
神曲の発行700年記念。
しかし1954年
彼自身の政治思想の変化に伴い放棄されますが
その後も出版に向けての作業は続けられました。
Dscf1157

ロダンとダンテの出会いは
1875年の作家の初めてのフィレンツェ旅行の時。
洗礼堂のギベルティ作の天国の扉に魅了されたロダンは
後の1880年にパリ装飾美術館の入り口の装飾作品の制作を
政府から依頼された際に
ダンテの神曲・地獄編をテーマにすることに決めます。
制作を進めるうちに構想は徐々に複雑化し、
30年にも亘り手を加え続けているうちに
未完のままロダンはこの世を去ります。

展覧会では地獄の門の習作第3モデルといわれるブロンズ像が展示されています。
Dscf1155

またイタリアでは初の一般公開となるAlbum Goupilから142のデッサン画も展示されています。

Omaggio a Dante, Dali e Rodin
会場:Chiesa di Santo Stefano al Ponte Vecchio
Piazza Santo Stefano
会期:2011年9月28日まで
開館時間:14:00-22:00
入場料:9,00ユーロ