不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Il senso della vita

2014-11-10 13:08:38 | Tra la mente e il cuore
頭の中が整理されてません。ぐだぐだ書いてます。

イタリア暮らしを捨ててまで、
レイラとチッチーノに長旅させてまで
日本に完全帰国したのは、父のことが気がかりだったから。

父はレイラを一目見た時から溺愛し、
レイラとチッチーノのために色々気を遣い
日々面倒をみて暮らし、
帰国から一年を経て
レイラとの毎日の散歩の成果もあって
すっかり体力を取り戻し元気になっていた。
そんな元気になった父の姿を見て、
実は単身再びイタリアに戻ろうかなと思い
色々根回しを始めた矢先。

10月20日に父が倒れ、
意識不明のまま救急車で搬送された。

2日間意識が戻らないまま過ぎ、
医師からは、そのまま意識が戻らないか、
意識が戻っても障害が残るとまで言われ、
内蔵器官もかなりのダメージを受けているので、
心臓バイパス手術や人工透析の覚悟もといわれた。

ほとんどすべての内蔵機能が低下しているにも関わらず、
様々な検査で癌も動脈瘤も血栓もなにも見つからず、
原因不明のまま経過観察。

身体中に管をつけられてベッドに固定され
酸素マスクをつけた父の姿を見ても
私はずっと父はまた元気になると信じていた。
それこそ、あの状況では
医学的にまったく根拠のない自信でしかなかった。
逆に、信じるほか何もできなかった。

延命処置についての家族の見解を質されたとき、
常々私自身が延命処置をしてほしくないと思っているから
当然のように父も延命処置はしたくないだろうと
本人が望まないであろうことはしたくないと考えた。
母の意見を聞こうと
彼女を振り返って、気丈な母の呆然とする姿を初めて見た。

その時、
同じ人物に対して互いに形の違う愛情を持っていたとしても
娘から見た父と、妻から見た夫という
そのスタンスの違いは明らかなんだと初めて気づいた。
呆然とする母に向かって
私は訥々と、
延命処置をしてまで父に生きてほしいのかどうかなどという
母にとっては辛い決断を求めなくてはならなかった。
結局我々は弟夫婦も含め
最悪の事態になった時には延命処置はとらないと
気持ちをまとめて、医師に伝え
それ以外にできる限りの処方をお願いすることになった。

倒れてから2日後、父は呼びかけに反応するようになり、
やがて奇跡的に意識を取り戻し
口に挿入された管で苦しみながら声を発し
自分の状態を把握できるまでになった。

結局、意識障害の直接の原因は低血糖。
医師も初めて経験したというくらい、
あり得ない血糖値の数値だったらしい。
一時的とはいえ、そこまでの低血糖に陥ったこと、
その血糖値の低さで生命を維持していたことが
かなり珍しい症例だったらしい。
ただし、その低血糖を招いた原因は
どんなに検査を重ねても判明せず、
そうこうしているうちに
衰えていた内蔵機能は徐々に回復し、
最終的にウィルスに因る一過性の膵臓疾患ということで
一応は収まったけれど、
やはり二年前と同じように
「原因不明」な部分が多く残されたまま。

3週間のICUでの入院生活を終えた父は
11月8日に退院して
自宅でのリハビリと通院で様子をみることに。

自宅に帰ってきたことで
父は気持ち的に楽になっただろうと思う。
まず、レイラの近くにいることが
今の父にとっては一番の特効薬だというのもあるし。
でも、入院中に落ちた体力と体重が元に戻るまでには
相当な時間と努力が必要だというのは明らかだし、
近くでみている私には辛い現実でもある。

父は完全復活はできない。
本人も昏睡状態にあった2日間のことは
まったく思い出せないというくらいで
その失った記憶はきっと戻らないだろうし
入院生活中に落ちた体力も決して倒れる前と同等にはならない。
ただ、今の父が戻せる限りのレベルまでしか戻らない。
それを見守るしかないと思っているし、
レイラと散歩にまた行けるようにって
一人でこっそりリハビリしている父の
生きようという意志に賭けるしかない。


父が倒れたことはあまり多くの人に伝えていなかったので
これを読んで初めて知る人も多いんだけれど。
父が望まなかっただろうし
私も望まなかったから。

事実を伝えたほんの少しの人たちからの様々なメッセージ。
それぞれの立場をわきまえて、
色んな形で寄り添ってくれたり、見守ってくれたり。
心からありがとう。

こんな状況だから、
自分にとって本当に大切なものが見えたりもする。
ずっと大切だと思っていたものが
実はそんなに大切じゃなかったり、
心に響くこと、響かないことが明確になったり。

そしてなにより、自分は無力だってことを教えられた気がするな。

書き続けるとずっと続きそうだからリセットしよう、リセット。

11月9日(日)のつぶやき

2014-11-10 02:36:02 | 日記

雨上がりの日曜日。
レイラのお散歩中に見つけた、露を受けた秋薔薇とアマガエル。 instagram.com/p/vKNMj1CX9E/


7針縫う傷だったのか。→羽生、あご7針縫う...耳の上はホチキスでとめる gunosy.com/g/goKnf


なんかすっごい久しぶりにみちゃった。

新作 【別府市 × Peeping Life】 ショータとコータの別府道中 Peeping Life Beppu City Collaboration youtu.be/R-HIN8Ixp1k