不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Servizio antincendio in vasto territorio

2016-04-03 15:16:32 | 日記

のんびりした土曜日の夕方、
珍しく母と夕食の買い物に出かけようと
自宅の二階から外に出たら、辺り一面煙っぽく。

我が家は、今は寂れてしまった繁華街の真ん中にあって
裏手は某焼き肉屋さんなので、
焼肉の煙が辺りに漂っていることはよくあります。
そんなこともあって、
今日は随分早い時間から焼肉やっているのかなぁと思ったりもしたんだけれど
なんか煙の質がいつもと違う。
肉を焼いている煙ではなく、黒煙に近いし、異臭も若干感じるし。

家の裏手に回ってみると、
焼き肉屋さんの換気扇から
(これは一年中24時間止まることなく回り続けていて、
私のキッチンの窓に直撃するようになっているので結構迷惑)
黒い煙がもくもく出ている。
焼肉の煙はその換気扇からではなく、
専用煙突から出るはずなので、おかしいんじゃない?ということになり。

母が声をかけるものの、
焼き肉屋さんは営業時間ではなく、
オーナーの車もないし、お店の入り口は鍵がかかっている。
背の低い私には見えなかったけれど、
入り口のすりガラス越しに店内を覗き込んだ母には
厨房に立ち上がる炎が見えたようで。

ということは火災の可能性がかなり高いわけで、
私は即座に115に電話しなくちゃと思ったんだけれど、
冷静に考えれば考えるほどよくわからなくなった。
そう、私は未だにイタリアと日本の緊急通報の番号が区別できていない。

動転して周囲の店舗に声をかけ始めた母に
「通報するから、消防の緊急電話番号教えて」と声をかけたら
近所のおじさんが「119番」と教えてくれて、
あぁ確認してよかったと思いながら通報。

通報して、状況を説明しているうちに
母が、火は消えたからと叫んでいるのが聞こえたので、
最後に「どうやら火は一応消えているようですが煙が出ています」と告げると
とにかく、早急に消防隊員を向かわせますということで。

あっという間にサイレンが近づいてきて
その場にいた誰もが驚くような大編成で消防車やら救急車がどっさり到着。
それを見た母は、消防隊員に向かって
「こんなに大袈裟なことになるなら通報なんかしなければよかった。
帰ってください。」とかわけのわからないことを言い出す始末。
パニックに陥ってるんじゃないかと思ったわ。
まぁ確かに大袈裟だったけれど。

鍵がかかっていたため、消防隊員も中に入れず、
結局、焼き肉屋さんの客席の窓外の柵を切断して中に入ることにしたようで
それはそれで致し方ないかなぁと私は思ったのに、
ここでまた母が
「そんなことしてもらっては困るから。
後で私がお店の人に文句言われたら嫌だから。」
とまたわけのわからぬことを言って隊員の皆さんを困らせ、
さらには通報者は私であっても、
第一発見者は飽くまで母であり、炎を見ているのも母なので
状況説明をしてくださいという隊員さんに向かって
「いやです。」などと突き放し。
この人はパニックに陥ると手に負えないんだなぁと改めて。

そういえば、父もよく言っていたっけ、
「あいつは地震が来ると勝手に動転して
すぐに一人で飛び出していこうとする。
絶対落下物に当たって怪我をするタイプだ」って。

しばらくそんな母の様子を見ていたのだけれど、
あまりに呆れてしまったので、
いい加減にしなさいと窘め、
隊員さんに迷惑をかけないようにと告げているその時に
焼肉やさんのオーナーが戻ってきて、無事に何も壊すことなく隊員が店内へ。

煙の原因は、鍋の空炊き。
鍋の取っ手が燃えたので炎が上がり、
黒煙が出たようだけれど、
周辺に他に燃えるものがなかったため自然鎮火したようだと
隊員の方から説明を聞き、一件落着。
火災扱いにもならないことに。

大事に至らず、けが人も出なかったので良かったのだけれど、
黒煙の直撃を受けた私の部屋は煙で充満していて
換気をしても煙がなかなか追い出せず
一晩中、どんなにお香を焚いても嫌な臭いが消えず
チッチーノと二人ですっかり燻されちゃった感じ。

4月1日から静岡県東部は広域消防がスタートしたばかりということで
119番通報すると、沼津につながり、
そこから現場に近い分署から編成が送られる仕組みになっているらしく、
そのため、タイムラグが生じることもあるという話を
隊員さんから聞きました。
そのせいなのか、
一番最後に告げた「火は消えたようです」という情報は
実際に現場に来た隊員さんには伝わってなかったのです。
でもまぁ、現場の状況が分からなかったら、
どんなことにも対応できるような編成で出動してくるよね、普通。
それを大袈裟な編隊で来るなと文句をいうのもお門違い。

この程度のボヤ騒ぎであれだけ大騒ぎできる母には
ある意味感心もしますが、
本当に何か災害が起きた時、
あの母は私の手には負えないかもしれないと
ちょっと不安にもなったのは事実。
逆にどんな状況でも結構冷静(を装っているだけ)な私を見て
こいつは頼りにならないと母は感じたのかもしれないけどね。


4月2日(土)のつぶやき

2016-04-03 02:48:18 | 日記

いつものお散歩道の堤防の向こう岸まで、桜の様子を見に行ってきたけれど、五分咲きかな。
お花見には肌寒い4月の土曜日。 instagram.com/p/BDrc3YJCX-3/


雨上がりだったので、
パンジーの花びらの上に
綺麗な水滴が落ちていた。 instagram.com/p/BDrdl6MCXwc/


沼津原の白隠桜。見頃には早すぎたけど、お花見客で賑わっていました。
桃と桜とカラシナの競演。 instagram.com/p/BDry1Q-iX1b/


沼津千本浜の松林の中の桜は満開。
誰もお花見していないので独り占め。 instagram.com/p/BDsAjnTCX38/


桜巡りの後は、
わんわん温泉でひと休みのレイラ。 instagram.com/p/BDsAqPmiX4F/


人を助けるのは、殺すより難しい。
by ジグロ instagram.com/p/BDsqQ1oiX6P/