CHIKU-CHANの神戸・岩国情報(散策とグルメ)

神戸・岩国の最新情報を中心に紹介していきます。歴史や時事について調べた結果を紹介。

本郷菊富士ホテルの跡

2007年06月21日 06時11分13秒 | Weblog


本郷付近散策中に、菊富士ホテル跡の碑を見つけた。

菊富士ホテルは、下宿屋を営んでいた岐阜県出身の
羽根田幸之助ときくえの夫婦により大正3年(1914)に
創業された。


帝国ホテル、築地静養軒ホテル、日比谷ホテルくらい
しかない当時に幸之助は、斬新な考えでホテルを始めた。
同年は東京大正博覧会が開かれ、外国人客も多く見られた。

しかし、博覧会が終わると、外国人客の姿が次第に
減っていく。
変わり身の早い幸之助は、ホテルを高等下宿屋に
切り替えてしまった。

モダンな雰囲気と大正5年(1916)に起きた日蔭茶屋事件が
ホテルの名を一気に広めた。
この事件はホテル滞在中の無政府主義者の大杉栄が愛人と
葉山の日蔭茶屋に行った際、もう一人の愛人に刺された事件だ。

この年以降、菊富士ホテルの宿帳には、著名な文人の止宿が
爆発的に増えた。
主な止宿者を列挙する。谷崎潤一郎、竹久夢二、坂口安吾
石川淳、宇野千代、尾崎士郎、直木三十五、正宗白鳥、
小原直、大杉栄、三木清、月形龍之介、中條百合子
宇野浩二、広津和郎、湯浅芳子など文士や画家が多い。
彼らの活動の拠点となっていく。大正後期から昭和初期の
全盛期には「泊まろうと思っても、紹介がないと、なかなか
順番が来なかった」との証言もある。

昭和20年(1945)3月10日の東京大空襲により消失した。
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