カラダよろこぶろぐ

山の記録と日々の話

初めての縦走・奥秩父【金峰山編】

2009-05-10 | ヤマのこと

1日目はコチラ

2日目
【5/3(日)】行動=富士見平7:30→大日小屋8:30→大日岩9:15→砂払いの頭11:03→千代の吹上11:30
→五丈岩12:15→金峰山頂12:25→朝日岳14:13→大弛峠15:30
(CT5時間30分のところ、行動時間8時間(休憩時間含む))

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富士見平は予想より温かく爆睡。
すっかり寝坊して、予定より1時間も遅れて7:30出発。

曇天でしたが、うっすらと富士山も見えていた富士見平を後にします。
初日はピストンだったから、実質縦走は今日から。


まだ目覚めていないカラダは重く、樹林帯の中、ゆっくり登っていきます。
今日は苦手な雪道のトラバースと、切れ落ちた尾根の通過がある予定。
今までの私ならナーバスになっているところだけれど、今回は・・・
そこを通らなければ先に進めない!と、朝から気合十分です。


大日小屋で息を整え、大日岩に到着。
テント装備でロープのある場所を通過したのは初めてかな?
腕力のなさでザックごと背後に引っ張られるような情けないジブン・・・でも弱音は吐かないぞ。


足場のしっかりしたところで後ろを振り返ると・・・
静かに白く佇む山々、中央アルプスあたりでしょうか?
幻想的な眺めが私を後押ししてくれているようです。


大日岩を越えると所々雪が出て、凍ったところも増えてきます。
今日は早速8本爪アイゼン装着。
恥ずかしくなんかない、自分の実力に合わせるのだから。
樹林帯の凍った斜面もアイゼンのおかげでぐんぐん進めます。
やっぱり頼れるものには頼らなきゃですね。

えっちらおっちら登っていると、上から降りてきた二人連れ。
「こんにちはぁ~・・・」あれ?まさか?ウソ?


な~んと!11月にお会いしたまゆ太さんご夫婦にまたバッタリ!
すれ違いでゆっくり話せる場所じゃなかったけれど、また会えた喜びで記念撮影♪
なんとお二人は雲取山からココまで来て帰る途中、さすがの健脚さんです。
この先不安で一杯だった私の言葉に「大丈夫ですよ!」と元気をくれたまゆ太さん、ありがとう!
またしても会えるなんて・・・不思議な縁で、今回の旅は見えない力が働いているのかも・・・と感じた瞬間でした。


まゆ太さんにパワーを分けてもらい、頑張って進んで行くと稜線に出た。
そして・・・いよいよ私の顔が白くなり、手のひらに汗をかくエリアに突入。
尾根が細くなり、高度感が増すと無口になるワタシ・・・
背後には八ヶ岳、昨日行った瑞牆山も見えている。
こんな素晴らしい眺めも・・・楽しめる余裕がないって寂しい(笑)


ここは砂払いの頭あたり?
苦手なところは前しか見ないワタシだけれど、岩の隙間に富士山を見つけた。
自分の気持ちを落ち着かせるため、無理やり写真も撮る。
大日岩からここまで約2時間弱かかっています。


五丈岩が見えてきたよ(見えてからも遠い・・・)そう、あのとんがりを越えなければ・・・
もう、後戻りは出来ない。
頑張れ、ワタシ。
大丈夫だよ、出来るよ、と自分に言い聞かす。


千代の吹上あたりの(緊張で覚えていない)残雪のトラバース・・・左側は遮るもののない斜面。
渡りきったら金峰山小屋への直進の手前斜面を90度、右へ登っていく。
下は見ない、前しか見ない。足を滑らせないように、一歩一歩確実に進み・・・


登りきったところで、振り返る。ほんの一瞬、深呼吸。(雪は2箇所ありました)
ここはもう、ワタシ帰れないよ~(笑)よかった~やっぱり登りにとって。
(※極度の怖がり&高度恐怖症の感想です、普通の人は平気だと思います)
でも事前調査より怖くなかったなぁ、去年の至仏山のほうが怖かったかも、距離短いし・・・ナンテ。
これをクリアできないならアルプスなんて到底ムリ、が今回の合言葉です。



私のあまりの鈍足と腰引け振りに呆れて腕組みするダンナ。
ここでアイゼンをはずせ、という指示通りにして・・・



あと少し、もうすぐそこに・・・イワ!


・・・着いた。
これが・・・五丈岩か・・・でかぁ~~~!
しかし、なぜ積みあがっているの?誰が積み上げたの?


五丈岩が見えてから約1時間15分。
富士見平からナント4時間45分もかけて、金峰山頂、到着。
越えられたね、苦手な道、テント装備で。
やれば出来るじゃん、ワタシ。(なんか最近私の方が大きい気が・・・)


山頂は狭くとても混んでいるので、その先の静かな場所で休憩。
やっと、景色を眺められる余裕が出来た。
だけど不思議とピークを踏んだ、という喜びはなかった。
目指すのは・・・まだまだだから?


キンチョーで水ばかり飲んでいて、お腹が空くのも忘れてた。やっとここでお昼に。
パンパンに膨らんだ袋のバームクーヘン、富士山を眺めながら頂きました。
眺めがいい山なんだね~、と今頃周りを見渡します。
登ってて変化があって楽しいし、眺めも良いのが人気なんだろうな、と思いました。


さて、私にとっての第一の難関をクリアできたので、気持ちも楽に出発。
あの大きいのが「国師ヶ岳」かな。
ここからまた、ぐぐっと下ります。


金峰山頂を過ぎると人の数がぐっと減ります。
ほとんど誰とも会わなくなりました。調査通り雪の量も急に増えます。


「鉄山」を巻き、「朝日岳」に登りかえし、一休み。このピークからの展望はありません。


2528あたり?、少し開けたところに出ました。
あ、ここ北ヤツに似てる。縞枯っぽいー、なんて言いながら歩きます。


誰にも会わず、小さくアップダウンをしながら歩く雪道。
疲れも出てくる頃、「ホーホケキョ」と愛らしい声が

ウグイスは捉えられなかったけど、野鳥がたくさん!
こんな近くに恐れもせず、寄ってきてくれるなんて。


今日は頑張ったね、と言ってくれてるに違いない!
自分に良いように解釈させてもらえる、鳥のさえずりで元気が出ました。


解けた雪に時々足の付け根までズボっとハマり、歩きにくくなってきた登山道。
「ビール、ビール」と掛け声をかけながら意外に長く感じる道の向こうに・・・
やっと赤や黄色の色が見えて、大弛小屋、到着です。



この日のテントは12,3張だったでしょうか?
小屋のオーナーさんに申し込みに行くと、名前を見て、
「あ、○○さんだね、そろそろ到着かな、と思っていたんだよ。
車道に張ってもいいけど、そこは風の通り道だからそのつもりでね。
水場はこっちで・・・」
と、とても親切にしていただきました。

心配性な私は、泊まりの時はいつも事前に電話問い合わせをしてしまいます。
この小屋は予約がないと開けないから、5/3は未定だけどテント?
と名前を聞かれていたのです、それを覚えていてくれたようです。

ザックを背負って富士見平から大弛峠へ・・・これた。
初めての経験、今日のところは無事終了。
明日、次のテント場まで歩き通せる自信がなければこの林道(5/31まで冬季通行止め)
をエスケープする計画だ。

「どう?」
とダンナに聞かれ、
「朝青龍」
と答える私。(気合十分ってコト・・・恥)
「そうだよね、今回は天気が良いから敗退する要素はないもんね・・・
とイヤミ一発・・・。

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今回の山メシは全てダンナ担当。
一番美味しかったのはこの「もちもちお好み焼きどんぶり」
ヒガシマルのスープに、キャベツや山芋を入れて焼いたお好み焼きを入れるだけ。
つるん、としていて疲れた体に食べやすかった。
もちろんビールのつまみにもGOOD。
ビールは東京から背負ってきた残りの一人500mlと、小屋で売っていたので追加投入(350ml¥600でした)


事前にイメージトレーニングしておいた道程、今日の行程はこんな感じでした。
(縦1メモリは標高差100m・横1メモリは距離1km)

雪はたくさん残っているのに、意外にも寒くない大弛テント場、ラッキーかも。
明日は私がまだ体験したことのない距離への挑戦。
いつもなら眠れる夜を過ごすところだけど・・・

3日目へつづく・・・