カラダよろこぶろぐ

山の記録と日々の話

ご主人の思うツボ・・・やま。

2010-04-19 | ヤマのこと

2010.4.18(日)山梨県の「坪山」へ行って来ました。

人気の山とは知っていましたが、最盛期?に来たのは初めて。
上野原駅に30分も早く着いたにもかかわらず、バス停には長蛇の列。
奈良倉山・鶴峠方面、6台増発するとかしないとか・・・

 
私たちは朝一8:08発の1台目のバスに乗り「ハツ田」下車。
9:15、スタート。坪山目指します。


 
途中の写真は前回と同じなので省略。
第一平坦休憩ポイントを過ぎると、今日一回目の「イワウチワ」さん遭遇。
みんな登山道には背を向けていました。


 
こんな標識が出てくると第二ポイント?
群落という割には少ない・・・早すぎたのか?遅いのか・・・?



でも生き生きとした「イワウチワ」を見るのは初めてで、
薄いピンク色がカワイイお花でした。

とにかく人がずっと詰まって登っている状態なので、
撮影ポイントに来てもゆっくり撮ったり、見ている暇はありません。
それが残念といえば残念でしたが・・・仕方ないですね。


 
「ヒカゲツツジ」はイマイチ元気なくしわしわ・・・
季節はずれの雪のせい?たくさんの花が落ちてしまっていました。


 
山頂が近づくにつれ、イワイワ+雪+泥んこねりねり状態になってきました。
この痩せ尾根、雪がつくと嫌さが倍増。
後ろにはぴったり登山客に付かれているので、わき目も触らず登るしかありません。
やれやれ。


 
左:奥多摩方面も雪ビッチリついてますね・・・   右:矢印のところに富士山がくっきりなんですが。

結局1時間30分で「坪山山頂」到着。
バス7台分の人が来たら乗りきれないよ!と思っていましたが、
10:45でもうこの人だかりです。山頂写真も満足にとれず、早お昼をささっと食べて下山です。
なんか忙しすぎて・・・残念でした。
そして数十分前に、ここにsanae隊がいらしてたとのこと!更に残念・・・


 
下山は前回見送った「松姫鉱泉」と決めてきました。そちら側なら2時間に1本バスがあるし。
でもいきなりの急下り。下り苦手な私は座り降り・・・(恥)

それでも次の分岐まで2回転びました。山頂でカッパズボン履いてスタンバイしたのは正解でした


 
でも本当にツライのはこの先でした。
赤丸印の「松姫鉱泉至」の道標に何の疑いも持たず従います。
ま、雪の巻き道では辛い思い出しかない、ということを毎回忘れる私がいけないんですけどね・・・
ルートが見えない・・・先行者の足跡だけを信じて進みましたが・・・


途中で踏み後は消えました・・・


 
私たちも「怪しい」と思った箇所があり、踏み後はそこで消えていたので多分戻ったのでしょう。
「戻ろうか」という私を無視するダンナ。いつものパターンです。
そしてあやふやな巻き道は続き、倒木が行く手を阻み・・・


 
落ちてまっさかさま、な斜面じゃないけれど、
雪が一杯だから滑り落ちたら戻るのが大変そうなトラバース道。
だいたい、滑落してたって誰も通らないから気づいてももらえないような道。
薄暗い植林の中、見上げれば尾根はあるけれど、なかなか近づかない。
「道迷い」のパターンじゃないのよっと怖い半分怒り半分。
さっさと進むダンナの後を必死で追い・・・



進んだその先の崩落箇所に、ほっそいトラロープがかけてあるではないですか。
ってことは登山道なんだ(笑)間違ってないかも?



ミョーな所に安心を覚え?先へ進むと久々に道標発見。
小さい石仏も。でも依然自分がどこにいるかは解らず。
こうなったら最後まで信じるしかない!とまた「松姫鉱泉至」の白い板に導かれ・・・


少し開けた明るい巻き道を進むと、その先で休んでいた登山者発見!
「奈良倉山」から来たそうで。
ここでやっと「坪山」の尾根ルートと合流しました。
私たちが来た道は、手書きの道標に「坪山への回り道」と書いてありました。
ここまで約2時間、あ~また変な汗かいちゃった


 
林道へ出ると、またこれが解り辛い
もっと簡単に行けると思って1/25000地図を持たずに来た私もいけないのですが・・・
半分折れてなくなっている道標に「松姫峠」と書いてあるのに、登山道らしきものはない。
降りてきた方向にまっすぐ進むと登山者の団体さんがいて、
地図を見せてもらい、「松姫鉱泉」と「松姫峠」は全く別物、
ということが解り進むべき方向を見出せました、ありがとうございました。


 
ここが「西原峠」らしいです(特に何も書いてない)
小さい手書きの板には「中風呂バス停」と。これでやっとまともに下山できそうです(笑)


 
「西原峠」から約45分下り、14:10、やっと民家の脇に出ました。
水のきれいな葛野川を渡り、国道に出ると・・・


 
すぐ右手に目指す「松姫鉱泉」がありました。
玄関先に宿の方らしき人が立っていて・・・
「・・・さっき電話くれた人?」
「いえ、電話してないんですが、入浴できますか?」
「ああ、いいよ、どうぞ」

とぶっきらぼうなんですが・・・そんな感じは慣れてるので・・・

 
一人500円。今日は「男湯」のほうしか沸かしてないから、と。
お風呂は外から丸見え(笑)でしたが見る人もいない場所なので・・・いいお湯でした。
缶ビールは自販機で玄関で売ってます。ジュースは外に自販機があります。


私たちの30分後くらいに、予約をしたという男女混合の11名の団体さんがやってきて、
(行きのバスで一緒の方達でした)
休憩室で休んでいると、見た目はぶっきらぼうだけどおしゃべり好きなご主人(75歳前後)
も入ってきてあれこれとお話。

「俺の作った道、通ってきてくれた?」
「え?あの道途中でわからなくなって、まずいと思って引き返したんですよ」
「そ~~んなことねぇだろ、あの先はあー行ってこう行って(身振り手振り)行けば着くんだよ。
以前大月方面はアップダウンがきつくて旅館まで来るの嫌だ、
という人が多かったから、楽に来れる様にさ、オレが道作ったんだよー。
昔はあの辺まで炭を作りに上がってたんだよ」

それを聞いていた私たち。
「あの道はご主人が?私たち今そこ通ってきましたよ。」
「おっ!そうか、そりゃいいや、どうだった?」
「なかなかルート見つけるのが難しい道でしたけど・・・倒木もすごいですね・・・」
「だろうな、去年おととしは多分誰も入ってねえみてえだから。でも登山道に案内板あったろ?」
「え~~?何もないですよ。雪に埋もれてたのかな?」
「小さい木で案内板立ててるハズなんだけど、猪が塗料の匂いが好きらしくってさ、
食っちゃうみたいなんだよ、わっはっは」
「え~~~っ・・・・・」



そんなご主人の思う壺にはまって冷や汗かいちゃって宿まで導かれてきたけど、
さすがに作った本人目の前にひどい目に会った、とは言えないし。
憎めないかわいいご主人だったのでもういいです(笑)

この旅館も昔ダムを作っていたときはバブルで、毎日70人も泊まったそうです。
今は泊り客はほぼゼロ。(先月サラリーマン金太郎が撮影に来たけど泊まらなかったって)
この団体さんを後で駅までご主人が送るそうですよ。



旅館の「ご神木」を見上げ、16:06のバスを待ちます。
なんだか慌しい不思議な1日だったけど、昔の人らしいご主人の話で笑顔になり、
猿橋駅まであったか気分でバスに揺られて帰りました。


山頂に書いてあった「回り道」って、このことだったのね・・・





おしまい