カラダよろこぶろぐ

山の記録と日々の話

中の湯温泉でスノーシュー

2013-01-18 | ヤマのこと

2013.1.13(日)~14(祝)長野県の「中の湯温泉」へお泊りしてきました。


まだ山に興味を持ち始めたばかりの頃に見た、ヤマケイJOY(2005年冬号)の記事。


この記事は年末年始を上高地で過ごす、というものだった。まだバス以外で上高地に行けるとも知らず、
いつかはこんな風に雪の上高地に行ける人になりたいなぁ・・・と憧れていたあの頃。

昨年palletさんが同ルートで歩かれたのを拝見し、憧れが再燃。
この冬、たまたまサイトで”スノーシュープラン”なるものを見つけたので、
いつかは行って見たい・・・と思っていた場所へ友人と4人で出かけました。


* * * * * * * * * * * * * * * *

往路は新宿駅から中央高速バスにて松本入り。
笹子トンネルを通過しながらほぼ定刻通り松本駅到着。

松本駅には何度もお世話になっているのに、いつも夜間に来て早朝出発とか乗換だけとか。
夜行列車(バス)のないこの時期、朝一で来てもその日のうちにスノーシューできる時間は取れないので、
こういう時にこそ、と、まともに歩いたことのなかった松本を観光します。

 
(ゆるキャラはアルプちゃんというそうです)
城に向かう途中、人だかりに遭遇。
何も調べてこなかったけど、大名町通りが賑わっていたのは「あめ市」というお祭りでした。


 
右に左に寄り道しながら目指す「松本城」に到着。四人ともここに来るのは初めてです。
この日は風もなく穏やか。寒いつもりで来たのに歩くと暑くなるくらいでした。



松本城の向こうには、白く輝く常念岳、蝶~燕岳までの稜線がまるで浮かび上がるように目に飛び込んできます。
こんな素晴らしい景色が毎日見れるなんて、松本にお住まいのかたが羨ましく思えました。




 
ちょうど成人式のイベントで、武将たちと一緒に写真を撮るサービスもあったり・・・
(あれ?どこかで見たポーズ)国宝・松本城をゆっくり見学しました。



天守6階からは北アルプスがさらに大きく感じ、
よく目を凝らすと常念岳の横に槍の穂先が見えました。


 
資料館なども見学し終了、昼食にします。
いつか松本に来たら美味しいお蕎麦を食べたいと思い、松本と言えば・・・のヒサさんから、
教えていただいたお店を探して到着しました「もとき開智店」さん。



”吟醸蕎麦”という実の中心部分だけで作る(多分そんな説明^_^;)という蕎麦は、透明感がありぷるっぷる。
今までに食べたことの無い食感はとても新鮮で、クセになりそうな美味しさでした。
ヒサさん、ありがとう☆

松本駅まで戻ると、送迎バスがもう着いていました。
送迎バスに乗り「中の湯温泉旅館」へ。

 
中の湯バス停からぐんぐんと坂を登り、宿に到着する頃にはすっかり空はどんより。


宿のロビーからはすぐそばに明神岳、前穂高岳~奥穂高岳が見えました。
この位置から見たことがなかったのですが、結構なギザギサ。この時期に登れる上級者はすごいなぁ。

ほんのり硫黄の香りがする掛け流しのお湯で温まりました。


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【2日目】
 
翌朝、外は真っ白。
前日から天気が良くないのが解っていたので、上高地まで行くのは既に諦めていて、
時間的に大正池で引き返すのが無難、とプラン変更。

ところが思わぬ積雪の為、旅館からトンネル入口までの道が除雪しないと通れず、
出発予定を1時間遅らせた8時になっても宿から出られない。
こんな日は予定通りに動けないのは当たり前、と成り行きに任せ釜トンネルの入口に到着できたのが9時。


スタート時は大勢いたので他の方たちのヘッデンで歩ける程度、
30分ほどでトンネルを抜けました。自然光が見えるとなぜだか嬉しい。



帰りのバスの集合時間が12:30と決まっているので、それまでに戻ってこなければなりません。
釜トンネルの中にザックをデポし、身軽になってスノーシューハイクスタートです。



湿った重い雪はやむどころか容赦なく降ってきてなかなか前に進めず、
GPSで現在地を確認したら大正池はまだ先。予め調べておいたCTでもそこまでは厳しい感じ。

厳冬期の上高地なんて、我々は山登りで絶対に足を踏み入れることはないし、
いつもはバスでしか通過しない釜トンネルを歩けただけでも良い体験だったね、
青空の上高地はまたいつかリベンジしよう、と私たちのゴールはここまでと決めました。



でも男性チームは何か目的を達成したいらしい・・・。
私たちの足では間に合わないので二手に別れ、彼らは大正池を目指しに行きました。



(ダンナカメラ)
なーんにも見えないけど、やっぱりこんなにキレイだったんだ(行けばよかった・・・(^^;;)



(ダンナカメラ)
凛とした、厳冬期の大正池。青空じゃなくても、これはこれで美しいね・・・。


  
帽子が重たくなるくらい、朝よりもどんどん、どんどん雪は積もっていきました。



この日は気温が高かったのでトンネル内は凍結もせず、歩きやすかった。
一区間だけ真っ暗なところがあって、ヘッデンがないと辛いところもありました。



トンネル入口まで戻ってきました~。
連休だった為か?続々とデカザックにピッケルをさした皆さんが帰ってきます。カッコイイな。


 
さて、我々女子チームが大正池に行かず早く戻ってきたのには理由があって、
ここの「ト伝の湯」という温泉に入りたかったからなのです。
我ら電車派は夏に上高地に行って”中の湯バス停”で途中下車してこの温泉に入るのはほぼ不可能。
だからこんなチャンスでもないと入れないから、どうしても入りたかったのです。

念願の「ト伝の湯」は洞窟風呂のようなまさに”秘湯”を感じさせる良いお湯で満足♪

昨晩霞沢岳直下でビバークしていて、テントにあたる雪の音を聞いてこれはまずい・早く下山しなければ、
と大慌てで降りてきたというソロの男性と、ストーブのある売店でお話しながら送迎バスが降りてくるのを待ちます。
(雪の音でこれはまずいことになると判断できるのがさすが、と思いました)

売店のテレビを見、雪の降り続く空を見上げる関係者たちも、
「こりゃぁひどいことになりそうだな、まいったな・・・」と話していました。


 
バスは12:45、定刻通り迎えに来てくれました。
お腹を空かした我々は、松本駅で何の駅弁買おうかな~♪なんて思いながらバスに乗ったのですが・・・

途中の奈川渡ダムの手前のトンネルの中で渋滞に巻き込まれた。
運転手さん曰く「渋滞するような場所じゃないんだが・・・」

関係者から運転手さんへの電話で、この先の道路が表層雪崩で塞がってしまい、
撤去作業をやっている為の渋滞らしい、ということが解った。
なるほど、先ほど歩いた釜トンネルから先も、雪崩のあとがいくつもあったし、
ちょうどトンネルに戻ってきたところで、道路脇の雪崩に遭遇し、驚いたばかりだったので事態は想像ができた。

ただ、想像できたところで自分たちに何か出来るわけでもなく・・・
トンネル内で動かぬままじーーーーっと約2時間経過。



その後、ようやく片側通行になったと知っても進まず、
松本駅まで1時間15分のところ、4時間かけてようやくバスから降りれてほっ。



 
もちろん予約していたあずさには乗れず、松本駅の駅弁~NEWDAYSのおにぎりもすっからかん・・・
次の列車が急遽運行になったり、途中まで各駅停車になったりで激混み&ノロノロ運転のあずさ(座れましたが)
4時間で帰れるところ8時間以上かけてようやく家に辿り着きました。


1/13(土)はみんなはお休みだったけど私だけが仕事で1日ずらしてもらい、
土日だったら良い天気だったのに・・・と残念&申し訳ない気持ち。
年始のおみくじで「大吉」を引いてしまい嫌な予感・・と思ってはいましたが・・・。

ま、なにはともあれ、無事にその日のうちに帰宅できてよかった。
長年憧れてた「釜トンネル歩き」白く輝く上高地は見れなかったけど、
いろんな意味で思い出深い、温泉旅となりました。


おしまい。



【行程】(1/13)中央高速バス新宿7:00→松本駅10:20・・・松本城・・・松本駅14:45→中の湯温泉旅館16:00
(1/14)中の湯温泉旅館8:30→釜トンネル入口→大正池→釜トンネル中の湯売店11:30~12:45→松本駅16:40~17:20→新宿駅21:30頃?