カラダよろこぶろぐ

山の記録と日々の話

GW近畿の旅・弥山~八経ヶ岳

2015-05-09 | ヤマのこと
2015.5.3(日) 二日目 天気予報は下り坂

この日は大峯奥駆道の一部を歩く 以前から楽しみにしていた日ですが
車移動ではない私達には 交通の便が悪くて計画しにくいエリアでもありました

色々プランを練った結果 やはり通常通り行者還トンネルから登る事になった
行者還トンネル西口までは 下市口駅から天川川合まで路線バスで1時間
そこからタクシーで約5000円

ところがそのつもりで計画していたのにタクシー予約の電話をしたら
GWの予約は受けられないとの事!
理由は天川村にタクシーは一台しかないからだという・・・

タクシーがなければ天川川合からのピストンになってしまうけど
山は出来るだけワンウェイで歩く、が自分流だから そこはなんとか頑張りたい
調べた結果 下市口駅からならタクシーがあり、11000円くらいで行けることを知り無事予約完了

ところが出発の前日の晩 地図を眺めていてふと気が付いた
自分が登ろうとしていた登山口は 行者還トンネルの手前の”大川口”というところだった
行者還岳経由で行くつもりで 勝手にその麓が”トンネル西口”だと思い込んでいた私・・・

まあ、私の持っている2009年の地図では破線になってるけど歩けるよね?
いやまてよ、一応大峯に詳しい方に聞いてみようと連絡すると

「そこはバリルートなのでやめましょう、熊の巣とも言われていますよ」

わぁ・・・聞いてよかった・・・気づいて良かった、熊の餌食になるところだった(笑)
どおりで調べてもここ何年も登った人の記録がない訳だ・・・

(前置き長過ぎですいません・・・)



▽八経ヶ岳を目指して▽

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自分の勘違いだから仕方ない、では行者還トンネル西口からでは歩き足りないけど
弥山小屋にもう予約してるのだからゆっくりしましょと諦めたら
行者還トンネル東口からのルートはいいですよ~というナイスアドバイスを頂いた♪
地元の人の意見は聞くものだ!と直前にくるくる予定は変わり
めでたく東口へと降りたら 曇り予報だったのに早くも霧雨が(笑)


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トンネル西口は路駐が酷く登山者でごった返していたのに たった5分先の東口は車が5台ほど
静かな山歩きを好む人にはもってこいのルートのようだ
苔が美しい道を 赤テープと踏み跡見ながら進んで行くと


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しっかりとした道標が出てきました


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誰にも合わない静かな道 途中ソロの男性が一人あがってきただけでマイペースで進みます


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するとどんより空の暗めな道に ぽつぽつとピンク色が見えるではないですか
わ~い♪ シハイスミレかマキノスミレか?
同じような顔をしていても 葉っぱの裏が紫だったり緑だったり 見つける度に確認してみたり
スミレ勉強中の私には思わぬプレゼントが嬉しくて 霧雨でもハイテンション♪



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嬉しいことに 見たことがあるような無いようなスミレが次々現れます
この子は???帰ってから調べたら 側弁に毛がびっしりあったのでヒメミヤマスミレ?



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ワチガイソウとちょっとピンクの濃いヒメミヤマスミレ?



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小さな小さなヒメイチゲ
右はあっちこっちにたくさん咲いてた 小さくてフモトスミレに似てるけど・・・
フモト関西バージョン?(笑)

楽しい寄り道は尾根に上がっても続きました(*´∀`*)


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花に夢中になってて ふと目を上げると 気持ちの良い尾根道が広がっていました


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バイケイソウの緑が目に鮮やか
ここがお勧めの尾根歩きだったのね 
とっても雰囲気のある気持ちの良い道で おすすめの意味がよくわかりました
ここから弥山を見ながら歩けるらしいのだけど 今日はこんな天気で残念でした



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霧雨が更に強くなり 辺りは幽玄な雰囲気になってきましたよ



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それでも楽しい尾根歩きは続きます


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足元にはまだまだ小さい菫が咲いています
フモトの関西バージョンと思っていたのは もしかして トウカイスミレというのかしら?



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奥駈道出合に着いたら 一気に人が増えて賑やかになりました



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いくつかのポイントを過ぎると聖宝ノ宿 聖宝理源大師は大峰山中興の祖だそうです
ここで軽く昼食を取り 先へ進むと九十九折の登りになりました


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この時間降りてくる人も多く 交わしながら進むと階段になり
そこを登り切ったら小屋が見えて 弥山に到着しました この時点ではまだ雨は霧雨
小屋にザックを置かせてもらい 八経ヶ岳までピストンします




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トウヒの立ち枯れの風景 いかにも八経 修験道の山って感じがします
でもここまでは日帰りでも来れるコースらしいので 軽装な人が多かったです


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予想通り 山頂は真っ白何も見えない  弥山神社でも真っ白で何も見えず・・・
国見八方睨からの風景や おすすめポイントを教えて頂いたのに 心の目で見るしかありませんでした
保護柵に囲まれたオオヤマレンゲの木 花も一度は見てみたいなぁ

小屋に戻ったら雨風が強くなり テントを張るのも大変そうな天気になりました



△弥山小屋情報△
自分が調べてもなかなか情報がなく困ったので残しておきます
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小屋は広く 布団も毛布二枚と掛布団があり 部屋ごとに石油ファンヒーター有
食堂もりっぱな木製のテーブルで広くキレイ この日は布団一枚に一人 トイレはキレイ
衛星TV等なく天気情報なし 携帯不可(docomo)
自炊だったので食事は食べてませんが 写真の通り手作りの物はなく質素なレトルト お味噌汁はインスタント
ビール350ml ¥500  ペットボトルお茶・ジュース有 水は1リットル ¥100
食料はカップ�跟のみ お菓子や飴・チョコ 行動食等何も置いていません 
夕食だけでは足りなそうな感じなので 持っていた方がよさそうです・要予約



▽天川川合へ下山▽

2015.5.4(月) 雨 降ったりやんだり

夜中に降っていた雨は 朝 風と共に強くなり早立ちの人は出発を躊躇していた
私たちはバスの時間までに下山するだけと
ゆっくり支度しているうちに雨は小降りになった

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天川川合までのCTは6時間 下山のほうが時間がかかります


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小雨の降る中降りて行きます 景色は昨日と変わらず


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途中から階段になった しかも長い長い
こちらを登ってくるのは根気が必要な感じがしました
濡れた木道は危険がいっぱい 慎重にゆっくり下って行くと・・・


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ヒメイチゲが気持ちよさそうに咲いている 美しい”狼平”に着きました



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さて橋を渡って川合方面へ降りて行きますが 白倉方面の弥山川沿いのルートは
沢登りの上級者コースで 平成23年9月の台風により崩壊し避難小屋も流出
下山は出来ないルートだそうです
たまたま会った男性二人は昨日登りにとってたどり着けず 途中ビバークしたとの事でした
通行できないことを先に教えて頂いてたので助かりました



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下山途中 ブナが美しい森にハッとさせられ


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見上げればガスに煙る森
もちろん天気が良い方がいいけど こんな美しい瞬間に出会えるのだから雨も悪くないよね
・・・と負け惜しみ (´ε` )



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時折ガスが切れ すーっと空気が入れ替わる
目に緑が飛び込んで来たら 昨日は気づかなかった こんな美しい大峯山脈の姿を見ることが出来た
ああ、そうだ ここは神々が宿る 聖なる山なんだ





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このルートも長くて忍耐がいりますが それも精神修行と思えばありがたいでしょう
5時間ほど降りてきたらいつも見ているような山の雰囲気に変わり


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ひっそりと咲く 初見のフイリシハイスミレ


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マキノかシハイか結局わからないままのスミレと 初見のヒメフタバラン
お花を楽しみながら徐々に標高を下げ



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尾根通しは町や車の音もない 右も左も山しかみえない世界だったけど
ようやく眼下に人家が見えてきて



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長い橋を渡ってゴール

大峯奥駆道 山岳信仰の聖なる道の一部 しかも楽な部分しか歩いていないけど
ここを何日もかけて歩き通すのは 強靭な精神と肉体を持ってなければ成しえないことと思いました
途中すれ違った 大きなザックで単独縦走する若者たちが眩しかった二日間でした






■行程■
5/3:下市口駅7:00→タクシー(¥11,360)→行者還トンネル東口8:15→一ノ峠9:50→奥駈道出合10:35→弁天の森→聖宝ノ宿11:40~11:55→弥山小屋12:50→八経ヶ岳・弥山神社ピストン→弥山小屋14:20

5/4:弥山小屋6:50→狼平7:50→栃尾辻9:50→川合登山口12:50


※大台ケ原から下山するバスで途中下車し、和佐又ヒュッテに泊まり弥山を目指すプランも考えました
和佐又バス停からヒュッテまでは徒歩一時間(送迎はありません)
バス時刻から推定するとヒュッテ到着が18時前後
和佐又から弥山までの標準CTは8~10時間
たくさん歩きたい時はこちらのルートもよさそうです



◆SPECIAL THANKS TO SLOW TREK



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