ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2016.5.18 採血・レントゲン後診察、ランマーク17回目、カドサイラ(T-DM1) 21回目(減量11回目)

2016-05-18 21:40:58 | 治療日記
 今月初めての通院日である。
 昨日は、仕事を終えてからSさんのスタジオで“瞑想ヨーガ”クラスに出席した。指導者養成コースで修了証を頂くためには、前期のうちに6回、土日の缶詰講習以外に普段の瞑想ヨーガのクラスに出席することが条件になっている。そんなわけで20人を超える出席者のうち養成コースのメンバーが半分以上。なんだかクラス会のように楽しい雰囲気だ。いつものように小一時間ゆっくり身体をほぐしてからマントラを唱え、キールタンを歌い、瞑想して充実した1時間半のレッスンが終了。

 終了後は同じ受講者であるIさんに均整術をお願いする。もうこのまま家に帰れたらどれほど幸せだろう、と思うほど身体がうまく緩んでリラックス。お話ししているうちに、なんと彼女は今私が勤務している大学の卒業生であることが分かった。お互いにびっくり。知合いの先生の名前を言って盛り上がる。ご縁は本当に不思議なものである。
 その後皆さんとお別れし、私鉄に揺られ、病院近くの常宿に前泊した。
 
 今朝、夫と息子にモーニングコール。外は青空が眩しい。早くも気温が上がりそうな気配である。熱めの浴槽足湯で身体の芯まで温め、痺れた足をマッサージしてから朝食を済ませ、チェックアウト。陽射しがきつい。昨日は雨で肌寒かったのでレインコートを着込んでいたが、帰路は間違いなく荷物になりそうだ、と思う。徒歩5分で病院到着。

 まだ朝早いので自動再来受付機もすんなり、採血受付でも待つことなくスムーズに受付。私の受付番号が早くも「中にお入りください」と出ており、そのまま部屋に入り、10分も待たずして番号を呼ばれた。今月の通院は今日のみの予定だから、マーカー測定もあり、4本の採取。刺針も抜針も殆ど痛みなく「(痛点が外れて)ラッキーでした」と御礼を言う。担当してくださった検査技師のSさんも「私もラッキーです」とのこと。

 止血をしながら2階のレントゲン受付へ移動。受付番号を取って番号が呼ばれるのを待つ。5分ほど待っただろうか。こちらもスムーズに撮影終了。
 再び1階に降りて腫瘍内科受付へ移動。ここまでで病院到着から僅か40分ほど。順調だ。月初めの保険証チェックを終えて、席に着く。まだ待合椅子も空いており、選り取り見取り。そのわりになぜかいつもの席が確保できず。体勢を整えて読書開始した。

 今日のお伴は角田光代さんの「私のなかの彼女」(新潮文庫)。
 帯には「もがきながら自分の道を探す、あなた自身の物語」とある。河合隼雄物語賞受賞作である。裏表紙には「『男と張り合おうとするな』醜女と呼ばれながら、物書きを志した祖母の言葉の意味は何だったのだろう。心に芽生えた書きたいという衝動を(主人公)和歌が追い始めたとき、(恋人)仙太郎の妻になり夫を差せる穏やかな未来図はいびつに形を変えた。母の呪詛、恋人の抑圧、仕事の壁・・・」とある。
 角田さんが心血を注いだ渾身の傑作!ともあるのだから、面白くない筈がない、と迷わず手に取った。本当に頁を捲るのがもどかしいほど一気読み。解説で津村記久子さんが冒頭から「ものすごく面白かった。・・・」と書いておられるが、結局その言葉に尽きるのである。

 読書に没頭して気付けば1時間以上経っていた。“中待合へどうぞ”の番号が電子掲示板に出てから血圧測定。98-61、脈拍は80。 
 中待合に入ってから30分ほどで先生がいつもの診察室とは違う向いの部屋からお顔を出された。「今日はこちらですか」とご挨拶すると「いや、引っ越したんです、今週からこちらなのでまだ落ち着きません」とのこと。そして「3週間、調子はどうでしたか」。「おかげさまで概ね順調で、色々動き回れています。一つ、10日ほど前の夜中に横隔膜の辺りが痛み、息苦しくて目が覚めてどうしようということがありましたが、30分程で収まり、後はいつもどおりでした。気圧が変わったり雨だったりすると胸痛が出るのは相変わらずです」と応えると、「ロキソニンを長く飲んでいると、逆流性食道炎で胸やけや胃の痛みが出ることもあるので、まだ繰り返すようなら胃酸を抑える薬を飲むようにしましょう」とのこと。既にPCには2枚の胸のレントゲン画像と、腫瘍マーカー推移のグラフが並んでいる。

 グラフの形を見ると、先月より角度を持って上がっている。先生が仰るには、長期間で見ればゆっくり右肩上がりの傾向だが、下がる月もあるので、必ずしも画像と症状の増悪とは一致していない。私のマーカーはつまり、あまり信憑性がないようだとのご判断だ。そして、レントゲン。2月に撮影して以来CTを挟んで3か月ぶりだが、CTの結果で既に右肺の丸い影が一回り大きくなっているのは確認済み。ジワジワ大きくなっているのは否めないが、新しい病変が出来ているわけではない。

 そもそもこの右肺の丸い影は、これまでの数種類の抗がん剤でずっと生き延びてきたしぶといものなのである。先生も「ここだけ切ってしまうことが出来ればいいんですけどね~」と。私がうーんと唸っていると、「いずれにせよ、前回の方針どおり毎月レントゲンを、3カ月に1度CTを撮りながら治療続行しましょう」と仰る。「・・・続行で良いでしょうか」と問うと、「問題ありません」とのこと。

 採血の結果、白血球は4,400。好中球は相変わらず30%と低めである。今でも1,000をかろうじて超えるくらいなのだから、抗がん剤投与になれば間違いなく好中球減少症で痛い目に遭いそうである。カドサイラ(T-DM1)では血小板も下がることが多いが、今のところ、そちらは問題なさそうだ。

 次回は3週間後。このところずっとやっていないので、と心臓超音波の予約が入った。来月は、3週間後と6週間後で2回通院することになるが、月初めは心エコーと採血のみ、月末はレントゲンと腫瘍マーカー測定を含む採血の予定だ。まあ、冷静に考えればマーカーの値は上昇しているし、画像上も影が大きくなっている、ということで嬉しいことではないが、待ったなしで薬剤変更ということにはならず、6月も何とか粘れそう。ほっと胸をなでおろす。

 診察室での検温は37度。3週間分の2種類の漢方、デノタスチュアブルをいつもどおりに、ヒルドイドローション、ロキソニンは少し少な目に、痛みや涙目の症状が軽減しており、パタノール点眼薬はまだ未開封なものがあるので今月はお休みで結構です、と処方して頂いた。ご挨拶をして診察室を後にした。

 化学療法室へ移動し、待っている間、夫やお友達に報告LINEやメール。
 まだ早い時間のため、リクライニング椅子もパッと見、結構空いている。ほどなくしてかつてお世話になったSuさんから案内される。ヘルプにいらしたわけではなく、こちらに落ち着くことになりました、とのこと。びっくりして「今月からですか」と訊くと「先月からだったのですが、ご挨拶しなくちゃと思いつつ、遅れてすみません」と言われる。

 Suさんは初期の頃、この化学療法室にいらした方。3年ぶり位でしょうかと訊くと、ご自身もその位に感じていたけれど、なんと5年ぶりで戻ってこられたそう。あまりに久しぶりでとても懐かしく、どこからお話すればいいのでしょう、という感じ。ランマーク注射の痛みを逃すこともあり、調子に乗ってあれこれご報告する。
 「こちらにお世話になって8年半近く、息子は家を巣立って大学3年生になり、50歳まで生きられるかと思っていた私が来月は55歳になるのですよ」と言うと、「○○さんは40代でしたものね、お仕事続けておられて素晴らしいですね」と言われてしまう。
 途中様子を見に来られたKrさんに「Krさんはどの位になりますか」と尋ねると「4年目です」とのこと。それこそKrさんはまだ2,3年のような気がしていた。途中で点滴がお休みで飲み薬だけの時期もあったからかどうか・・・私の記憶なんて本当にいい加減なものである。

 ポートの針刺しはSさん。今日はちょっと痛んだ。15分程待って薬が届き、点滴開始。
 終了後の血圧測定と抜針はSuさんが来られる。116-64、脈拍は60と問題なし。ほとんど衝撃がなく、ほっとする。
 ご挨拶して化学療法室を後にする。待合で20分ほど会計を待つ。自動支払機へ移動して、採血、レントゲン、注射、点滴の3割負担、13万円強をカードで支払う。

 外に出ると夏のような陽射し。空気は乾いてカラッとしているけれど、とてもではないがコートは要らない。薬局では7,8人の方が待っていた。いつもどおり順番を抜かされて小1時間待った。今日も2,000円ほど。当然、現金払い。

 前泊のお蔭で到着が早く、とてもスムーズだったので病院と薬局の滞在時間は合わせて5時間半ほど。駅ビルのランチタイムでお昼を済ませた。
 動けば暑いし、荷物は多いし、なんとなく熱っぽくグッタリして帰宅。
 帰宅すると息子が送ってきた(荷物の梱包は夫が行った)不要の冬物が詰め込まれた段ボール2箱が鎮座ましましていた。放置するわけにもいかず洗濯機を2回回す。

 昨日届いた今月1回目のお花はこの時期のお愉しみ、楽しめる時間が1日から3日という季節限定プレミアムなお花、芍薬。ピンクの濃淡が合わせて3本、アルストロメリアのクリーム系とピンク系と合わせて3本、黄色のソリダコが2本。本当に上品ないい香りで癒される。花言葉はそれぞれ「はにかみ」、「凛々しさ」、「永遠の少年」だそうだ。

 洗濯物を干している間に夫が帰宅。なんとかありあわせの夕食を作ったが、かなり疲労困憊。明日は会議だし、今週末の土日は指導者養成コースと、ゆっくり休むことが出来そうにない。今日は早めに休んで体力温存に努めなければ。
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