ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2016.5.28 今日も快晴 ニセコから余市、小樽経由ルスツへ

2016-05-28 19:16:04 | 
 昨夕は一回目の温泉を楽しんだ後、ホテルの敷地内を散策。ラベンダー色に暮れなずむ空と、羊蹄山やニセコアンヌプリ連峰の稜線の美しさにため息をつく。深呼吸をしていると思わず大地礼賛のヨガのポーズをしたくなり、夫に笑われる。入浴で芯まで温まった体に爽やかな風が心地よく通り抜ける。ちょっと寒いくらい。ホテル内のショップに戻ってお土産を物色。スパは残念ながら夜まで予約で一杯のようだった。

 レストランで海鮮や和洋折衷のお料理、デザートやフルーツ満載のバイキングをたらふく頂いた後は、「今日は空気が澄んでいるので星空がきっときれいですよ」とレストランの方に勧められ、再び温泉へ向かう。
 夫を誘うもお風呂嫌いな彼は、1回入ったのだからもう十分と固辞。そんなわけで一人2回目の入浴を楽しむ。ライトアップされた木々が、露天風呂の前に続く池の水面に逆さに映って幻想的だ。池で飼われている鯉が口を開けて餌をねだりに来るのもご愛敬。もちろん空には満点の星。そんな非日常かつ贅沢なお風呂タイムを愉しんだ後、部屋に帰れば夫は既に爆睡中。私も夫の鼾にもめげず早々に眠りについた。

 そして、今朝。昨夜10時前に寝付いた夫は早々と4時過ぎから起き出し、カーテンを開け放したり、パソコンをいじったりとガサガサゴソゴソ。大迷惑である。それならお風呂に入ってくればいいのに、とぶつくさ言いながらこちらは二度寝を決め込む。

 再び目覚めたところで出発まではまだ3時間以上もある。本日も快晴なり。窓の外は今日も全面に朝日を浴びた羊蹄山が。昨日よりも紫外線が強そうだ。せっかくだから、と夫もしぶしぶ朝風呂に出かけた。
 お風呂場には朝の明るい光が溢れ、水面には金箔のように見える湯の華がきらめいている。贅沢な朝である。

 朝、小分けしていた小さな薬袋と目薬がないのに気づく。レストランに行って確認すると、フロントに預けてありますよ、ということで無事回収。ほっとする。どうも注意力散漫。これが加齢現象なのかケモブレインなのか、定かではない。

 朝食を済ませ、本日の最初の立ち寄り場所はニセコ大湯沼。昨年崩落事故があり、残念ながら遊歩道は立ち入り禁止。上から写真を撮るだけになった。硫黄臭がかなり強い。辺りにはまだ残雪があり、若い緑とのコントラストが面白い。露天風呂が15もあるという日帰り温泉施設が隣接しているが、オープン前から既に列が出来ている。

 続いて道の駅で小休止。地元の方たちも買いに来るということで、土曜日のせいか駐車場は自家用車で一杯。朝採りのグリーンアスパラ、生のままサラダでも頂けるという珍しい紫アスパラをゲットしてハッピーである。ここで夫は“いももち”を食している。相変わらず立派な食欲である。

 バスが通っている道沿いには、あちこちに自家用車が止まっている。山菜取り、筍とりだそうだ。熊が出たり、山に迷い込んだりする人もいるということで、消防車が出て注意を呼び掛けておりびっくり。そういえば、昨日はホテル近辺でキタキツネの姿も見られてラッキーだった。

 続いての訪問箇所は、昨年3月に終了した朝の連続テレビ小説「マッサン」の舞台になったニッカウヰスキー余市蒸溜所。夫は今回、ここを訪れるのを一番楽しみにしていた。竹鶴が夢見た理想郷、余市蒸溜所の正門から入るとテレビで見覚えのある赤い建物が出迎えてくれる。青い空、赤い屋根、石造りの建物。実に絵になるではないか。

 蒸溜棟ではテレビで何度も見たあの面白い形のポットスチルが沢山並んでいる。発酵棟ではもろみの匂いが鼻をつく。沢山の樽に囲まれて、なんだかスモーキーフレーバーが漂ってくる感じ。事務所や旧竹鶴邸もなかなか見応えがある。マッサンとリタ(エリー)は本当に素敵なカップルだったのだな、としみじみ。貯蔵庫を改装したというウヰスキー博物館では、創業者竹鶴政孝の生涯を紹介するとともにスコットランドの展示も。大昔に研修で訪れたグラスゴー大学の写真も飾っており、とても懐かしかった。

 藤やつつじの花も美しく咲き乱れ、所内は大きな公園のような作りになっており、とても素敵。わずか1時間の見学時間で全てを見て回ることができず、とても残念だがこれもツアーの哀しさというところか。無料試飲会場では、夫はピュアモルトウイスキーを、私はアップルワインやリンゴジュースを頂いた。ショップでは蒸溜所限定というシングルモルトウイスキーの小瓶を買い求めてきた。夫は、息子が帰省した時に、一緒に飲もうと、今から楽しみにしている様子。レストランも覗いてみたかったけれど、集合時間のため、あたふたとバスに戻ると、なんだか皆ほんのりピンクになって、ウヰスキーの香りが漂っていた。

 そして1時間ほど走り、小樽へ向かう。途中から濃い青の日本海が見えてくる。小樽を訪れるのは今回で4回目。すべて夫と一緒だが、そのうち2回は息子も一緒。昼食時間を含めて2時間の自由散策。運河の前で集合写真を撮った後は解散。お薦めのお寿司屋さんは一杯で諦め、お隣の食堂で10種類の海鮮丼に舌鼓を打った後は、ぶらぶら歩き開始。

 今日もいいお天気で本当に恵まれている。「前回は道路が雪で真っ白だったね、息子がすってんころりんしたよね。」と言い合いながら歩く。以前にも寄ったお店で、息子の好きなキャラクターのストラップをお土産に買い求め、チーズケーキで有名なカフェでお茶。北一硝子でお土産を物色したら早くも集合時間になった。それにしてもどこに行っても中国語、韓国語が飛び交う。いやはやワールドワイドである。

 時間通りにバスは出発。1時間40分ほどノンストップで、再び羊蹄山の姿を眺めながら、今日の宿泊地ルスツ高原へ向かった。

 今日のホテルは来月グランドオープンということで、今回はプレオープンのモニター宿泊だ。全面開業前なので、宿泊する部屋と、温泉大浴場やレストランはモノレールで結ばれた別の場所という若干の不便が玉に瑕である。とはいえ、お部屋はメゾネットタイプで、ベッドルームとリビングルームに分かれている。これが結構急な階段で結ばれているので、足腰が弱くなったら泊まるのは厳しいかもしれない。この1泊で、かなりの運動量になりそうだ。それもこうして体調が落ち着いているから。本当に今があることに改めて感謝だ。

 というわけで、これからモノレールに乗ってレストランでディナーを頂いた後は、そのまま入浴の予定。明日もまたゆっくりめに出発し、夕方帰京の予定である。
 
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