音楽の喜び フルートとともに

フルート教室  久米素子 松井山手駅 牧野駅 090-9702-8163 motokofl@ezweb.ne.jp

オカリナにびっくり!

2023-10-01 21:01:00 | 楽器
9月29日(金)は第4回聴き合い会でした。
今回の参加者は、フルート、ヴィオラ、ギター、そしてオカリナ。



この黒いオカリナ「吟」は、鉄分の多い淡路島の瓦土でできているそうです。
友地裕氏が淡路瓦の土の特性を活かし、徹底的に研究して製作。
2016年から売り出されているそうです。

オカリナはエアリード(無簧)楽器、薄片を使わず、空気を絞りビーム状にしてエッジあてて音を出します。
気鳴楽器(空気の塊を振動させることで音を出す楽器)唇の振動させないで音を出すので陶器や樹脂で作られていても木管楽器に分類されます。 

オカリナ(ocarina)はイタリア語のoaca=ガチョウ ina=小さい
から来ています。
形は丸型、角型いろいな形があります。

コカリナ (木製のオカリナ)
指穴:上面に4個、下面に2個
音域: 1オクターヴ + 長2度 (約1.2オクターヴ)
音域も1.5オクターブから3オクターブ出るものもあります。

オカリナに似た楽器はマヤ文明に遡り、中国や中央アメリカにも見られますが、1860年頃にイタリアのジュゼッペ ドナティ(1836-1925年)

が改良し今の形になりました。

最近では多くの音域のオカリナが出されています。
ソプラノ アルト テナー バス、穴の数も2連(ダブレット)3連(トリプレット)

トリプルオカリナ (アルトC調)
音域: A4〜G7 (約2.8オクターヴ)
4連(クアドラブレット)などが、出されています。呼び方はメーカーによります。



様々なオカリナで、アレンジを楽しんでいる人たちの動画見つけました。
ウィリアムテルかと思いきや何曲も!



ルイ ロット、フレンチフルート製作の創始者

2023-08-09 20:59:00 | 楽器
月曜日は渡辺橋サロン ド プリンシパルで2ヶ月ぷりのフルートアンサンブルレッスンでした。
榎田先生がお体を壊されて入院。
6月末からお休みでした。お元気な姿を見れて嬉しいです。
メンバーにも会えて弾んだ空気に…。

榎田先生からルイ・ロットのフルートを買った人がいてお試し。
高音のピアニッシモがきれいです。
しまった!写真忘れました。
また、次の回に撮らせてもらいますね。

ルイ・ロットを見てるメンバーと榎田先生は撮りました。

こっちはアルタス吹き。

曲はフルート4本のドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」とアルトフルート、バスフルートを入れたフルート五重奏で日本の童謡、榎田先生が編曲されたのを使いました。
「待ちぼうけ」「あわて床屋」「砂山」
ロットが響いていい感じ。
私はバスフルート。
バスフルートに時々旋律がくる編曲でおもしろい!
12月の演奏会では、田園のほか、ミヨーのブラジレイアと、日本の曲数曲演奏する予定です。
どのパートするかは、これから相談です。

ルイ・ロット工房は、1855年から1951年頃まで6代継続した世界最高峰のフルートメーカーです。

テオパルト ベームの製造ライセンスをフランスのゴットフロワとイギリスのルーダル&カルテが取得していました。
ルイ エスプリ ロット(1807-1896年)はフランス ラ クチュール生まれました。

ラ クチュール ブッセイは17世紀に始まった管楽器製作者が集まっている街でした。

ここにはホッテテール家、マーティン家、ゴッドフロイ家、ビュッフェ家、シブヴィル家、ルブラン家、そしてもちろんロット家の本拠地でした。

ルイは13人兄弟の12番目として生まれました。

父親から管楽器の制作を学び、1827年クレール ゴッドフロワ アイネの工房で働き始めます。

1833年会社Société Godfroy fils et Lotを設立、協同しました。
6日後、彼の娘のキャロライン ジョゼフィーヌ ゴッドフロワと結婚。

1836年クレール ゴッドフロワは引退します。

1837年、ベームフルートを正式に製作しました。
1847年、ベームはフランスとドイツで取得したシリンダーフルートの特許をロット&ゴッドフロワに売却します。
このことでフランス唯一のメーカーとしてこのモデルを製造することになりました。

1855年モンマルトル36番地の自宅兼工房でルイ・ロットは独立します。

1855年の価格表

1860年パリ音楽院の公式フルートに認定されます。
ベーム式フルートに反対していたトゥルーが引退し、ルイ ド リュスが跡を継いだからです。

1867年パリ万博でロットはより厚い壁とより大きな音孔をもった新しいモデル、改良されたオープンGシャープキーを備えたより安定したフルートを発表します。

1876年ロットは、パリに近いシャトウー村に大きな家を買ってそこに妻とともに移ります。

オノレ デジレ ヴィレットに財産と事業を引き継ぎます。
ロットの息子はおもちゃ事業で成功し、楽器は作りませんでした。

ロットはその後も楽器作りに携わり続け1896年に亡くなりました。

シリアルナンバーが偶数が金属管、奇数が木管フルートを製造しています。

6000番以前の金属管は、板状の金属を叩いて丸めて作ったシーム管と呼ばれる方法で作られています。
(以降のものはシームレス管、引抜き管)

歴代のルイロット工房の職人
Louis Esprit Lot (1855-75)
No.0-2,000
H. D. Villette (1876-1882) No.2,150-3,390
Debonneetbeau de Coutelier (1882-1889) No.3,392-4,750
M. E. Barat (1889-1904) No.4,752-7,350
Ernest Chambille (1904-1922) No.7,352-9,210
G. Chambille (1922-1951) No.9212-10,442

榎田雅祥先生は、ルイ ロット信奉者で演奏者です。
古いルイ ロットの音色を現代に蘇らせようと楽器会社と相談されているところに、コロナ禍で中断。
復活できることを祈っています。



世界の至宝

2023-07-23 20:58:00 | 楽器
今日は塚口t-raumでハープの発表会でした。
先生のホルンガッハで個室でお試し。本番は青山のベガで演奏します。

いい音です。

リハーサルの後本番。
緊張!
結果、私は、あまり良い演奏できませんでしたが、頑張りました。
みんなももっとがんばっていました。

ホルンガッハのはじまりは、1928年ミュンヘンのヨセフ オーベルマイヤーという親子が作った古い客車のハーブ工房です。
オーベルマイヤーという名前で始まったこの工房は1944年第二次大戦時の爆撃で全焼してしまいます。

オーストリア、カウフシュタイン、チロルに移転し、小さな修理工場を作ります。

その頃マキシミリアン ホルンガッハと出会います。

1952年オーベルマイヤーはミュンヘン郊外シュタンベルクに移り、再び工房を作ります。

1955年、ホルンガッハがこの工房に招かれ、ハープ作りを始めます。

1966年にオーベルマイヤーが亡くなります。
ホルンガッハは彼の仕事を引き継ぎ、その頃、ブランド名がホルンガッハという名前に変わります。 

1977年息子のクラウス ホルンガッハが工房に加わります。

現在もホルンガッハは、オーベルマイヤーからの伝統を引継ぎ、年間18台しか作らずに、品質を維持しています。
(森田ハープファクトリーホームページより)

クラウンと柱頭

サイド側
台座

外観も美しいですが、音色が芯があって深くていい音。
「世界の至宝」と呼ばれています。

1801年作曲フランソワ アドリアン ボワドュウ(1775-1834年)フランス ルーアン生まれ、フランス ヴァレンヌジャルシー没

革命期の恐怖政治をピアノ調律師として働き、難を逃れました。
オペラで成功し、ロシア皇帝の宮廷音楽家になったあと、パリに戻り、オペラをヒットさせます。

彼の功績はオペラが多いですが、1801年に作曲された「ハープのための協奏曲」はこのジャンルの傑作の一つです。

1820年にはパリ音楽院の教授になりました。しかし、オペラコミック座の破産と、1830年の革命、喉頭癌が彼を苦境に陥れさせます。
その年彼の功績に対して年金がおりるようになります。
1834年に亡くなります。
ホルンガッハでの演奏動画です。






ルバーブジャム

2023-06-16 21:18:00 | 楽器
5月24日にやましろ道の駅で買ってきたルバーブを3センチにカット。
お砂糖を入れて、ひたひたのお水。

グツグツ弱火で煮て

繊維がほぐれたら、レモンを加えて

ルバーブジャムの出来上がり。

密閉容器に移して

クラッカーに乗せて

食べてみました。
色は悪いですが
自分で言うのもなんですが、美味しいです。
私の好みで、レモン多め。
3週間経ちましたが、まだ美味しいです。
ルバーブはこの辺りでは、なかなか手に入りません。
前回は4年前。笠置の道の駅だったかな?
お腹にも整腸剤としていいみたいです。

アフガニスタンの楽器にルバーブと言う名前のものがあります。



アフガニスタンで生まれた楽器でインドやインドネシアに普及しています。

この楽器はRubabと綴ります。
アフガニスタンの撥弦楽器です。

インドネシアではフレットがなく、弓で演奏する擦弦楽器です


トルコのルバーブも擦弦楽器。Rebabといいます。

ジャムになった太黃属タデ科のルバーブはRhubarb、アイルランド、ロシア、イギリス原産。…楽器とは関係ありません。

これはアフガニスタンのルバーブ。おっとこれはRababaと表記されています。地域により呼び方が違うと…。


トルコのルバーブrebab擦弦楽器です。



引き揚げられた旗艦から

2023-06-10 21:10:00 | 楽器
オルラヤは、セリ科の植物だそうです。
六甲ポートアイランドに植えてありました。

バラ、カクテル。

メアリー ローズ…かも、バラは品種がありすぎて確信は持てません。

メアリー ローズというのは、1982年ソーレント水道から引き揚げられたイングランド王ヘンリー8世の旗艦に因んで1983年に作られたバラだそうです。

ヘンリー8世(1491-1547年)


と言えば、イングランド王で、キャサリン・オブ・アラゴン、アン・ブーリン、ジェーン・シーモア、アン・オブ・クレーヴズ、キャサリン・ハワード、キャサリン・パーと、6度結婚しては、離婚した王。

カトリックでは、離婚は赦されないからとプロテスタントに改宗してしまった…。

彼はイングランドにおける海軍の創始者でもありました。
戦艦メアリー・ローズは、1512年建造され、33年間、フランス、スコットランド、ブルターニュで闘いました。

1509年初めの妻キャサリン・オブ・アラゴンと結婚して2ヶ月後に建造が始められました。

アラゴンはスペイン北東部の王国で、当時神聖ローマ帝国や、フランスを
含む大連合の国々と、闘うための反フランス同盟のための政略結婚でした。


1540年に描かれた絵画『ドーバーでのヘンリー8世の乗船(金襴の陣)』。画中の船は、「メアリー・ローズ」でも使用されたものと同様の木製パネルで装飾されています。
1512年フランスに対する、スペイン、イングランドの同盟国による戦争で旗艦として初めて戦闘に参加。
フランス同盟軍のブルターニュ船を12隻拿捕し、勝利をおさめます。
その年サン マシューの海戦でも勝利します。

1513年スコットランドに、フランスの同盟軍にフロドゥンの闘いで大敗します。
その後平和が続きますが、1522年再び神聖ローマ帝国、フランス、スコットランド軍と闘い、パリの間近まで迫りました。1525年にはフランスのフランソワ1世が捕虜になり、
パヴィアのつづれ織りの一部(ベルナールト・ファン・オルレイのデザイン,1531年頃)
戦争は終結しますが、痛み分けでほとんど双方とも戦果はありませんでした。

1545年再びフランス海軍はソレント海峡までやってきます。

イギリス本土からワイト島を分けるソレント海峡を臨む衛星画像

狭い海峡で反撃が難しく、メアリー ローズは、ガレー船と戦闘中に突然傾き、砲門から浸水し急速に沈み始めます。
急激な浸水に400名のうち、35名しか生存者はいませんでした。

沈んだ原因は重い武器を積み、砲門を開いたまま急激に向きを変えたためだと後になって分析されています。

1965年学術調査が行われ、1971年ローズメアリーが発見されます。
1982年、入念な準備の結果メアリー・ローズは引き揚げられました。

博物館で展示されているメアリー・ローズ
船内から他の多くの調度品とともにフィドル2丁、演奏用の弓1丁、スティル ショーム(ドゥセイン)、ティバーパイプ、ティバードラムが発見されます。
スティル ショーム

はオーボエの前身で16世紀には姿を消した楽器でした。これを元に再現され、現在のオーボエよりも音が小さく、豊かな低音が得られることがわかっています。

フィドルは、現存するフィドルとは、形が違い、再現が試みられていますが、ヘッドと弓部分が失われていて、正確な再現はされていません。


世界で1番低い音の出る楽器は?

2023-05-31 21:02:00 | 楽器
月曜の18時からは渡辺橋サロン ド プリンシパルでフルートアンサンブルレッスンでした。

梅雨入りしたそうで、雨の中傘を指してバスフルートとコンサートフルートを担いで行くと、橋の上から写真を撮ることが、できませんでした。
替わりに低音セクションの写真を上げます。

アルトとバス。
「ブルー・タンゴ」は、これにコンサートフルート3本、フルート五重奏でやります。

ベートーヴェンの「田園」は神戸エスカルの人とやるので大阪だけでは全パートは揃いません。

私はバスフルートを吹きます。
なかなか音量が出なくて苦労しています。練習、練習!

カミーユ サン・サーンス(1835-1921年)フランス王国パリ生まれ、フランス領アルジェリア アルジェ没

の「交響曲第3番(オルガン付き)op78.R.176」は1886年作曲されました。
イギリスの「ロイヤル フィルハーモニック協会」(1813年創立現ロンドン フィルハーモニック協会)の依頼で作曲されました。
ロンドンのセント・ジェームスホールでサン・サーンス自身の指揮で初演されました。
「この曲には私がそそぎこめるすべてを注ぎ込んだ。」と彼は言っています。
翌年パリ音楽院演奏協会によるフランスでも演奏され、好評を博しました。
この曲はその年に亡くなった友人のリストに捧げられました。

オーケストラの中の低音セクションが活躍する曲というと、この曲があげられることが多いです。


弦楽器の最低音はコントラバスのG


と思いきや、グランドハープのH,

金管楽器のチューバの最低音はC


木管楽器のコントラファゴットはB


までさらに半音低いです。

ピアノはAまでで、


ここまでで1番低いですが、さらに世界で1番低い音がでるのはパイプオルガン。


ピアノの最低音のCの1オクターブ下のCが出ます。
ト音記号の下線1のCから4つ目です。
32フィート10mのパイプだそうです。ここまで低いと人間には音としては感じられず音圧として認識されるそうです。
但し、ここまでのパイプを持つものは少ないですが…。
サントリーホールのパイプオルガンの最低音を試奏する動画がありました。
5898本32フィートのパイプがあります。

そのパイプオルガンを二楽章の第二部にファゴットや金管楽器と共にふんだんに使っている交響曲第3番は低音が活躍する曲と言えるでしょう。





グラスハーモニカ

2023-05-23 21:00:00 | 楽器
里山にマツバウンラン松葉海欄と

キキョウソウ桔梗草が群生していました。

どちらも南米から来た帰化植物だそうです。





ハハコグサも咲いていました。




グラスハーモニカGlass Harmonicaは、もちろん雑草Grassとはなんの関係も無いですが…。

避雷針の発明で有名なベンジャミン フランクリン(1709-1790年)

グラスハーモニカを演奏するベンジャミン フランクリン
が発明しました。
グラス ハープ(ミュージカル グラシィズ)

ルネサンスの作曲家フランキノ・ガフリオ(1451-1522)著「音楽理論書」(1492年)
という、グラスに水を張って、その縁を指で擦って音を出す楽器はありましたが、そのグラスに穴を開け、横に向け、調律し易いように並べました。


1762年7月13日トリノのジョバンニ バティスト ベッカリーアに手紙を書きました。
「あなたの音楽用語に敬意を払い、そこから楽器の名称を借用し、アルモニカと名付けました。」

水を貼った箱の上に横にしたグラスを置き、ペダルを踏むとグラスが回転します。

フランクリンはその楽器を親戚のマリアンヌ ディヴィス(1744-1792年)に譲ります。
彼女は姉セシリアの歌の伴奏にこの楽器を使うなどして演奏し、有名になっていきます。
彼女らは1768-1773年ヨーロッパ中を演奏しました。
そして演奏旅行をしていたモーツァルトがロンドンとミラノで二人の演奏を聴いていたと思われます。

さらに1773年17歳のモーツァルトは医師メスマーの演奏を聴いています。

この時父レオボルドが感銘を受けたと書いています。
「1773年7月21日
メスマーさんのところで月曜日に食事をしましたが、彼はデイヴィス嬢のハルモニカことガラス楽器を、それもほんとうに見事に弾きました! 彼はこの楽器に50ドゥカーテンを払いました。 それに、これはとても見事にできています」

レオポルドモーツァルト
この時、モーツァルトは演奏も試しています。

その後、1791年盲目のマリアンネ キルヒゲスナー(1769-1808年ブルッフザール生まれ、シャフハウゼン没)


がヨーゼフ アロイス シュミットバウアー(1718-1809年)が制作したグラスハーモニカをウィーンで演奏した時には聴き逃したことを悔やむ手紙を残しています。

そして、その後、彼女の為に「グラスハーモニカ五重奏曲」アダージョとロンドK.617を作曲しました。

ウィーンでの演奏会の告知(1806年、モーツァルトのグラスハーモニカのための作品K.617を含む

グラスハーモニカ、フルート、オーボエ、ヴァイオリン、チェロと言う編成です。



クラヴィーアとピアノフォルテ

2023-05-19 21:00:00 | 楽器
水曜日は、センメルトリオ。
ピアノ坂田恭子さん、ヴィオラ金重美代さん、フルート久米素子で5月30日ワンコイン聴き合い会で演奏します。

昨日ご紹介したCPEバッハのカルテットという名のGdurをトリオで演奏します。

金重さん、「これは演奏しやすいわ〜!」としきり。
どうも音域が当時の楽器ヴィオラ ダ ガンバ仕様のようで、音域が低めでおさまり、第2ポジションを使わなくて済むので演奏しやすいと言うことらしいです。

しかし、坂田さんは、ソロが多く、ピアノではあまり使わないトリルが多用してあり「うむむ…。」と言う感じです。
CPEバッハは左ききのために他の楽器はあまりうまくならなかったらしく、クラヴィーア(チェンバロ、ハープシコード、クラプサン)の名手だったそうです。

なので、「ここぞ」という場所で華やかなフレーズをクラヴィーアに弾かせています。

クラヴィーアは


吉田令 設計
クラヴサン・ビヤン・タンペレ社製
フレンチ・タイプ(フランス18世紀初頭型)
2段鍵盤
クラヴィーアはジャックという柱についた
プレクトラム(爪、ピック)で弦を引っ掻いて音を出す撥弦楽器。
フェルトで消音します。

そのため、音の強弱はつけにくく、強調したいところにトリルをつけて表現します。

一方ピアノは



ハンマーで弦を叩いて音を出す打楽器。
スタンウェイModel.A Louis XVI(ルイモデル)
響板でハンマーで叩いた音を増幅して、かなりな音量や残響を出すことができます。
音の強弱の幅をタッチ、ハンマーアクションによってコントロールすることができます。

1709年イタリアのチェンバロ制作者バルトロメオ クリストフォリ(1655-1731年)イタリア パドゥバ生まれ、フィレンツェ没

によって発明されました。
はじめのピアノは「クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ」と名付けられました。

1722年製のピアノ(ローマ・イタリア国立楽器博物館)現存するクリストフォリの3台のピアノフォルテは全て1720年代のものです。

ピアノフォルテは音の強弱がハンマーによってコントロールできると言う意味です。その後、ハンマーフリューゲルとも呼ばれます。

カール フィリップ エマニュエル バッハによる「ハープシコードとピアノフォルテによる協奏曲」wq47(H.479)
は1777年に楽譜が出版されています。
作曲の経緯は、わかりませんが、フリードリヒ大王の宮廷を退任した後のこと。
まだ新しい楽器ピアノフォルテと、彼が得意なクラヴィーアを中心に据えた協奏曲を作っています。

ピアノフォルテも打楽器であることは変わりませんが、今の楽器とは響きも少し違います。

それがよくわかる演奏見つけました。

CPEバッハについては昨日の記事で

名付け親はテレマン - 音楽の喜び フルートとともに

名付け親はテレマン - 音楽の喜び フルートとともに

近所のサツキきれいです。先週植えたきゅうり花が咲いてきました。うまく育つといいなぁ!今日水曜日午後からは久しぶりにうちでセンメルトリオの練習日。掃除しなく...

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チューバの歴史

2023-03-27 21:00:00 | 楽器
日曜日はドルチェ楽器のアカデミーの発表会でした。

ペリルーのバラードをピアノの坂田さんと演奏しました。
午前中京田辺の実家でレッスンしてから梅田へ、ぎりぎりで着替えて試奏部屋へ。
楽器屋さん主催だと施設の心配がないのでいいです。
控室と着替え部屋、試奏室もあります。
ホールは地下で、控室では小さいながら試奏もでき、大画面のモニターで演奏も聴けます。

私の前に演奏されていたのはチューバ。
ロドニー ニュートンのカプリチオ。いい演奏でした。

クラリネットやトランペットもいます。
聴けなかったけど。

ピアノはスタンウェイで坂田さん「弾き心地よかった~。」と言ってました。

ホールの響きも、よかったです。

ちょっとバタバタしたけれど気楽に発表できて私も気持ちよかった~!

お土産も頂きました。フルート拭き。

チューバはもともとラテン語で「管」という意味です。英語の「tube」と同じ意味です。ローマ時代に用いられていた楽器の名前です。旧約聖書にも現れるこの呼び名はいわゆるラッパを指すもので、管楽器の名称として使われていました。

それが、19世紀に入って登場した低音金管楽器の名称としても使われるようになりました。

古くはセルバン


と呼ばれる木製の有孔の楽器が使われており、この流れを組んだバソン リュス(ロシアンバスーン)、セルバン フォルビール


といったバスホルン、またはアップライト セルバンと呼ばれる木製のキー式の楽器が生み出されています。

18世紀半ばにイギリスから始まった産業革命により金属の加工技術が飛躍的に進歩すると、軍隊楽器を中心に木製の管楽器を金属で制作する試みがされ、ビューグルが誕生しました。

1813年ドイツでヴァルブ機構が開発され、ホルンやトランペットなどで音高を変える仕組みとしてヴァルブが取り入れられ始めました。

この動きはやがて低音金管楽器にも波及し、1817年にフランス製開発されたキー式の低音金管楽器オフィクレイド

がドイツに導入されると、既にヴァルブ式の楽器に慣れていたドイツの演奏者のためにヴァルブ機構を備えた低音金管楽器が開発されました。

その代表的なものが1829年に ウィーン の楽器製作者ヨーゼフ リードル(1788ー1837年)によって発表されたボンバルドンです。


ボンパルドンは両手で操作するオフィクレイドと異なり片手の3本のヴァルブで操作可能で複雑な運指を必要としませんでした。
これは管を C から F に延長することで達成されていましたが、使用音域はオフィクレイドと変わりませんでした。ボンバルドンはウィーンの軍楽隊とウィーン宮廷劇場の管弦楽団で採用され、1970年代まで使用されました。


このボンバルドン製の楽器に右手用の3本のヴァルブに左手で操作する2つのヴァルブを追加して、 F 管の最低音を使用できるようにしたのが、ベルリンのプロイセン軍楽隊長ヴィルヘルム ヴィープレヒト(1802-1872年)

とベルリンの楽器製造職人ヨハン ゴッドフリート モーリッツによるベルリン式のピストンヴァルブを採用した最初の実用的なチューバです。F 管バスチューバとされ、この楽器は1835年に特許が取得されています。



モーリツの開発したチューバは軍隊対応の楽器であったため、登場してしばらくはプロシアの国外に普及しませんでしたが、リヒャルト ワーグナーがチューバの低音を好んで、「ニュルンベルグのマイスタージンガー」などでF 管バスチューバ

を活躍させたことにより、プロイセン国内ではオーケストラに取り入れられるようになりました。

1871年プロイセンがドイツ統一を達成すると1875年にはウィーンの管弦楽団がチューバを正式採用し、1876年バイロイト音楽祭でマイスタージンガーが演奏されました。

イギリスはオフィクレイドを19世紀末まで使用していましたが、ワーグナーのオペラの普及とともに徐々に姿を消し、20世紀になる頃にはほとんど見られなくなりました。

また、19世紀の中頃には他にシュドロフォンと呼ばれる低音金管楽器も存在していましたが、やがてこれらの名前はすたれ、チューバの名前が一般的になりました。

19世紀中頃にはF や D 字型などチューバの形状は様々でしたが、アドルフ サックス

によって一連のサクソクルンがまとめられ、この楽器に見られる長円型と次第に収束していきました。

最近では、低音域の豊かな音量を求め、全般的に大型化の傾向が見られます。

チューバは音域によってテナー、バス、コントラバスの3種類に分類されます。さらにチューバはピストン式やロータリー式に別れます。
テナーチューバはユーフォニアムと呼ばれています。
日本ではロータリー式をテナーチューバ、ピストン式をユーフォニアムと呼び習わしています。

また、ウインナーチューバ、フレンチチューバ、マーチングチューバなどの種類があります

ロドニー ニュートン(1945年ー)イギリスバーミンガム生まれ
バーミンガム音楽学校(現在ローヤルバーミンガム音楽院の名誉会員)音楽教育をうけます。

20年後にロンドンフィルムスクールで大学院教育を受けました。サフォード大学では作曲の修士号と博士号を取得しています。

1967年からオーケストラ奏者ティンパニ、パーカッションを演奏し、作曲もしらします。
BBC トレーニングオーケストラのメンバーで1974年にナショナルオペラのオーケストラに参加し、そこで11年間在籍し、最後の5年間はプリンシパルティンパニストを務めました。この期間に多くのジャンルで作曲し、ユナイテッドミュージックカプリシェアのパートタイムプロモーションマネージャーおよび編集者として音楽出版に関わりました。 

1985年フリーランスのティンパニストおよびパーカッションとして演奏を続けながら、映画やテレビ音楽の作曲、編曲、指揮に携わるようになりました。

英国公立音楽院客員講師も務めます。

1990年代にはミリタリーバンドに作曲家として参加し、バンドマガジンの特集編集者を9年間努めます。







樹脂フルートはフルートか?!

2023-03-26 21:00:00 | 楽器
今日は梅田ドルチェ楽器さんで伊藤公一先生のマスタークラスでした。

ミッチリ絞られて、帰ろうとしたら、次の練習生の方が、「ブログ見てますよ!」
恥ずかしい!うれしいけど…。

音楽を少しでも身近に感じてもらえると嬉しいです。
でも、専門的にお知りになりたい方は、本に当たったり、原典に当たったりして調べてくださいませませ。

もちろん自分としては、正確さを裏付けるためにできるだけ調べたりはしていますが…。
このブログはあくまで楽しい音楽への入口?サイドメニューとお考えください。間違っても直接引用などしないように😅🙏

今日はマスタークラスの後、ドルチェ楽器の

安川翔太さんにフルート3本紹介いただきました。

一本はGuoフルートの「グラナティッテテナー フルート」バスフルート

バスフルートと同じ音域を演奏できます。金属のバスではほぼ見ないH管。
樹脂でできているので軽いからできる技です。

音色は金属のフルートと変わりなくなってきましたが、音量は少し小さい気がしました。
でも優しい音色で楽しめる感じがしました。

古い楽器も2本試しました。
リブレというフランスの古い楽器ともう一本は「わかりません。」と翔太さん。

リブレはC♯キーに樹脂がついています。優しい音でレスポンスがとてもよかったです。
名無しの一本も可愛い音でした。
買わなくても、気持ち良くいつも試させてくださるので嬉しくてつい寄ってしまいます。

最近では樹脂フルートも各社出されています。
他にもNUBO


Tocco

Guo

軽量で子どもの教育用として考案されたそうですが、最近では特殊管も出されています。

昔の樹脂フルートからすると、ここ数年で格段の進化があったと思います。