夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

夏休みの映画

2004年08月03日 | 映画(番外編:小ネタいろいろ)
毎日、車通勤していますが、7/20を過ぎて夏休みに入った瞬間、
朝の渋滞に遭うことがめったになくなります。
子どもたちが夏休みだというだけで、
大人は変わらず仕事してる人が多いと思うのですが、
みなさん、夏期休暇を分けてお取りなのでしょうか。

『冬冬の夏休み』(1984)、『夏休みのレモネード』(2001)など、
夏休みが舞台の映画はいろいろ。
そんななかで、私が特に好きな2本を。

1本目は『ヤンヤン 夏の想い出』(2000)。
台湾のエドワード・ヤン監督の作品です。
8歳の小学生ヤンヤンは、祖母と両親、高校生の姉とともに
台北のマンションで暮らしている。
何不自由ない中流家庭のひと夏の騒動。

結婚式を控えた叔父のもとに、
彼の元恋人を名乗る女性が乗り込んできて、三角関係が発覚。
父は初恋の女性と偶然再会してのぼせあがる。
やさしい祖母は脳卒中で倒れて昏睡状態に。
母は祖母の入院で情緒不安定になり、新興宗教にのめり込む。
姉は隣家の娘の恋人とつきあいはじめ、
ヤンヤンはいじめっ子の少女に淡い恋心を抱く。

父からもらったカメラを首からぶら下げ、
人の背中を撮影してまわるヤンヤン。
自分の後ろ姿って、自分では見えないもの。
自分では見ることのできない背中に何が映るのか。

原題である“A One & A Two...”は、
1+2くらい、人生もこの映画も
シンプルなものであることを意図したようです。
物事はいつも単純。
それをむずかしくしてしまうかどうかは自分次第。

2本目はフランス作品の『クリクリのいた夏』(1999)。
第一次大戦後の田舎の沼地にたたずむ小さな村で夏を過ごす5歳の少女クリクリ。
父とその友人はひたすらのんびり。
好きな時間に起きて、眠たくなれば寝る。
お金がなくなるとスズランやエスカルゴを採って町へ売りに。

こういう作品を観ると、豊かさとはなんぞやと思わずにはいられません。
物語に登場する、かつてのカエル捕りの名人で、
資産家の老人は、沼地の生活が忘れられないけど、
いまとなってはその生活には戻れない。
素晴らしい生活だなと思いつつ、便利なものに囲まれた生活を都会で送っていれば、
時計のいらないような暮らしは私にもできないでしょうね。ああ、皮肉。

夏休みはやっぱりこうじゃないと、と思える2作品なのでした。

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