夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

誤訳じゃないけど気にかかる。

2005年06月24日 | 映画(番外編:映画と邦題・字幕・台詞)
戸田奈津子さんの笑ける誤訳について書いたら、
私が字幕なしで英語を理解していると
嬉しい誤解をしてくださった方がいらっしゃいます。
ムリ、ムリ~。(^^;

でも、日本語って素晴らしい言葉だと思うので、
その日本語に翻訳されている字幕が
英語ではどんなふうに表現されているのか、
耳の穴かっぽじって聴くようにはしています。

そう訳されたら身も蓋もないやん!と思うこともしばしば。
たとえば『シックス・センス』のあの台詞
あれは「2番目じゃなかった」という言葉だからこそ、
ブルース・ウィリスの切なさが伝わってくるのだと思っています。
「大事に思ってた」では表せない気持ちだと思いますが、
字幕としては「2番目じゃなかったよ」ではわかりづらいでしょうね。
じゃあ何て訳せばいいのかと聞かれると、わかりません。(--;
これは清水馨さんという方が字幕担当でした。

必死で聴いていると、戸田さん翻訳作品に限らず、
興味深い発見がいっぱいあります。
英語の台詞では俳優名が列挙されているのに、
字幕では日本でそこそこの知名度の俳優だけ。
削られた人、泣いてるかも。

インターネットでアダルトサイトにショッピングサイトと、
あちこち閲覧しているという台詞の字幕では
アダルトサイトという言葉だけがカット。
実はそれもその登場人物の日常を示す部分では。

子どもの質問に対して母親役のジェニファー・ロペスが
“Google it in the school.”と答えていたのは
『メイド・イン・マンハッタン』(2002)。
「調べてみましょ」=“Google”とは、
日本語の「ググれ」(2ちゃんねる用語?)と同じ!

『ウィズ・ユー』(1997)はケヴィン・ベーコンが知的障害を持つ青年役で、
家庭環境に恵まれない10歳の少女と心を通わせるドラマ。
ふたりが引き裂かれるときの別れの挨拶が
“See you later, alligator.”でした。
いわゆる韻を踏むというやつです。
しかし、字幕は「さよなら、ワニさん」。
いきなり「ワニさん」て言われても困るがな。

ついでに、この作品中には登場しませんが、
“See you later, alligator.”と言われたら、
“In a while, crocodile.”と答えるもんだそうです。

“See you later, alligator.”、
さて、あなたなら何と訳します?
「さよオナラ」というアホな言葉が頭をよぎった私をお許しください。

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