夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『フランシスコの2人の息子』

2007年10月16日 | 映画(は行)
『フランシスコの2人の息子』(原題:2 Filhos de Francisco - A História de Zezé di Camargo e Luciano)
監督:ブレノ・シウヴェイラ
出演:アンジェロ・アントニオ,ジラ・パエス,
   ダブリオ・モレイラ,マルコス・エンヒケ他

ブラジルで大人気の兄弟デュオ、
ゼゼ・ヂ・カマルゴ&ルシアーノの半生を描いた作品。
1962年生まれのゼゼと1973年生まれのルシアーノは、
デビュー以降、2,000万枚以上のCDセールスを記録。
映画もブラジルでは歴代興行成績No.1に輝いたそうです。

ブラジルの田舎町。
フランシスコと妻のエレーナは、小作農として生計を立てている。

音楽をこよなく愛すフランシスコの夢は、
子どもができたら音楽家にすること。
そして夫婦は7人の子どもに恵まれる。

長男のミロズマルと次男のエミヴァルに、
フランシスコはアコーディオンとギターを買い与える。
一日中ラジオから流れる音楽を聴いていた兄弟は、
フランシスコの思惑どおり、音楽好きに育ち、
独学で歌と演奏技術を身につけてゆく。

2人の息子に楽器を持たせるためなら
ありったけの農作物をも差し出すフランシスコのことを、
村人たちは「イカレている」とあざ笑い、
地主であるエレーナの父親からはついに追い出される。

不安な顔を見せるエレーナに、
「俺を信じろ」とフランシスコはひと言。
一家は都会へと移り住む。

しかし、食べるものにも困る状態が続く。
少しでも家計の足しになればと
バスターミナルで演奏を始めるミロズマルとエミヴァル。
やがて、見るからにチャランポランなエージェントの目に止まり……。

この貧乏度は中途半端じゃありません。
都会で借りることになったのは、到底、人が住めるとは思えぬ家。
だけど、とりあえず点いた灯りを見て笑い出す子どもたちに救われます。

なんだか頼りなくて、家族にはかなり横暴で、
でも基本的に善人で、ちょっぴり浅はかなフランシスコ。
そんな彼に強引に音楽への道を歩まされているのかと思いきや、
音楽が好きで好きでたまらない子どもたち。
「みんな、父さんのことをイカレてると言ったけど、
俺たちもイカレてたのさ」という台詞に惚れました。

驚いたのはエンドロールの長さ。約8分。
エンドロールが長い=関わった人間が多い、
つまりはお金のかかっている映画だと今まで思っていましたが、
たぶんこの映画はそうじゃないですね。
あっちの村人もこっちの村人も、
みんなクレジットされてるんじゃないでしょか。

イカレるときはみんな一緒に。

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