夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『砂上の法廷』

2016年04月04日 | 映画(さ行)
『砂上の法廷』(原題:The Whole Truth)
監督:コートニー・ハント
出演:キアヌ・リーヴス,レネー・ゼルウィガー,ググ・ンバータ=ロー,
   ガブリエル・バッソ,ジム・ベルーシ,トーマス・マーフィ他

大阪ステーションシティシネマにて。

世界のどの国よりもはやく日本で公開という触れ込みの本作を、公開翌日に観ました。
別にキアヌ・リーヴスが特に好きなわけではありませんが、
『ジョン・ウィック』(2014)がとても面白かったので、これも観る気に。
しかし、どうよこれ。ものすごく嫌なオチで、苦笑い。

いろいろと衝撃的だったので、ネタバレ全開で行っちゃいます。

大物弁護士ブーン・ラシターが自宅の豪邸で刺殺される。
現場に居合わせたのは妻ロレッタと一人息子で17歳のマイク。
その状況からマイクが容疑者として逮捕される。
マイクも法律家を目指す前途有望な青年。
一家と懇意の敏腕弁護士リチャード・ラムゼイが、
ロレッタから依頼を受けてマイクの弁護を引き受けることに。

事件後、マイクは一言もリチャードに話そうとしない。
だんまりを決め込まれては裁判に勝つことなどできないのに。
次々と出てくる検察側の証人は、マイクの有罪を裏付ける証言ばかり。
このまま何もできずに負けてしまうのか。

そんなとき、リチャードの助手を務めることになった女性ジャネル。
彼女には人の嘘を見抜く能力があり、
証言のわずかな隙を突くうちに、裁判の流れが変わりはじめる。
やがて、それまで口を閉ざしていたマイクが自ら証言するという。
何を話すつもりかわからない彼に、証言させるのは危険だとリチャードは渋るのだが……。

さて、ここから結末までネタバレ。
観るご予定の方はこの先を絶対に読まないでください。

マイクの証言の内容とは、父親から性的虐待を受けていたというもの。
アメフトでもしていそうな体型の彼が
父親からそんな目に遭わされていたという告白は
信じがたくも「へ~っ」と一応驚いてしまう話。
妻が酷い仕打ちを受けていたばかりか、息子まで。
この告白で陪審員は一気にマイクに同情、無罪を勝ち取ります。

ここまでだけでも十分に悪趣味な展開だったのですが、
苦笑してしまったのはその後のさらなるドンデン返し。

無実となったマイクがリチャードに突きつけるのは、
ロレッタとリチャードが浮気していたという事実。
ちょうどそのときブーンが帰宅、リチャードがブーンを刺殺して身を隠します。
ロレッタがブーンを殺したのだと思い込んだマイクは、
母親の代わりに自分が罪をかぶることにしますが、
ベッドの下に落ちていたリチャードの忘れ物に気づくという。

まぁ騙されはしましたけれど、なんか感じ悪い。(--;

ただ、本作で何がいちばん衝撃的だったって、
ロレッタ役のレネー・ゼルウィガーの劣化ぶり。
どちらかと言えばぽっちゃりしたイメージだった彼女がぎすぎすに痩せ、
いったい誰なのかわからないほど。特に口もとのしわが悲しすぎる。
話し方は“ブリジット・ジョーンズ”そのままだから、
どうにも違和感がついて回り、作品に集中することすら困難。

これといって特徴のないオバサンと化した47歳のレネーを見ているのが辛く、
80歳の吉行和子と85歳の八千草薫って、
かわいらしい年の取り方をしてるなぁと改めて唸るばかりなのでした。

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