夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『見えない目撃者』

2016年04月09日 | 映画(ま行)
『見えない目撃者』(原題:我是証人)
監督:アン・サンフン
出演:ヤン・ミー,ルハン,ワン・ジンチュン,リウ・ルイリン,チュウ・ヤーウェン他

「映画の日」の翌日、土曜日の朝イチに1本だけ。
TOHOシネマズなんばのプレミアスクリーンで観ました。
このスクリーンは座席ちょっぴりゴージャス、ゆったりめでお得な印象。

前述の『あやしい彼女』のオリジナルは韓国版『怪しい彼女』(2014)。
それと同じ台本の中国版『20歳よ、もう一度』(2014)に出演していたルハン。
『20歳よ、もう一度』を観たときには名前すら知らなくて、
ただ、作品のエンドロールが彼のPVかと思うようなものだったため、
もしかして売れっ子なのかと思っていたらそうらしく。
本作も、脇役であるにもかかわらず、「ルハン最新出演作」という触れ込みです。

で、本作は韓国の『ブラインド』(2011)をアン・サンフン監督みずから中国でリメイク。
監督本人が他国でリメイクというのは、それほど多くないですよね。
フランスで当たってハリウッドリメイクなんてことはたまに聞きますけど。
韓国から中国へということの意味が私にはよくわかりませんが、
ともかく、中国のサスペンス作品は私はあまり観たことがない気がして新鮮。

幼い頃からの夢を叶えて婦人警察官となったルー・シャオシン。
弟のリャン・ツォンがバンド活動に入れ込みすぎて
大学を除籍処分になったことを知り、腹を立てる。
ライブに出演中の弟を無理矢理ステージから引き下ろすと、車に押し込む。
車内で喧嘩しながら運転していたために事故が起き、弟は還らぬ人に。

命は取り留めたものの失明したシャオシン。弟は自分が殺したも同然。
心に深い傷を抱えながらも、復職しようと3年間努力を積み重ねるが、
勤務中に事故を起こしたことが法規違反とされて、復職は認められず。
盲導犬のツォンツォンとただ静かに暮らしている。

リャン・ツォンの死後、彼の書いた曲は大ヒット。
命日に予定されている追悼コンサートに母から誘われるが、
自分が参加することが許されるはずはないとシャオシンは泣き叫ぶ。

母のもとを飛び出し、ひとり家路につくと外は雨。
タクシーには長蛇の列、迎車を頼んでもなかなか来ない。
ほかの客がいなくなった頃、ようやく目の前に止まるタクシー。
ところがそのタクシーが途中で何かをはねてしまう。
衝撃の大きさと音から女性をはねたとシャオシンは確信するが、
運転手は犬をはねただけだと言い張り、どうやら被害者をトランクに隠した様子。
通報しようとするシャオシンを放り出して逃走してしまう。

警察で状況を事細かに説明するシャオシンだが、
目の見えない彼女の証言にまともに取り合う警察官はいない。
しかし、彼女の鋭い観察力に気づいたルー刑事が本腰を入れたところ、
リン・チョンという青年が現れ、事故を見たと言い……。

くだんのルハンはリン・チョン役。タイプではありませんが、確かにイケメン。
轢き逃げ事故だと思っていたら、女子大生連続殺人犯がらみで、
犯人の企みの恐ろしいこと。サスペンスというよりホラーかも。

ヒロイン役のヤン・ミーはめちゃめちゃ清楚な美人。
犯人役も綺麗な顔立ちのチュウ・ヤーウェンで、
せっかく美男美女が揃っているのですが、
そのホラー的な部分がワラけるぐらいおぞましくて邪魔。
せめて次から次へと女子大生を拉致する理由がまっとうであったなら、
サスペンスの部分をもっと楽しめたと思います。
だけど、拉致する理由なんて、まともじゃないことがほとんどか。(--;

盲導犬のツォンツォンが愛嬌あり。
体を張って主を助けようとする姿に思わず涙。

目の保養にもなるし、そこそこ楽しめる1本ではあります。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする