夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『人生は小説よりも奇なり』

2016年04月13日 | 映画(さ行)
『人生は小説よりも奇なり』(原題:Love Is Strange)
監督:アイラ・サックス
出演:ジョン・リスゴー,アルフレッド・モリーナ,マリサ・トメイ,ダーレン・バロウズ,
   チャーリー・ターハン,シャイアン・ジャクソン,マニー・ペレス他

前述の『母よ、』とハシゴ。同じくテアトル梅田にて。

いつになくニューヨークばやり。
『ニューヨークの巴里夫(パリジャン)』『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』
『アイリス・アプフェル! 94歳のニューヨーカー』
ごく最近観ただけでもタイトルのニューヨーク絡みがこんなに。

どうせゲイのカップルを見るならば、
絵ヅラ的に美しいイケメンカップルのほうがいいなぁと思ったのですが、
こんなジジむさい熟年ゲイのカップルを見ることになるとは。(^^;

ニューヨーク・マンハッタンに暮らす、
画家のベン、ほぼ70歳と、音楽教師のジョージ、ほぼ60歳。
ふたりは連れ添って39年になるゲイのカップル。
ニューヨーク州でも同性婚が認められるようになり、ついに正式に入籍。
結婚式には親戚や友人たちが参列し、大いに祝福される。

ところが、幸せな新婚生活を始めたと思いきや、
ジョージは勤務先のカトリック系学校から解雇を言い渡される。
彼がゲイであること、ベンというパートナーがいることは
保護者を含む学校関係者の誰もが承知していたはずなのに、
正式に結婚した途端にクビだとは。

定収入がなくなると、ベンの年金だけでは経済的に厳しい。
長年暮らしたアパートメントも手放さなければならなくなり、
再就職先と手頃な家賃の部屋が見つかるまで、別々に居候させてもらうことに。

ジョージは友人の警官カップルの部屋に。
ベンは弟のエリオットとその妻ケイト、多感な年頃の息子ジョーイが住む家へ。
どちらも肩身の狭い生活を余儀なくされ……。

タイトルほど奇なことはなく、ほのぼのとしたいいお話。
偏見のない人に囲まれて幸せに暮らしていたはずなのに、
法律に則ることがこんなにも生活の幅を狭めることになるのは解せません。
望んだ方向と異なる方向に進んでしまう、これが現状なのでしょうか。

全編にピアノ曲が流れ、それがとても心地良い。
特に、生徒が弾くショパンの曲にジョージが想いを馳せるシーンが良かったです。

やっぱり絵になる街、ニューヨーク。
都会に暮らすゲイの人々が助け合う姿も一見の価値ありかと。

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