「 九州 ・ 沖縄 ぐるっと探訪 」

九州・沖縄・山口を中心としたグスク(城)、灯台、石橋、文化財および近代土木遺産をめぐる。

佐賀県神埼市  ・  紅葉の名所 「 九年庵・秋の特別公開 」

2012-11-23 00:08:27 |  滝 ・ 名所 ・ 神社仏閣



九年庵の特別公開



































































九年庵は、佐賀の大実業家、伊丹弥太郎が明治25年に造った別荘と
明治33年から9年の歳月をかけて築いた6,800㎡の庭園である。
 
別荘は入母屋葦葺の屋根に杉腰張りの土壁、竹格子の連小窓や真竹を用いた周りの濡縁など、
野趣に富む外観を持ち、材質、色感、意匠、構造などのすべてに、
細心かつ充分な吟味が加えられ、茶室と書院の様式を折衷した近世和風の数奇屋建築です。

庭園は広く、多くのツツジやモミジ類などが植栽されており、
四季を通して美しい景色を描き出しています。
また、庭一面に広がるコケはまるでじゅうたんを敷き詰めたかのように錯覚してしまいます。

九年庵は平成7年2月に国の名勝の指定を受け、毎年秋の紅葉の時と春の新緑の時に一般公開をしています。


入園までかなり待たされたが、待ってでも観る価値がある庭であるが、
ただ、園内は人・人・人でごった返していて、
人が写真に入らないようにするのも大変だったし、
自分のペースで観れないのが残念だった。



熊本県宇城市 「 寺島灯台 」

2012-11-23 00:07:07 | 熊本の灯台



戸馳島から見た「 寺島灯台 」








三角港から見た寺島灯台







寺島の緑に白い灯台が映える

















所在地 / 熊本県宇城市三角町 寺島
塗色  / 白色
構造  / 塔形   構造材質 / 石造
灯質  / 単閃白光  毎3秒に1閃光
実効光度  / 26カンデラ  
光達距離 /  3.5海里       
頂部までの高さ / 11.24m
平均水面から灯火まの高さ / 10.30m
現用灯器  / LED灯器Ⅱ型 ( 白 )   電球 / LED
設置、点灯および業務開始年月日 / M31.5.10



明治時代に建設された戸島灯台・戸馳島灯台のようなハウス形とは趣が違い、
海の中に建つ灯台らしく、美しい塔型の造りをしている。
その姿は純白なドレスをまとった聖母の立ち姿に重なると言われており、
石積みのラインが気品あふれる灯台である。
海上保安庁の保存灯台Cランクに位置づけされている灯台である。



沖縄県国頭村辺戸 「 義本王の墓 」

2012-11-23 00:04:22 | 沖縄の王墓、按司墓、拝所











墓の入り口にある墓碑銘





義本王の墓は、国道58号線の辺戸集落の近くの、
国道から右に階段を上った場所にある。

義本王とは沖縄最初の実在王統舜天の孫に当たる人物で、
1249~1259年に在位した王である。
1950年代、うち続く日照りで農作物が取れず、飲み水はなく、
伝染病が流行って琉球の国民の半数が死亡した。
これは人の上に立つ義本王に徳がないから天災が起きたのだと思われ、
有徳者に王位を譲って引退することにした。
群臣は、伊祖グスクの英祖は徳があると推挙した。
英祖が政治を行うと疫病は止み、民は豊になった。

それで義本王は王位を譲って隠れ、行方は知れないという。
これは中国の禅譲 ( 王が高徳の人に位を譲る ) を模しているが、
実際は権力者の英祖が追放したとも言われている。
義本は沖縄最北端まで落ち延びて逝去したのか?
それともこの墓は偽装だったのか?は、定かではない。
辺戸の谷川は大川 ( 神名 ・ 「 アフリ川 」 ) と呼ばれ、
王府は稲穂祭と年末に若水を汲みに来た。
公民館裏の 「 タハンナ丘 」 に辺戸の男全員が旧暦5月15日に悪疫退散を祈願する。
石灯篭や石香炉の他に、梵字 「 ア沙門太演 」 の石碑がある。
沙門は僧の意で、臨済宗妙心寺派の大演宗興と思われる。

現在はこの辺戸にあるのが義本王の墓だとして伝わるが、 「 国頭村史 」 によると、
義本王の墓と伝わるのはこの辺戸以外にも伊地・佐手・中城村仲順と4つあり、
また喜界島へ隠れたという伝説もあるという。
「 国頭村史 」 によると、佐手はテイチバーと呼ばれ、近年調査がされたが、
名だたる者の墓と推測される物は発見されなかったという。

この辺戸の墓も明治初年に尚家が作らせたもので、
現在ここを管理するのは義本王と縁があると言われる佐久真家だという。
いずれにせよ、これらの伝承・記述からは遺骨が発見されているわけでもなく、
義本王縁の地に関係者が後世になって作ったというだけの話のようである。