高千穂峡 『 仙人の屏風岩 』
五ケ瀬川上流域の高千穂の峡谷は、元々の渓谷に、阿蘇火山の火砕流が流れ込み、
そのまま冷えて固まったところに、又再び渓谷の急流が溶岩を侵食して深い谷を造ったものである。
その奇異変化に富んだ地形は、いつしか高千穂峡と呼ばれるようになった。
一般には、三田井地区の窓の瀬から下流2kmの地域を呼ぶ。
その一帯は、高さ80m~100mの見事な柱状節理の断崖が連なっている。
その河床の一枚岩をノミでくり貫いたような川筋が、岩盤を幾つかに分断している。
その岩々に、小橋が架けられ、あるいは削られ、縫うように遊歩道が伸びている。
歩を進めるほどに変化してゆく渓谷の景観は、ゴツゴツとした岩肌の男性らしさと、
湧き出る地下水が造る御塩井(おしおい)の池や、溢れて淵に落下する真名井の滝など、
優美な女性らしさを合わせ持つ。
特に夏の新緑、秋の紅葉の季節には、岩肌とのコントラストが見事な景観をなし、
渓谷の自然美を間近に堪能できる。
観光客も多く、国の天然記念物に指定されている。
岸に広がる屏風面の岩(高さ約70m)を 「 仙人の屏風岩 」 と言います。
上流の新橋付近から下流の真名井の滝・ボート乗り場付近までが、
自然の造形美の美しいところです。
昭和9年付近一帯が「名勝天然記念物」に指定されています。