山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

鉄砲伝来は倭寇だった!?

2017-07-28 19:33:23 | 読書
 究極の軍縮であった「鉄砲を捨てた日本人」の関連で、宇田川武久『鉄炮伝来』(講談社学術文庫、2013.5)を読んでみた。
 作者は、日本に鉄砲を伝えたのはポルトガル人ではなく倭寇集団だったという。
 これは教科書が書き換えられる新事実だ。
しかも、火縄銃の構造は西洋とは違う進化したものであることを新資料を駆使して論証している。

   
 戦国大名の贈答品や狩猟用だった鉄炮が主要武器に変換されていくのは、合戦の結果が証明する。
 秀吉の朝鮮侵略の最大の武器も大量の鉄炮だった。

                            
 200頁ほどの薄い本だったが、当時の歴史資料からの引用が多くて読むのに難航する。
 できれば、当時の欧米の鉄砲使用状況があるとさらに日本の位置が鮮明にされる、と思われた。
 作者の厳密な鉄炮論は類書からの追随を許さないほどの厳密さが光る。
 
 こうして、鉄炮の大量生産は近世を登場させる契機となった、という視角に納得する。
 
                              
 
コメント
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