ふぶきの部屋

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COCO

2010-12-12 20:06:50 | ヅカOG その他舞台

 ネット上でのゆみこちゃんの評判が芳しくなかったので心配しながら見ました。

 

 COCO 

 

私、この作品は初めて見ましたが、あまりの面白さに感動してしまいまして。

お金があったら毎日でも通いたい・・そんな作品です。

でも、脚本・演出によってこんなに違うんだなあ・・・と、去年の大地真央の「ガブリエル・

シャネル」と比較

どっちも同じような話しなんだけど、目のつけどころが違うって言うのかなあ。

真央さんのはガブリエルが「ココ・シャネル」になっていく過程を描き、人生の最初から

最後までしつこく描いていたのに対し、こっちはずっと休業してて復活のココから

始まったわけで・・・過去の話はさらーーー

でも、ノエルに執着する事でココの孤独感や歩いて来た人生を浮き彫りにする。

こういう手法もあるんだなあと思いました

 

二つの作品の象徴的に違う部分。

それは小さいガブリエルが父親と別れるシーン。

大地真央は本当に子供の格好をして現れた時点で笑いが起きてしまって

しかも非常に反抗的な子供というイメージ

鳳蘭は現在のココが気持ちだけ小さなココになって「行かないで」と訴える。

この演出の違いが勝敗を分けたような気がします

 

ココの人生を知りたいなら「ガブリエル・シャネル」かもしれないけど、

ココの心情をしるなら「COCO」かなあと

翻案するにあたって多分ココの台詞を全部鳳蘭にあわせたんじゃないかなと思います。

なので「地」でやっているように見えるし、それが非常によかったな

なんせ、ツレちゃんはトークショーの時には、あれと同じような言葉を散々言ってる

から「ツレちゃんがココなの?ココがツレちゃんなの?」状態でした。

 

出演者について

 

鳳蘭・・・・ココ・シャネル。その昔、現役時代にアサヒグラフで「輝ける鳳蘭」と

     タイトル打ってすごい写真ががんがん出て「大スター」って感じだったのを

     重い出します。まさに今も彼女は「輝ける鳳蘭」なんですね。

     だって、舞台に登場した瞬間から存在感やら威圧感やら・・・すごいオーラを

     出しまくりで、でも決して他の出演者を蹴散らすわけではなく、包み込んで

     しまうのよね 

     皮肉たっぷりの台詞、究極の気の強さで乗り切ろうとする頑固さ、そして

     ころっと機嫌を直す明るさ、どれもこれも鳳蘭そのもの

     そういう意味ではこの役はツレエちゃんの為の役だったと思います。

     気が強いのも頑固なのも皮肉屋なのも大好きだけど、私はノエルを傍らに

     語りだすココが大好きです。「ママン・ココ」だなあって

         本当にこの方は母性を表現するのが上手っていうか、それも「地」なんだな。

 

岡幸二郎・・・セバスチャン。

         変なかつらつけた背が高いゲイのデザイナー。オカマさんを演じるのは

         鈴木綜馬さんの方が上手だけど、岡君はなんと言ってもダイナミック

         ショーの失敗を嘆きつつ「笑いが止まらない」と歌うシーンは、なぜか

         私も頷いてしまいました 彼の毒舌はすっきりするわあ。

 

大澄賢也・・・ジョルジュ。

         パンフも買わず、オペラグラスも使わずで、最初誰かわかりませんでした。

         「北京原人のセンス」とココに言われる通り、何となくうらぶれた人なので。

         結果的にノエルはジョルジュを選ぶわけだけど、ジョルジュのような人って

         沢山いるよなーー家庭人としてはいいんだろうなあって

 

今陽子・・・ピグノル。いやーーなんていうか年季が違うっツレちゃんのココには

       今さんのピグノルじゃないと・・と思わせるような役でした

       役柄としては派手ではないし、あまり目立ちすぎてもいけないんでしょうが

       きちんと存在感をアピールしていたのが素晴らしい

 

鈴木綜馬・・・グレフ。愛妻家でそのくせ若い愛人を持ち、結構お金に厳しい

         代理人。こちらもまたきっちりと自分の役割を演じて、悪目立ちせず。

         こういう「和」を大切にする共演陣に恵まれた事は素晴らしいです。

 

彩吹真央・・・ノエル。

        さて・・・一番難しいなあ。

        ネットでの芳しくない評判というのは実は「華がない」って事なんですね

        前回の「パル・ジョーイ」の時は背が高く見えたけど、今回はアンサンブル

        の方が背が高くて派手目。それに比べると彩吹は地味

        特に1幕最後、シャネル・スーツを着て登場する時も目立たず。

        二幕目のショーも似たような衣装のアンサンブルに負けそうな感じで

        はらはらしてしまいました

        仕事場に登場すると「秘書か?」と思ってしまうし。いわゆる「トップモデル」

        としてのオーラはなかったと思います

        ゆえに「湖月わたる」の方が・・・と言われてしまうのかな。

         相手が鳳蘭だからではないでしょう 彩吹真央っていう人は元々

        「自分が自分が」の人じゃないというだけの話です

         でも・・・・とにかく可愛いっ ほ・・本当に元男役?金髪ロングも

        可愛らしかったしココに酷評されたドレスも似合ってて

         少年のように髪が短くなって黒パンツに白ブラウスの姿はそのまんま

       「ルイ・シャルル殿下」って感じ 相変わらず足が長いし細いし。

       何よりも重畳だったのは、彩吹ノエルは野心家ではなく、良妻賢母型で

        ココにないものを持っている人であったこと

       同じような境遇に育ち、同じ業界にいながら彩吹ノエルのオーラは

        「癒し」「慰め」「寄り添い」「可愛げ」・・・そして「女の子」なんです

       だからこそココは彼女と暮らしたいと思ったんでしょう?

       だからこそノエルはジョルジュと結婚したいと思ったんでしょう?

       私だってノエルのような娘がいたら幸せだなあって思うもの。それゆえに

       せっかく手に入るかも・・って時にジョルジュに掻っ攫われたココの嘆きが

       よくわかりました

       確かに職業人・トップモデル・自立した女・・・華はなかった。でも

       頂上を極めた女性が構いたくなる女の子・老婦人の癒し・男が

       結婚したいと思う女性・・・温かさはありました。

       一曲だけのバラードもとても心に響いたし

       役柄として解釈は正しいと思います。

 

 フィナーレ、お決まりなんでしょうけど、ツレちゃんとゆみこちゃんが手をつないで

退場する姿が微笑ましくて羨ましかったなあ。ジョルジュがノエルを奪っていくバージョンも

ココと取り合いしているバージョンも。

多分、今年見た舞台の中で一番幸せな時間を過ごせたと思います

     ツレちゃんとゆみこちゃん、二人のファンでよかったです。

        

 

コメント (4)
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