物事(ものごと)をする上で焦(あせ)りは禁物(きんもつ)だ。焦る気持は分かるが、そこはそれ、冷静(れいせい)に落ちついてコトに臨(のぞ)むのが得策(とくさく)といえる。冷静にコトに臨めば、自(おの)ずから正しい対処(たいしょ)の方法が見えてくる。正しい対処をすれば、コトは目的を達して成功裏に終わり、楽しい気分となる。と、まあ、こういう過程[プロセス]を辿(たど)る訳だ。^^ 辿らない人は少なからず焦っていることになり、心の修行が足りない・・と言われても仕方がない。^^
とある小学校の図画工作の時間である。
「あと30分しかないわよっ、禿山(はげやま)君!」
「先生! まだ、書きたい構図が決まらないんです…」
「決まらないって君、皆(みんな)、適当に書いてるじゃない。適当でいいのよ、適当で…」
「適当って先生、絵画(かいが)を馬鹿にしちゃ~ぁいけないっ! ここは冷静に決めないと…」
「まっ! 勝手になさいっ!!」
「はい、勝手にします…」
「ぅぅぅ…」
クラスを受け持つ女性教師、毛川(けがわ)は生徒の禿山の反発に少し切れたが、そこはそれ、教師の立場というものがある。グッ! と我慢して、禿山の席を通過した。禿山は、さてと…と、なおも冷静に構図を決めていたが、残り20分の頃になり、ようやく構図が決まったのか、その後は瞬(またた)く間に描(えが)き切った。その絵の出来映(できば)えは大人のプロ画家を思わせるもので、毛川は、その出来映えに唸(うな)り、禿山はニンマリ! と笑った。
冷静になれば楽しくニンマリ! と笑えるようだ。^^
完