(責任感のある人を育てるには)
・「中間報告」や「相談」があったかどうかがポイント
ただし、無制限にポンッと置いたらいいというわけではなくて、失敗しそうなところについては、釘を刺しておくなり、限度を教えておくなりしてください。「あなたが判断できる限度はこのくらいまでですよ」ということを言っておかなければいけません。
たとえ人事局であっても、「いくらでも採用してよい」などということはないでしょう。当然ながら、財務局や経理局など、ほかの局との相談もあるはずです。
あるいは、財務局だからといって、「お金が使い放題になる」などということもありえません。組織全体の方向性や決算、マネーフロー、キャッシュフローの現状によって限度が出てきて、そのへんの「見切り」を入れる必要があるでしょう。
そのように、任されていると思うものに対する限度がどのくらいかを教える必要があるのです。また、部下としては、その限度を大きくしてもらえるような、いい仕事をしていかなければいけないということです。
初めは、誰であっても、やったことのない仕事はできないものなので、まずは手ほどきから始めて、だんだんと責任を持たせていき、大きな仕事ができるようにしていってください。
一足(いっそく)飛びにやろうとしすぎると、どうしても失敗が多くなりますが、プライド過多で、責任ということに関してオール・オア・ナッシング的にしか考えないタイプの人は、やや頭が粗雑(そざつ)で、少し危険があるのです。
こうした人については、ブレイクダウン(細分化)というか、「自分のやれる範囲とそうでない範囲とに分けて、自分のやれない範囲の問題が出てきたら、こまめに中間報告や相談をするようにしたかどうか」が、チェックポイントになります。
やはり、「最終的な失敗に至(いた)るまで報告がなかった」ということでは問題があるでしょう。
「自分の限度では、全部の判断は無理かな」と思うものについては、「こういうことをしたけれども、今、このようになっています。このままではこうなりますが、どうしましょうか」といった中間報告が、ある程度要るのです。最終結論まで責任を取れない場合には、そういうことが必要であると思います。
---owari---
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