昔は、「円安になったら、輸出が好調になって、国が儲かる」と考えられていて、「輸出立国」という考え方を私たちは子供時代に習いました。
しかし、今は、日本経済のなかで輸出が占めているシェアー(割合)は十パーセントぐらいしかありません。円安になっても、それほど国が豊かになるわけでは必ずしもないのです。
今、日本経済の六十パーセントは個人(民間)消費です。国内の個人消費が六十パーセントなのです。ということは、例えば、「円高」になれば輸入品が安くなります。要するに、円の力が強くなるので、安く大量に物が買えるわけです。輸入品が安くなれば、国内での消費や流通は容易になってきて、(円安のときと比べて)企業努力をしなくてもよく、比較的、楽になります。
ですから、消費部門が六十パーセントもあるのだったら、「円高」は悪いことでは決してないのです。
また、最近まで、今は「デフレだ」と言われていますが、実は「デフレ=不況」ではありません。「インフレ即好況」ではないのと同じく、「デフレ即不況」でもないので、デフレの中心にあるのは、百円ショップ等のディスカウント店などです。そういうディスカウント店がたくさん発展していると思います。
デフレとは「物の値段が下がること」なので、デフレにおいては、自動的に、ディスカウント型の商売が流行っているのと同じような感じになります。
物の値段が下がっても、それによって売上高が増えれば、経済的にはオッケイーなのです。安くなったから、もっと売れるようになり、もっと消費が増え、経済規模が大きくなれば、デフレでも経済発展はありえます。したがって、「デフレ即不況」ではないのです。
基本的に、デフレでは、物が安くなるとよく売れるはずなのですが、デフレであっても経済発展を止める力があるのが「消費税」なのです。
消費税率を上げたら、どうなるでしょうか。各企業は企業努力をし、値段を安くして売ろうとしているわけですが、消費税をポンと載せられると、その部分が帳消しになります。せっかく努力して安くしたのに、その値段を上げなくてはいけなくなったら、物が売れなくなるのです。
そのため、デフレから脱却したかったら、消費増税をアベノミクスと同時にやってはならないのです。「アベノミクスの三本の矢」と言っているけれども、ここを間違えたら、結果的にアベノミクスは失敗するのです。同時にやってはならないのです。経済的に大きくなっていけば、目標としている税収増は、結果的に得られということです。
---owari---
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