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景気浮揚にお金はかからぬ

2016年01月19日 | 日記
日本はGDP(国内総生産)が非常に大きく、何百兆円という巨大な経済的数字が動きます。
経済が静止した状態では、すなわち、各人が、みずからのお金、みずからの財物を持っているだけであれば、数字はまったく動きません。

しかし、人々のあいだに、経済的交換、売買が起き、次から次へと、いろいろな商売が起きて、雪ダルマ式に広がっていくと、経済が活況を呈するようになります。これが経済です。

“GDP”が増えることによって、所得が増え、各人の収入が増えていくのです。その結果、それを使うこともできれば、貯金することもできます。消費と貯蓄、この両者が増えていくのです。
こうしてみると、GDPを増やしていくことが、大きな大きな意味を持つことがお分かりでしょう。

今年、政府はアベノミクス第二ステージとして、「新3本の矢」における第一の矢に、名目GDP 600兆円を2020年頃に達成することを目標に掲げました。その目的は、所得を増やすためです。

所得を増やすことは、自分自身にとっては、貯蓄を増やすことにもなって、それが、危機の際に自分を守ることにもなるし、安心の根拠にもなります。また、収入が多いからこそ、使えるお金も増えて、多く使うことによって、他の人々の“経済的活況”を支えていくこともできます。このようにして、経済の好循環が始まるわけです。

ここで、私たちが考えなければならないことがあります。それが、金銭の循環ということです。
金銭は、じっと待っていても増えるものではありません。一万円札を金庫にしまっておけば、それはいつまでたっても一万円のままです。しかし、それを使うことによって、その一万円はどんどん増えていきます。

あなたが、一万円を使ってたとえば一冊千円の本を十冊買うとします。そうすると、その十冊の本を使って勉強することがきます。勉強したことでもって、人を教えることもできれば、自分自身の心を磨くこともできます。

また、それを将来への投資に使い、将来、研究したいことや、将来、自分の仕事で使うために勉強をすることもできます。そのとき、一万円は、さらに大きなものになって返ってくるでしょう。

一方、あなたが使ったその一万円は、書店にとっては収入になります。その一万円を使って、彼らは生活をすることもできますし、仕入れ先にお金を払うこともできます。彼らは、その利益でいろいろな支出をし、その支出が、また次の支出を生んでいきます。彼らが仕入れ先に払ったお金によって、仕入れ先もまた生活をしていけるようになります。

こうして、一万円というものが活動を開始すると、一万円という価値が二倍にも三倍にも五倍にも十倍にもなっていきます。たとえば、一万円が一ヶ月に一人の割合で人びとのあいだを巡っていけば、一年間で十二人のあいだを巡ることになります。その結果、一万円は十二万円分の仕事をすることになるのです。これが経済の世界です。

この話を聞いて、「ばかばかしい話だ。お金の総額は増えず、お金が単に移動しているだけなのに、それで豊かになることなんて、あるはずがないではないか」と言う人もいるでしょう。

しかし、考えてみてください。
いまから何万年も前、日本がまだ石器時代だったころにも、日本の国土は現在と同じぐらいの広さでした。その時代に日本に住んでいた人の数は、現在よりは少なかったでしょう。

たとえば、百万人しか住んでいなかったとすれば、日本の人口は、いま、一億人を超えているので、一人が所有できる土地は、現在の百倍以上だったことになります。

いま、日本人が一人でそれだけの広さの土地を所有できたならば、大金持ちになった気がするでしょうが、何万年も前の人たちは、大金持ちであったかというと、そうではありません。百倍の土地を所有していても、彼らは大金持ちではなかったのです。

彼らがしていたことは物々交換です。「物と物を交換する」、たとえば、「魚と米を交換する」という程度のことをしていて、経済が進展しませんでした。

その同じ日本が、現在のような繁栄を味わっているのは、すでに述べたような経済学が働いているからです。土地の広さは同じですが、人口は増えました。そのなかで、人々の活動が活発になるにつれて、目に見えぬ富が蓄積され、それが大きな力を生むようになってきたのです。

そう考えると、景気浮揚にお金はかかりません。
使えるお金は長く寝かさずに、早く使うことです。流れるように使うことです。

このことを政府もメディアも報じません。国民に分かりやすく説明していません。
景気浮揚のために、お金を使ってくださいだけでは、言葉が足らないのです。

江戸時代、江戸っ子が「宵越しの銭は持たない」と言った言葉は、経済学としては名言だったのです。

---owari---
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