(学生時代に、できるだけ興味・関心の範囲を広げておく)
特に、学生の場合には、いろいろな夢があって、考え方が固まらないだろうとは思いますが、「学生時代に少しでも手を染めたものがある」ということが大事です。
勉強で少しかじったり、体験をしたり、興味を持ったり、友達と何かで意気投合したりするなど、関心を持った領域や、少しでも手を出した領域があると、それが、中年期や中年期以降において、何かのきっかけになり、新しいことが始まる場合が多いと言えます。
なかには、社会人になってから、学生時代には関心を持たなかった領域に、どんどん関心を広げていく人もいますが、たいていの場合、学生時代に何らかの関心を持った領域に縁ができていくことが多いのです。
したがって、学生は、できるだけ自分の興味・関心の範囲を広げて、「自分に、どのような可能性があるのか」ということを、いつも念頭に置き、考えておくことが大切です。
すぐに職業につながらないものであっても、いったん自分が関心を持ったり、何か少しなりとも体験したりしたようなことは、どこかで、別なかたちで表れてきて、役に立つことがあるのです。その意味で、学生時代は非常に大事です。
(若いころに深く読み込んだ本は人生に影響を与える)
また、学生時代に読んだ本の内容は、非常によく頭に残っているものです。大学卒業後にたくさん本を読んだとしても、あとで振り返ってみて、最もよく頭に残っているものは、やはり、学生時代に読んだ本であることが多いのです。
学生時代に読んだ本の内容は、何十年たっても、なかなか忘れないものです。特に、その時代に深く読み込んだ本は、意外なところで自分の人生の決定的な判断に役立っていることが多いのです。
30歳、35歳、40歳あたりの年代においては、人生の重要な判断をしなければいけないことが数多くありますが、そのときに、「自分の頭で考えて判断している」と思っていても、意外に、そうではないことがあります。
あとから振り返ってみると、実は、20歳前後か、22歳ころによく読み込んだ愛読書、何度も繰り返し読んだ本などから、思想的な影響をかなり受けていて、その著者の考えに基づき、10年後、20年後に直面した問題に対する自分なりの解答を出していることが多いのです。
「自分の頭で考えている」と思っても、実は、そうではなく、自分が最も共鳴した思想家や作家の考え方、そういう自分の血肉となった思想に基づいて判断をしていることが多いのです。
そのように、本などで勉強し、自分のものとなった思想を持つようになると、そのあたりから、両親とも考え方が分かれてき始めます。両親が言うことと、自分が目指すものとが違ってきて、意見が分かれることがありますが、それは、「自分が、親とは違う思想を持ち始めている」ということを意味しています。
---owari---
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