諸々の比丘、比丘尼たちよ。
さて、私は信仰の大切さを説いてきた。
いつの時代においても、この信仰というものは大切である。
もし、あなたがたの生命の安全と信仰とのどちらかを選べ、
と言われたならば、
迷わずに信仰を取れ。
信仰を取ったところで、あなたがたは永遠に命を失うことはない。
あなたがたは永遠の栄光のなかにあるだろう。
しかし、地上の命と信仰とのどちらを取るかと言われて、
命のほうを取った者は、
やがて地上を去ってから、激しい後悔にさいなまれることとなる。
あれだけの固い意志で、堅固な意志で、修行を重ねてきたのに、
あんな誘惑でもって、その信仰の道から離れたということが、
地上を去った後、幾百年、幾千年もの間、汚辱となって遺るのだ。
そして、魂の後悔は止むことがない。
そのような魂の後悔は、
たとえ地上にありて、鋸にて身体を引き裂かれようとも、
これほどまで苦しくないと言わんばかりの苦しさであるのだ。
過去、偉大なる仏陀が地上に降りた時も、
信仰心を失い、そして師への罪を犯した者たちは、
地上を去った後、
どれほどまで苦しい、苦渋に満ちた魂生活を送ったかということを、
あなたがたは知っているだろうか。
このように、信仰を失うということは、
命を落とすよりも大変なことであるあるのだ。
命落とすとも、信仰を失ってはならない。
また、地位や名誉や金銭のために、
また、異性への情欲のために、
信仰を失ってはならない。
あなたがたの人生において、迷うべき時があるであろう。
そして、どちらを選ぶかをひじょうに考えるであろう。
たとえば、会社に勤めている者であれば、
地位や体面というものもあるであろう。
また、社会的名声のある者であるならば、
名誉ということもあるであろう。
また、金銭ということもあるであろう。
また、妻や夫の愛情というものもあるであろう。
しかし、いかなるものをも秤にかけるとも、
信仰より重いものはないということを知りなさい。
信仰とは、仏と一本に結ばれるということ。
仏と一筋に結ばれるということ。
仏と一つになるということ。
この地上に、仏より重いものはないということを知りなさい。
いかなる秤にかけようとも、
いかなる地上的なるもの、金銀を、財宝を積もうとも、
しかし、仏より重いものはない。
信仰とは、仏と一体となること。
この仏と一体となるということを、決して忘れてはならない。
この信仰なくして、仏国土の建設などありえないのだ。
私は、そう思う。
---owari---
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます