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指導者の条件➁――「智(ち)」

2018年11月13日 | 人生

指導者としての第一の条件は「礼」であると述べました。

では、第二の条件とはいったい何であるかというと、それを私は「智」であると言いたいのです。この智という字は、知識の「知」の下に「日」という字が付いています。すなわち、単なる知識のみならず、経験を通し、知識が智慧に転化した段階での「智」であると言ってよいでしょう。

 

この智は、指導者にとってはひじょうに大事な条件の一つです。それは、ものごとをよく知っているということのみではありません。それだけではなく。人間の心をよくよく知っている、深い洞察力がある、人情の機微に通じ、細かなところまで心がとどく、そうした意味合いでの徳目が、この智です。

 

指導者なる者は、自分に追随してくる多くの人びとを生かしていかねばなりません。多くの人びとを生かしていくためには、どうしても、その道において普通の人たちを凌駕(りょうが)するだけの知識、経験、そして叡智とでもいうべきものが必要になります。別な言葉を使うとするならば、「理解力」と言ってもよいでしょう。理解力の乏しい者は、指導者になる条件を欠いているのです。

 

現代においては、この智の面において優れたる者が、さまざまな分野で数多く指導者になってきています。高度に情報化された社会のなかでは、この智の部分の役割はひじょうに大きいのです。これを欠いたまま指導者になる場合には、充分な補佐役が必要です。そういう人なくして指導者になることは不可能に近いと言ってよいでしょう。

 

また、この智は、別な面からいうならば、たぐい稀なる発想力と言ってよいでしょう。次から次へと新たな発想を生み出し、創造的な仕事をしていくための力と言ってもよいでしょう。これが、混沌の時代を漕ぎ渡っていくときに、どうしても必要な力なのです。

 

---owari---

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