(思想が人生に及ぼす影響は極めて重要)
思想的な影響というものは極(きわ)めて重要です。影響が表面的なものであるならば、しばらくすると流れ去っていきますが、表面意識の部分を突(つ)き抜(ぬ)けて、もう一段深い部分、潜在意識の部分にまで染み込んできたものは、自分自身に大きな影響を与えます。その場合には、自分の未来全般(ぜんぱん)の影響が出てくると思ってよいでしょう。
雨にたとえると、「雨が降ったときに、地表だけを濡(ぬ)らすのか、それとも、その雨が深く染み込んで、地下水の層まで行くのか」という違いです。「地下水の層、つまり深層意識の部分まで染み込んだものは、その人の人生の深いところで影響を及(およ)ぼし始める」と考えてよいのです。
そのため、「何が、その人の人生の深いところまで染み込むか」ということが大事です。自分が繰り返し繰り返し、愛読したり、考えたり、覚えようとしたりしたことが、自分自身の思想になってくるのです。
もともとは、活字で読んだ他の人の思想でも、「その人の思想に深く共鳴する」ということは、「自分が、その人に似てくる」ということを意味しています。自分とは別の人の思想であっても、「その思想に共鳴する」ということ自体が、「自分のなかに、その人と同じ思想があるか、同じ思想ができつつある」ということを意味するのです。
したがって、それは、他人の思想であって、他人の思想ではありません。最初は他人の思想かもしれませんが、「その思想に共鳴し、何度も繰り返し本を読み、その思想が染み込んでくる」ということは、「その思想が自分の思想なる」ということです。そして、その思想に基づいて自分の人生を判断することになるのです。
---owari---
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