(悪口を言うことは、自分が幸福ではないことの証明)
見ていて分かると思いますが、いつも人の悪口を言っている人は、少なくとも幸福ではありません。幸福感に満ちている人が人の悪口を言い続けることはありえないのです。したがって、人の悪口を言うことは、自分が幸福でないことの証明であると思います。
「人の顔を見ると悪口を言う」「人の何かを見ては悪口を言う」「妬(ねた)み、嫉(そね)み、嫉妬(しっと)の言葉を口に出して言う」などということを習慣としている人は、はっきり言って幸福ではありません。
こういう人は、「幸福でないから悪口などを言うし、また、悪口などを言うから不幸になってくる」という悪循環に陥(おちい)っており、この傾向が改まらないかぎり、ある意味で幸福になれないのです。
これは自分のこととして捉(とら)えてみれば分かります。みなさんも、自分のことをほめてくれる人とは友達になりたいでしょう。ところが、面と向かって自分の悪口を言われると、その人と友達になるには、そうとうの努力や忍耐(にんたい)、寛容(かんよう)さが要ります。会うと必ず自分の悪口を言われるのであれば、その人と長く仲のよい友達でいることは基本的に難しいでしょう。
若いころには、互いに悪口を言い合い、“じゃれ合う”レベルの関係はありうるかもしれませんが、人間として一定の成熟期を迎えると、悪口を言い合っていては、正常な大人として交友関係を築くことは難しくなります。
このように、人間は、自分のことをほめてくれる人とは友達になりたい一方、自分の悪口を言う人とは友達になりたくないものです。
他の人に対して悪口しか言えない人は、「他の人と友達になりたくない」と言っているのと同じです。結局、人の悪口を言うことは、その人に対して、「おれは、おまえとは友達にならないぞ」と言っているようなものなのです。
こういうあり方は、さみしく悲しいことであり、「この性(さが)を何とか変えたい」と思うものですが、そう思っても、なかなか止まりません。特に、十代や二十代前半ぐらいだと、そう簡単には止まらないものなのです。
(「主観的で自分中心の人」は悪口を言いやすい)
ところで、人間は、なぜ、人の悪口を言うのでしょうか。なぜ、人に対して、妬(ねた)ましい言葉が出たり、怒りの言葉が出たり、おぞましい言葉が出たりするのでしょうか。
点検して見ると、そういう言葉が出るときには、自分自身が非常に傷ついています。もちろん、自分が怒られたり、悪く言われたり、評価を下げられたりすることでも傷つくのですが、自分がほめられなくても傷つきますし、人がほめられているのを見ても、自分が傷ついたように感じるのです。
若いころは、ある意味で、非常に自己中心主義です。自分の立場を客観的な目で見て評価することができず、どうしても主観的で自分中心になり、「自分がどう感じるか」ということを中心にして動いています。
そのため、若い人は大人の目には非常にエゴイスティックに見えます。例外はあるとしても、たいていの人はそうだろうと思います。
ところが、若い人は、自分中心であることを「純粋(じゅんすい)なのだ」と考えます。「自分に対して忠実で純粋だからこそ、人に対しても、きついことや悪口を言ってしまうのだ」と思い、自分を美化してしまいやすいのです。
その結果、友達がいなくなったり孤立(こりつ)したりして、さみしい気持ちや悲しい気持ちが増してきます。しかも、そういう人に、よいことがたくさん舞い込んだりすることはあまりないため、もっと孤立して孤独な思いをし、それによって、さらに自分を苦しめることになるのです。
また、そういう人の場合、自分にとって何かよいことがあっても、それを素直に受け取ることができず、否定してしまいがちです。
他の人を否定する性格の人は、自分に対して肯定的なことが何かあっても、それを受け入れません。「何か裏があるのではないか」「一時的に、こういうよいことがあっても、あとで必ず裏切られるのではないか」「何か引っ掛けられるのではないか」「からかわれているのではないか」「こんなことがあるわけはない。何度も同じことがあったら信じてもよいが、これだけでは信じられない」など、とにかく自分を幸福にしない方向に判断が動きやすい。
そして、孤独で傷つきやすい、不幸な性格が出来上がっています。
そういう不幸な人は、つらいことに、「他の人を傷つけて、さらに不幸を増やし、それが自分に返ってきて、もっと深刻度を増す」というかたちで、小さいながら、自分の周りに暗黒世界をつくっていくのです。
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以前、「とくめいさん」から“悪口を言う人”についてコメントをいただきました。ご参考になると思いますのでサイトを掲載させていただきます。
アメリカって違うなぁと思ってしまう瞬間 (とくめい)
2020-01-26 13:15:44
【研究】人の悪口を言うと、自分自身が傷つく理由
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---owari---
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