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【暗黒の地政学】“あの国”が古(いにしえ)の同盟を復活させた理由

2021年07月16日 | 政治・経済
今日も国際関係アナリスト・北野 幸伯さんのメルマガからお伝えします。

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全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは! 北野です。

私たちは、毎日「菅さんがどうだこうだ」「日本の政治家がああだ」などと不平不満をいいながらいきています。
テレビは、もっと文化的ではありますが、遠慮なく政府のことを批判しています。

私たちは、そのことを「当たり前」の事ととらえている。
しかし、世界では、政府の悪口をいっただけで、捕まる国が結構あります。
たとえば、中国、ロシア、北朝鮮、イラン、ベラルーシ、トルクメニスタンなどなど。
最近は、ミャンマーもそうなっています。

これらの国では、「言論の自由」「信教の自由」「集会、結社の自由」などはありません。
たとえば中国では、イスラム教徒のウイグル人100万人が強制収容所に入れられ、女性は不妊手術を強制されている。

それで、アメリカ、EU、カナダなどは、「中国でジェノサイドが行われている!」と非難している。

私たちの一般的イメージでは、自由民主主義の国々は、「白」です。
一方、言論、信教の自由がない独裁国家は、「黒」です。
正直いうと、真っ白な国は存在しませんが、話をわかりやすくするために、「白」「黒」を使います。

▼白黒地政学で見た世界
さて、マッキンダーの地政学では、アフリカ+ユーラシア大陸を「世界島」と呼びます。
そして、世界島の心臓部を「ハートランド」と呼ぶ。
「ハートランド」は、ざっくりロシアにあたります。

ハートランドは、1917年のロシア革命から、1991年のソ連崩壊まで「黒」でした。
スターリンは、自国民を2000万人殺したといわれています。
そして、ソ連は、東欧を黒くし(一般的には共産化したという意味で『赤くし』と表現しますが・・)
中国、北朝鮮を黒く染めていきました。
世界島は、真っ黒に染まりつつあったのです。

しかし、1991年12月、ソ連が崩壊した。
ソ連は15に分裂し、黒から白への移行がはじまった。
ソ連の事実上の支配下にあった東欧も、急速に白くなっていきました。
ロシアも、民主主義者のエリツィンによって、白くなっていくようにみえた。

黒の勢力が優勢だったユーラシア大陸は、一気に白に変わっていくように見えたのです。
ところが、30年経って、状況はどうでしょうか?

中国は、トウ小平、江沢民、胡錦涛の時代、欧米から「灰色」だと思われていました。
しかも、「ゆっくり白の方にむかっていく灰色だ」と。

ところが、習近平になって、「真っ黒」になってしまった。
彼の政権は、「日本には尖閣だけでなく、沖縄の領有権もない!」と宣言。
尖閣を奪うための布石を着々と打っています。
また、「南シナ海は全部中国の物!」とトンデモ主張をし、あちこちを埋め立て、軍事拠点化している。

インドに侵攻し、領土を強奪しようとしている。
ウイグル人のジェノサイドをしている。
まさに、ナチスドイツに匹敵するほど「真っ黒」です。

ロシアはどうでしょうか?
ロシアは2014年、クリミアを併合し、欧米(日)から厳しい制裁を受けています。
それで、経済成長が完全に止まってしまった。
プーチンは、国民の不満に蓋をするために、言論弾圧を開始しました。

ロシアには今、90年代にあった言論の自由はなく、プーチンの悪口をいえば逮捕される状況になっている。
また、ナワリヌイ支持のデモに参加して、会社を首になったという報告が山ほどある。

ソ連崩壊によって、白にむかったロシアですが、今はソ連型の統治に戻ってしまいました。
世界島の北半分、ユーラシアの状況をみてください。
共産党の一党独裁国家、GDP世界2位の中国、

そして、世界一広大な領地を持ち、核超大国、世界有数の資源大国、ハートランドロシア。
この二つの国が組んで、世界を黒く染めつつある。

これが、ある国(アメリカではない)から見た、「地政学の現状」なのです。
【 暗黒の地政学 】です。

困った「ある国」は、「日本と共に世界を白く変えていこう!」と決意しました。
そして、古(いにしえ)の同盟を復活させることにしたのです。
古(いにしえ)の同盟とはなんでしょうか?⇒(私はイギリスだと思います)

---owari---
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