他の人との信頼関係を保つためには、「約束を守る」という態度が大切です。
もちろん、約束どおりには実行できない場合もありますが、それでも、誠意を尽くす気持ちだけは持っておくことが必要です。
約束を守れなかった場合に、「申し訳ない。この借りは、いつか返そう」という気持ちを持つことが大事です。
これを別の言葉で言えば、「残心」(心を残す)ということになります。
たとえば、剣道の試合で「面」を打ち込むときには、それに一生懸命になってしまいがちです。
ところが、それで決まらなかった場合は、姿勢が完全に崩れ、その後、簡単に一本取られてしまいます。
したがって、全力で打ち込んでいても、心だけは残しておく必要があります。
それは、次の体勢への心配り、あるいは余裕というものです。
これを、「残心」といいます。
こうした心を持っていると、次の対策が立つのです。
ある人に、「やります」と約束しても、結局、できないことがあります。
しかし、口先だけの人なのか、誠意を尽くしながらもできなくて、「何かのときにはお返しをしたい」と思っている人なのかは、人格の香りで分かります。
したがって、そうした気持ちだけは残しておく必要があるのです。
「約束を守る」というのは、そうした精神を持つことなのです。
相手との信頼関係を保ちたいと思う心だけは、残しておかなければいけません。
「精一杯やったけれども、結局、駄目だった」ということは、幾らでもあります。
しかし、それで、「はい、さようなら」ということではなくて、「次に、また立て直しのときが来たら、必ず、この借りを返したい」という気持ちを持っていることが必要です。
それが信頼関係を築いていく基礎なのです。
『「何かのときにはお返しをしたい」と思っている人なのかどうかは、人格の香りで分かる』(仏法真理)
---owari---
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