(人が育つ「ほめ方」「叱り方」のコツ)
人に何かを言うときに、言い方によっては、「後に残る場合」と「残らない場合」とがあるので、やはり、言い方に気をつけてもらえるとありがたいものです。
例えば、先ほどの部長さんについて言えば、「五十日」や、「この地域では家を持っていないと、なかなか嫁さんが来ない」ということを私が知らなかったのを指摘されて恥をかいた一方で、こんなこともありました。
あるとき、会社を訪問するはずだった外国人の方が、間違えて社員寮のほうに来てしまい、まかないのおばさんたちは対応にこまるということがありました。まかないの人は4人ほどいたと思いますが、だれも英会話ができず、往生(おうじょう)してしまったのです。
その場に、たまたま、わりと早めに帰ることができた私が現れたのですが、外国人の方が何か言っているのに、みな、答えられなくて困っているところでした。
そこで、代わりに私が対応することにして、パパパパッと英語で会話をしたところ、一緒にいた部長が、「さすがに、大したもんだ」とほめてくれたのです。
もっとも、大した英語ではなく、相手は迷子になって道を訊いているだけだったので、それほど難しいことではなかったのですが、それでも部長はほめてくれました。
このように、人は「上がったり下がったり」ということがけっこうあるものです。例えば、怒られたときに、そのことを深く長く考えたり感じたりする人もいれば、すぐに忘れてケロッとしている人もいるでしょう。また、ほめられたことをずっと覚えている人もいれば、それを忘れる人もいます。
いずれにしても、「人を育てる」という気持ちがあるのであれば、叱(しか)るときには、相手のプライドをあまり傷つけないような叱り方を心掛けてみることです。また、叱る前に、相手のいいところについても併せつつ話をするのもよいでしょう。
例えば、「ここは頑張ったね。でも、ここのところについては、どうしても問題として処分しなければいけないね」などと言うようにするのです。さらに、叱ったあとで、「やりすぎたかな」と思った場合には、別のところでほめて埋め合わせをするということでもよいと思います。
---owari---
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