人生の問題で、見落としてはならないものの一つに、悪霊という存在があります。
多くの人たちは、知っているいないにかかわらず、目に見える見えないにかかわらず、何らかの霊的作用の下に日々置かれていることは事実です。そして、目に見えぬ世界から悪霊のそそのかしを受け、悪霊の支配を受けて生きている人も数多くいるのです。
この悪霊は、たいてい、かつて地上の人間であって、いまあなたが悩んでいるのと同じような問題に悩み、その問題に、その悩みに勝利することなく、地上を去っていった人たちなのです。そして、彼らの迷いの波動が、苦しみの波動が、あなたに伝わってきます。あなたの心のなかにある同種類のものが、それを呼び寄せているのです。
悪霊という存在は、まことに不思議です。何ゆえに、万物の霊長である人間が、こうした姿にならねばならないのか。ましてや、恥ずべきことに、生きている人間に憑りついて、その人を苦しめるなど、なぜそんな愚かなことをするのか。
私はそう感じるのですが、彼らには彼らの論理があって、彼らは、いったいどうしていけばよいのか分からないでいるのです。
ほんとうの意味で、霊的世界、霊界のことを、悪霊たちは知らないのです。彼らが心に持っているもの、思っているものは、この地上世界だけであり、何とかしてこの地上世界で生きていきたいと思いつづけているのです。地上世界で永遠の生命を長らえたいと思っているのです。
そして、肉体がないにもかかわらず、自分が死んだことに気が付かず、あるいは気付こうともせずに、生きている人間に手を入れて、自分の欲を晴らさんとしているのです。
みなさんは、みずからそうしたもののとりこになっているということに気付いたならば、それがいかなる悪であるか、間違いであるかということを、しっかりと教える必要があるのです。人間に取り憑いて、それで幸福になることは決してないということを、彼らに教える必要があるのです。
人間に取り憑くことは、ますます罪をつくっていくことです。罪を重ねていくことなのです。罪を重ねて、自分もやがてはもっと苦しくなります。生きている人間をも苦しめることによって、その反作用が来ることになっているのです。もっともっと苦しい人生が訪れるようになるのです。
こうした悪霊に負けてはなりません。勇気を持って間違いに気付かせてやることが愛であると思います。生きている人間に取り憑いて、それを惑わすことが、どれほど間違っているかということを、勇気を持って教えてやることもまた愛だと思うのです。
それゆえに、みなさんはいま、真実の人間の生き方というものを見つめなければいけません。見つけなくてはいけません。このような悪霊に、いつまでも支配されることなく、そして、彼らを大いなる反省の機会に導くためには、みずからが黄金色に輝いていくことが、どうしてもどうしても必要であると思います。
そのためには、みなさんがどうしても決意しなければならないことがあると思います。それは、悪霊を今後つくらず、また、悪霊に対して跋扈(ばっこ)することを許さない世界をつくっていくために必要なことなのです。
その第一は、仏というものの存在をしっかりと信ずることです。信じることから、ほんとうに素晴らしい世界が始まります。仏を信じるという行為、さらには指導霊を信ずるという行為が大切です。そして、法が説かれるときに、その法につながっていこうとする心、法に帰依する心、この心が各人を金色のロープで結びつけているのです。そして、あらゆる悪霊から護る働きをするのです。
この法に帰依する心を失った者は、ロープの結び目がほどけ、自分だけで悪霊と戦わなければならなくなります。そういうことになるのです。悪霊との戦いにおいて大事なことは、法に帰依するという気持ちです。その金色のロープをしっかりと結びつけておくということです。
悪霊と戦う際に、第二に必要なことは、愛の徹底的実践です。そのときに、魂の純粋さを決して忘れないことです。純粋な気持ちから愛を発揮すること、愛を実践すること、これが望まれているのです。
不純な動機から愛を実践しても、その愛はだれのためにもなりません。みなさん自身のためにも、その愛を受ける人のためにもならないのです。純粋な動機から、無私な気持ちで愛を捧げるということが大事です。
第三に述べておきたいことは、いま自分がほんとうに仏に生かされているということに対する感謝の気持ちを忘れないことです。
悪霊で感謝の気持ちがある人は一人もいません。百パーセント、感謝がないのです。まことに不思議なことです。人間として生まれてきて、感謝なき人生を送るということは、それほど寂しいものなのです。
感謝を持って生きられるということは、それだけ多くの恵みを発見している自分があるのです。それだけ心にゆとりがあり、輝きがあるのです。
悪霊について思いを巡らすときに、どうか、この私の言葉を思い出してほしいのです。悪霊は、不平不満、愚痴、足ることを知らぬ欲望、こんなもので心が渦巻いています。そうした思いはどのような人間にもおそらくあるでしょう。人生を振り返ってみたときに、どこかに必ずあるはずです。
しかし、悪霊には決してないものは感謝だということ、このことさえしっかり思っていれば、やがてみなさんは違った波長の世界に入っていけるのです。
心が波立って、毎日が不幸だという人は、おそらく悪霊の支配下にあると思われますが、どうか、この「感謝」という二字を忘れないでいただきたいのです。そのときに、彼らはあなたがたに憑いていることができなくなってくるのです。(仏法真理)
---owari---
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