(忍耐力がなければ、成功は成し遂げられない)
成功するためには、もう一つ、重要な要素があります。それは「忍耐(にんたい)」です。どれほど才能がある人であっても、忍耐心がなければ、やはり、成功は成し遂(と)げられないのです。
一日の二十四時間だけで成功できるものとしては、博打(ばくち)的なものしかありえません。
例えば、「パチンコでチューリップが開きっぱなし」というのは、二十四時間で儲(もう)ける方法でしょう。ただ、毎日、それで儲けられるかというと、そうはいきません。
また、「いつも競馬や競輪で儲ける」ということもできません。宝くじが当たることがあるかもしれませんが、「毎日、当たる」ということはありません。
そういう一過性の成功は別として、成功できない人には、たいていの場合、忍耐心がないからです。
若いころに世の中で「頭がよい」と言われた人が、その後、意外に大したことがなく、「あんなに頭のよい人が」「あんなに才能のある人が」「あんなに恵(めぐ)まれた条件の人が」と思われるケースを、若い人たちは、今後、年を取るにつれて、数多く見ると思います。
結論を集約していくと、そういう人には、ほとんどの場合、忍耐の心が足りません。忍耐する力、耐(た)え忍(しの)ぶ力がないのです。
そういう人は、頭がよいので、逆に、物事の見切りが早いわけです。それも、よいほうに見切ればよいのですが、悪いほうに見切るケースもよくあります。
「ダイヤモンドの鉱床(こうしょう)」の話と同じで、「ここにダイヤモンドはない。次の所に行ったほうが早い」「ここにもない。次の所に行こう」というかたちで、次から次へと渡(わた)り歩くため、成功を収めることができない場合が多いのです。
例えば、頭がよいのに、不満ばかりが起きてくるため、次から次へと職場を辞(や)めてしまい、職が定まらない人もいます。本当は、もう少し頑張れば一流になれるのに、その寸前で、あきらめてしまう人も大勢いるのです。
このように、頭がよくても成功しない人には、たいていの場合、忍耐の心が足りません。
また、これには、他に対する怒(いか)りの心にも通じているものがあります。つまり、自分自身に対する忍耐が足りないタイプは、裏返せば、自分が成功できない理由を、ほかの人に押しつけ、「ほかの人のせいで、自分は成功しなかった」と考え、怒りを外にぶつけるタイプなのです。
これが、能力や才能があっても成功しない理由です。これについては、よく知っておいたほうがよいでしょう。
結局、「自分の心を操縦できず、統制できない」ということは、トータルで見て、「徳の心が足りない」ということだと思うのです。
したがって、「時は金なり」の意味と、その大切さを知ってほしいと私は思います。
これは、私が、若いころ、学生時代に得た、小さな小さな悟りの一つです。
---owari---
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