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「失敗の恐怖」を乗り越えるためのアドバイス(後編)

2018年10月03日 | 人生

(「成功の平均値」を上げていく方法)

その平均値、アベレージを上げていくためには、やはり、努力は要るでしょう。

「その努力とは何ぞや」と言うと、一つには、「同業のなかで自分よりも、もっともっと活躍している人のやり方を研究する」ということです。

 

日本では少ないと思いますが、アメリカなどの外国には、社長と同じぐらいの給料をもらっている営業マンもいます。よく売る人は、それだけお客さんをつかんでいるので、社長と同じぐらいの給料を出さないと、結局、お客を連れて、よそに行ってしまうことがあります。よその会社に転職するなり、独立するなりされてしまうため、そうならないよう、給料が高くなるのです。

 

もう30年以上前の話ですが、アメリカの商社(本社)の社長の給料は15万ドルぐらいでした。当時は1980年代前半なので、1ドルが250円ぐらいの時代でしたので、15万ドルといったら3750万円ぐらいなので、4000万円前後の給料をもらっていたことになると思います。

 

一方、役職に就いているわけではないのですが、営業職でトップ営業をしていた外国人は、社長と同じ15万ドルぐらいの給料を取っていました。そのくらい出さないと、すぐ「辞める」と言うので、やはり出さざるをえないのです。

 

日本人の場合には楽で、幾ら売ろうと給料にはあまり関係なく、ボーナスが数千円か1万円ぐらい上がったり、給料が200円上がったりするぐらいであり(笑)、この程度でごまかせます。

 

「ものすごく頑張ったなあ」となったら、50円上がったとか、こんなものでした。「将来、もっと上がることもある」という気分だけはあるのですが、100円とか300円とか、ほんの少ししか差がつきません。

 

あまり差がついていると、激しく嫉妬され、仲間外れにされるのです。かつては、入って1年目ぐらいからすぐに変わり、100円違ったり200円違ったりしたことがあるのですが、やがて、だいたい、四、五年ぐらいはあまり変えず、同じぐらいにしておくようになりました。あまり勝ち負けがはっきりすると、やる気をなくすので、最初の何年間かは変えないようにしていく方向に、だんだん流れは向かいました。

 

ただ、外国人の場合には、そのように成果相応のものをもらっていました。「辞められたら困る人」になると、基本的には給料が上がっていくわけです。

 

しかし、そういう人たちは、おそらく、「成功の秘密」をストレートには教えてくれないでしょうし、得意先の名簿をそのままくれたりするわけではないと思います。したがって、話をしたり、観察したりしているうちに、「どこがうまいのか」というところをよく見ていくことが大事だと思います。

 

(「逆境に強いメンタリティー」をつくる方法))

それこそ、先ほど言ったように、自分も周りも落ち込んでいるようなときに、それを気にせず、平然と、いつもどおりに仕事に取り組むだけでも、かなり「不動心」や「平常心」のある人だと言えます。

 

誰もが落ち込んでいるときに、「ピンチを救ってくれるようなタイプ」になれば、周りからの信頼がグーッと上がっていきます。

 

部全体で失敗しているときもあるでしょうし、会社全体が落ち込んでいるときもあろうかと思いますが、そういうときに必ずヒットを打てる人は、やはり頼もしいのです。

 

そういう「逆境に強いメンタリティー(心的傾向)」を、意図して、努力してつくることは可能です。ただ、そのようになるためには「精神修行」が必要です。

 

「禅の修行」のようなものもありますが、「心を練るための書物」もたくさん出ているので、まずは、そういうものを繰り返し読み、自分の思想のなかに取り入れていき、「知行合一(ちこうごういつ)」で、その取り入れた思想を現実にやってのけることが大事です。

 

(「人生の上がり下がりのリズム」を調整する)

やってのけ、「いくらへこんでも、へこんでも、戻ってくる力」「リバウンドしてくる力」を持っていれば、だんだん認められてこざるをえないだろうと思います。

 

「普通は誰もが落ち込むところで、落ち込まない」ということも「力」です。「土俵際、俵ギリギリいっぱいで粘り切る」、これが大事なことなのです。

 

そういう意味では、人工的にというか、意図的に、自分の「人生のバイオリズム」について、その「上がり下がりのリズム」を調整できなくてはなりません。極度のリプレッション(抑圧)、落ち込みまで行かないところで下支えをし、一方、好調のときには、あまりうぬぼれすぎないようにして、「そろそろ注意信号かなあ」というところで気をつけることが必要です。

 

そういうことに注意していれば、“巡航速度”のまま、比較的よい感じで成功が続いていくようなことはあるのではないかと思います。

 

[人生に勝つポイント]

□開発や営業部門等では、成功の確率は「千に三つ」だと考え、「減点主義」をやめる。

□失敗経験を考えるのはやめ、ダメージを受けているように見せない「精神的タフさ」を身につける。

□自分の「成功の平均値」を早く知ることで、「心の安定」が得られる。

□「成功の平均値」を上げるには、同業のなかで活躍している人のやり方を研究する。

□「心を練るための書物」を繰り返し読み、その思想を現実化してみせる。

□自分の「人生のバイオリズム」を知り、上がり下がりを調整する。

 

---owari---

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