参政党の理念・綱領は、わが国の国柄から読み説けば、その目指すところが明らかになる。
(「日本国の自立と繁栄」がどのように「人類の発展に寄与」するのか?)
第2項に関しては「日本国の自立と繁栄」がどのように「人類の発展に寄与するのか」という疑問が湧いてきます。かつてのソ連や現在の中国のように、周辺諸国を属国として、自分だけ「自立と繁栄」を追求したのでは、「人類の発展に寄与」できません。
この点でも「先人の叡智」が重要な示唆を与えてくれます。前述の神武天皇の「大御宝の一つ屋根」という祈りを、明治天皇はさらに深化させて、『五カ条の御誓文』にまとめられ、その精神を国民への御宸翰(お手紙)の中でこう説明されています。
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「天下億兆、一人も其処を得ざる時は、皆朕が罪なれば」
(国内のすべての人々が、たった一人でも、その人にふさわしくない場所に置かれているようであれば、それは皆私の罪なので)
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国民一人ひとりが、家族の一員として「その処を得る」という祈りは、国際社会にも拡大されます。世界の中では、大きな国、小さな国、資源に恵まれた国、乏しい国、科学技術の進んだ国、遅れた国など、いろいろな国があります。こういう多くの多様な国が、それぞれ処を得て、独立国として「鎮む」(安寧に暮らしていく)、そういう国際社会が理想とされているのです。
明治天皇は日露戦争開戦に際し、「よものうみみなはらからと思ふ世になど波風のたちさはぐらむ」(四方の海を同胞と思っている世になぜ波風が立ち騒ぐのだろうか)と、「同胞」と戦わなければならない苦しみを詠まれました。
明治時代は、多くのアジア・アフリカ諸民族が、欧米諸国の植民地とされていました。そして、世界の諸民族が「その処を得る」という祈りから、国際連盟における人種平等条項提案、さらには大東亜戦争時のアジア諸民族独立支援がなされました。それが昭和天皇が「米国及び英国に対する宣戦の詔書」の中で謳われた「万邦共栄」という祈りです。
「万邦共栄」を目指す「先人の叡智」に基づいて、「日本国の自立と繁栄」を図ってこそ、「人類の発展に寄与する」事に繋がるのです。逆に、現在の中国のように、周辺諸国や国内少数民族を支配して繁栄を求めるような勢力とは、戦っていかなければなりません。
(自然の中で生かされているという「日本の精神と伝統」が、地球環境の調和をもたらす)
第3項の「日本の精神と伝統を活かし、調和社会のモデルをつくる」はどうでしょうか? 「日本の精神と伝統」とは何か? それがどのような「調和社会のモデル」づくりに繋がるのでしょうか?
「日本の精神と伝統」にも「調和社会」にも様々な次元があります。たとえば、昨今の地球環境危機を取り上げてみましょう。最近はやりのSDGsでは、持続可能性がキーワードになっています。
持続可能性の歴史上最大の成功事例が、縄文文明です。なにしろ、1万年以上も環境と調和を保って持続したのですから。これに比べると、他の古代文明は、チグリス・ユーフラテス、エジプト、インダス、黄河と、みな周辺を砂漠化してしまい、持続可能ではありませんでした。
なぜ縄文文明が1万年以上の持続可能だったのか、それは人間自身も自然の一部として、その中で生かされている、という自然信仰があったからです。この自然信仰が、山も川もすべての動植物にも「神の分け命」が宿っている、という日本神話につながっています。
古代の諸民族は、みな同様の自然信仰を持っていましたが、それを保ったまま、近代文明を発展させたのは日本だけです。西洋諸国は、旧約聖書に記されているように、人間が自然を支配管理するよう神から委託されたと見なしており、それが近代西洋文明の自然破壊をもたらしたのです。
現代社会において地球環境と調和した持続可能性を目指すことが「調和社会」の一つのあり方ですが、それを実現するには自然信仰を保持したまま近代化を成し遂げた「日本の精神と伝統」が、重要な示唆を投げかけているのです。18日の参政党主催の講演では、その一つの事例として、食と農業のテーマを論じます。
(「大調和」の3つの柱)
こうして見ると、理念に謳われた「大調和」の具体的な内容も窺うことができるでしょう。それは国内においては「大御宝の一つ屋根」、国際社会においては「万邦共栄」、そして自然に対しては「自然の大いなる命に生かされている」という「自然信仰」。これらが「大調和」の柱であると考えることができるでしょう。
そして、そのような「大調和」が世界に生まれれば、それは日本国民と日本の国全体への「国益」となります。国民の一致協力による国の繁栄、平和な国際社会、そして豊かな美しい自然の中での暮らし。参政党の理念・綱領からは、こういう崇高な理想が窺われるのです。より多くの国民が「主人公意識」を持って、この努力に参加していって貰いたいと思います。
18日の講演会では、ぜひ多くの方々と、こういうテーマについて、一緒に語り合ってみたいと考えています。ご参加をお待ちしています。
(文責:「国際派日本人養成講座」編集長・伊勢雅臣)
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