色情の悪魔は手ごわい。
そもそも、食、性、眠は、肉体を持つ人間としては、逃れがたい本能である。
仏法真理をくらますようになってくると、その本能は煩悩(ぼんのう)と呼ばれる。
人間として生きていく力、自分を守る機能、自分を拡大していく本能と、一致しているため、
食欲や性欲、睡眠欲を否定することは、人間としての自己の存在を否定しているかに見える。
現代文明では、食欲の苦しみは飽食の悩みに変わられつつある。
睡眠欲は、薬でもコントロールできそうである。
性欲は、伝統的宗教の戒律をなし崩しにして、性病対策やアブノーマル性欲問題へ移行しつつある。
現代には、悪魔が暗躍しているが、性欲問題、つまり、色情がいちばん混乱を起こしやすいようだ。
夫婦問題や家庭問題は、砂の城のようなもので、ちょっとした嫉妬(しっと)や自己中心の発言で、波に崩されやすい。
人として生きるに当たって、ささやかな間違いはあろう。
しかし、炎はボヤのうちに消し止めるのがよい。
家が燃え始めると、皆驚くが、炎が煙を上げるまでは、油断するものだ。
悪魔に付け入るスキを与えるなかれ。
皮一枚の美に、惑わされてはならない。
---owari---
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