へんないきもの日記

今日も等身大で…生きてます😁

心に残る宿

2013-05-21 06:38:33 | 旅とランニング
 駒ヶ岳一帯は、昔、明治天皇が行幸された記念碑が残っている。それにしても明治天皇ってスゴイ人だ。どこの街道に行っても、行幸の即席が残されている・・・

 その駒ヶ岳の無人駅のトイレで思わず怖くなって逃げ出した後・・・

 国定公園で昔、修学旅行で行った大沼公園に行った。ここは5号線からはずれ、日本縦断のコースでは無い。が、このまま北海道ルート最終目的地の函館へ行くには遠すぎる。ということで、この日の宿は、大沼公園のペンションにした。

 じゃらん口コミでオール5・・・五つ星の宿である。ということで、あまり過分な期待をかけずに行った。

 フツーの家屋を改造したようなそのペンションは、入ってすぐ、受付とダイニングがあり、「食」に重点が置かれていることがわかった。出てきたオーナーも、いかにも料理人らしく、エプロン姿で迎えてくれた。

 この日の客は私一人・・・まあ、日曜日の宿泊だから、予想どおりだ。

 まずは、噴火湾でとれたカニ・・・久々に毛ガニ以外のカニを食べた。そして、ホタテは普段、出さないのだそうだが、「沖縄からのお客様ということで・・・」(ここで、実は小樽出身で・・・と白状した。)しかし、いつもの冷凍を解凍したホタテと違って濃厚な味わいだった・・・

 ホタテは、噴火湾が有名だけど、こちらは、もう少し青森寄りの産地・・・得てして「こだわりの宿」というのがあるが、この手の宿は店主のこだわり・・・であって、それがもろ、客人に押し付けられる点が往々にしてある・・・そら、きた!と思いつつ橋を進めながら話を聞いていくと、どうやらそうでもない。

 とにかく、この人は、料理が好きでたまらない、そんなカンジだった。人の胃袋に関係なく、料理は、これでもか!っていうくらい出されてきた。最後に、ごはんが出た時は、次の日の昼飯用におにぎりにしてもらった。

 趣味が高じて退職後、弟の手伝いで始めたペンション・・・弟が糖尿病になってからは、一人で続けているのだとか・・・とにかく、あの量で2食付8000円は「破格」である。損得抜きで「趣味」の範疇なのだろう。

 仕入れも、旨い物を求めて車で農家を駆けずり回っているらしい。

 そして、次の日の朝食・・・案の定、スゴイ量だった(写真)

 でも、おいしい。

 そして、出発する時間になり、オーナーは当然のことながら玄関口で見送ってくれた。300メートルほどの国道までの直線道路を私は、なぜか走らずにゆっくりと歩いた。歩きながら、前日の旅の思い出を反芻していた。そして、国道に出て右に曲がる時、何気に宿の方を振り返った。そこには、オーナーの姿があった。宿を出てから約3分間・・・振り返るか振り返らないか全くわからない私の姿がその視界から消えて無くなるまで、ずっと見守っていた・・・思わず、手を振って胸が熱くなった。

 人をもてなすとは、どういうことか、いや、それ以上に人の「優しさ」の根源をこのオーナーから教えられた気がした。
コメント
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