6月3日の市立病院整備特別委員会の資料として配布された「資金不足(いわゆる「赤字」)解消に向けた収支計画案」なるもの。
数字が並んで、目標年次の2030年度には「めでたく赤字解消」の計画になっている。
・・・が、その根拠は不明。
なので、7月7日、その計画案の「作成に至る資料」の開示を求めた。
市の情報公開条例に基づく請求で、私自身が請求人ではないが、同じ思いを持つ仲間の一人が相談の上、請求人となった。
7月14日付で病院事業管理者より請求人に対し「情報公開決定通知書」が発行され、27日に公開された。
公開された資料は、期待していたよりもずっと簡素なものであったが、それでもさらに疑問が・・・。
そのひとつ、新病院を建設し、現病院を(仮称)小児周産期センターとした再編後の、流動資産のうち「未収金」が0となっていること。
現病院では流動資産の9割近くが「未収金」であるのに。
「未収金」とは、患者負担の窓口負担のやむを得ない「未収金」もいくらかはあるにしても、診療報酬の支払いが2カ月後であることから、年度末に会計を締めた時点では、2・3月の医療行為に対する診療報酬は「未収」となる。
システム上「未収金」がゼロというのは考えられない。
その点について、病院の財務分析に明るい研究者の方の知見を求めると以下のコメントを頂いた。
(再編後、未収金(保険未収金)がゼロとなっていることについて)、生長会に全て移して、債権の流動化で収益一ヵ月分+αの資金を生み出す予定かもしれません。 かなり、乱暴な手法です。
「未収金ゼロ」について、その他の諸点とともに、担当課である病院事務局総務課に尋ねた。
その場では回答がなかったが、5日後に再度、尋ねると「ミスでした」という。
「正規の手続きで情報公開を求めて、開示された文書が『ミス』であるなら、訂正したものを出してください。速やかに」と言うまでもないと思いつつ念を押した。
その時に併せて請求した資料が出たのが8月14日。その時に「ミス」だと言われた文書の訂正はなかった。
今日まで待って、病院の事務局に問い合わせた。
「訂正は出さない」そうだ。
「そんなバカな・・・」いう言葉を飲み込むのに苦労した。
「未収金」がゼロになっているのは「数字が入っていない」ということで「全体の収支計画に影響がないから」と。
「数字が入っていない」のではない。「0」と言う数字が入っている。
「内訳」に「記入漏れ」(0は「記入漏れ」だと電話で担当者はおっしゃる。)があっても、「全体に影響がない」という収支計画案は、果たして信頼に足るのもなのかどうか?!
人間のする仕事に「間違い」というものはある。
「ミス」だという文書が一度、出されたことに対してあえて、クレームをつけるつもりなどなかった。
しかし、「ミス」だと言いながら「訂正」しないという姿勢は理解できない。
許容することもできない。
8月9日、「市民のための市立病院を守る会」の学習会で講師は「市議会特別委員会に出された市の収支計画案を見ても、数値の使い方が大変粗い。民間病院が投資に際してメガバンクに提出する、標準的な中長期計画資料ではありえない。」と指摘された。
議会答弁で「唯一無二」と繰り返された「病院再編案」が、あまりにも粗雑な検討の上にたつものだと考えざるを得ない。