こんにちは! ただち恵子です

政治と社会、日々の暮らしの小さな喜び。思いつくままに綴ります。

エコハウス認定奨励金・・・・一般質問報告③

2012-03-08 21:55:01 | 環境・ごみ問題
新年度の新規事業のひとつに「エコハウス認定事業」がある。

市が定めた9項目の「環境配慮設備」(太陽光、太陽熱、高効率給湯器、複層ガラス、雨水タンク、生ゴミ処理機、生ゴミコンポスト、電気自動車)のうち、5種類以上を備えた住宅を「エコハウス」と認定して、3万円の奨励金を出すという。

5種類以上の設備投資に「どんだけお金がかかるんだろう?」と考える。
誰もが目指せる「エコハウス」ではない。

太陽光発電、高効率給湯器、雨水タンク、生ゴミ処理機、生ゴミコンポストにはそれぞれ別に、補助制度がある。

これだけの費用負担ができる世帯に、あえて2重に「3万円の奨励金」がいるだろうか?
3万円の奨励金を出すことによってどんな効果が期待できるか?
「地域のエコリーダーの役割を期待」という答弁だが、率直に言って疑問。
ふところ具合を考えれば「お隣にならって、ウチも」とは、なかなかいかない。

疑問はそれだけではない。
市が認定する「エコハウス」の条件は、すべて大掛かりな設備の力を借りるもの。
大掛かりな設備には、それ自体に多くの資源とエネルギーを費やしていることも忘れてはならない。
もっともシンプルなエコハウス、「エコな暮らし方」がある。
太陽の熱、光を直接、最大限活用して冷暖房をしないこと。昼は自然光ですごすこと。
冬場のカーテン、夏場の「みどりのカーテン」(窓際でのゴーヤなどの栽培)
また、マイカーを持たない暮らし。近距離は歩き、中距離は自転車。長距離は公共交通。
それぞれに、いろんな工夫があっていい。
しかし「エコハウス認定事業」は、お金をかけて資源・エネルギーを使う9種類を奨励する。


ドイツの「省エネ診断サービス事業」というのを日本科学者会議の機関誌、「温暖化する地球とその対策」特集(2011年9月号)の上園昌武論文で知った。

まず省エネ診断士の養成に応募できるのは「長期失業者」であることが条件。診断士の養成は、失業対策でもある。講習・訓練を受けた省エネ診断士が、低所得者世帯を対象に、無料の省エネ診断をし、省エネプランを提示する。
日本の「うちエコ診断」は、診断を受けたあとは自己責任だが、ドイツの事業では、一定限度の省エネ機器が無料で提供される。その結果、実施世帯では水高熱費が削減され、CO2削減の効果も生まれる。

所得格差が住環境の格差となっている上、高効率の省エネ家電にしたくても、そのための費用負担ができなければ、その結果、高い光熱費を払い続けることになる。初期費用を投資する経済的余裕があれば、以降の水光熱費は安くなる。

以上の格差に注目したドイツの省エネ診断サービスは、雇用・環境・福祉の相乗的な効果をもたらすもの。

泉大津市で導入される「エコハウス認定事業」は、ゴミ袋の「一袋目からの有料化」により全ての世帯に新たな負担をかぶせたゴミ袋収入を基金として積み上げ、ナン百万円もの投資をして「環境にやさしい器具」を備えることができる世帯に奨励金を渡すもの。



「エコハウス認定事業」は自治体が取り組む事業としては、甚だ疑問だということを意見として述べた。
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