こんにちは! ただち恵子です

政治と社会、日々の暮らしの小さな喜び。思いつくままに綴ります。

震災がれきの広域処理について「府の考え方」

2012-05-17 08:42:18 | 東北被災地支援・がれき処理問題
泉大津市議会が3月定例会で全会一致で採択した「災害廃棄物の処理によって放射性物質を拡散させないことを求める意見書」について、「災害廃棄物の広域処理に関する府の考え方」というタイトルの文書が、全議員に配布されました。

市議会の「意見書」は、地方自治体の機関としての「機関意思の決定」。
議会の役割、①住民の意思を代表する②条例の制定、改廃などの立法機能③執行機関に対するチェック機能の、3つの役割のうちのひとつです。

市民の多様な考え方を代表して「意見表明」するのだから、慎重な議論で意見調整した上で、泉大津市議会では「全会一致」を原則としています。

「がれき広域処理」についての「意見書」も、もちろん全会一致で採択したものです。

ある自治体の議会に対する当局の説明資料に「・・・一部反対派議員の主導によるもの」という府の見解が示されていることを偶然知って唖然としました。

今回のように提出した「意見書」に対する「見解」が示されるのも異例です。

あくまで議会としての「意思決定に基づく意見表明」なので、受けるほうはその事実を「重く受け止める」ものだからです。

「府の考え方」には「国や岩手県からも早期復興のための協力を要請されています。」とあります。
「国の要請」が、本当に被災地の総意をくみ上げたものなのか?「ガレキ処理の遅れが復興の妨げ」というのは本当か?
私は疑問を抱いてきました。

「現地の声を聞きたい」と思っていました。しかし、片道の移動に一日がかりの距離で、なかなか行くことはできません。(だからこそ、この距離を18万トンのガレキを運ぶことが本当に必要なのか?他に方法がないのか?と思うのです。)

私の疑問に、古谷やすひこ横浜市会議員が自身のブログで、現地調査に基づいて明快に答えてくれています。
陸前高田・大船渡を訪問した古谷議員のブログに掲載された写真は、昨年の7月、10ヶ月前に私たちが見てきた光景そのもの。写真で見る限り、10ヶ月たってあまりにも「そのまま」なのでショックでした。「捜索終了」と書かれた旧庁舎前に私たちも立ちました。


古谷議員は以下のように書いています。
現地視察を行ってみての結論。
 ①現地の震災ガレキの処理は着々と進んでおり、これが復興の妨げとなっていることではない。
 ②大船渡市でも陸前高田市でも、災害廃棄物の処理について、「木くず」を広域処理をするということは計画の中にも入っていない。それは以下の陸前高田市の「災害廃棄物の処理について」という文章をみても、一目瞭然。

国からの文章の中では、「広域処理希望量」と書かれていますが、誰にとっての「希望」なのでしょうか?


また以下のような「現地の声」も紹介されています。
「国の方針がどう決まったかは知らないが、地元は全く承知しておらず、がれきは地元業者で対応してほしいといわれている。そこには、大手ゼネコンは入っていない。広域処理についても私のレベルでは全く聞いておりません。」
「大船渡の復興について、その妨げになっているのは、都市計画が定まっていないことが問題。例えば、JRが鉄道を通すのかどうかも決まっていない。」(大船渡)

そもそも、がれきが邪魔だとか問題にはなっていない。それより、5年後に作る予定の防潮堤が完成してから町の復興計画を作っていくことが中心課題だ。そもそも市長は、広域よりもここに焼却場を作れば仕事ができると言ってきた。何も遠くまで運ぶ必要はないと思う。」(陸前高田)
  

先日、泉大津フェニックスの見学会に参加された市民の方からもコメントを頂きました。皆さんにも読んでいただきたいと思います。

「府の見解」は「府の指針に基づき、広域処理を行うことによって、府民への健康の影響はない」と断じています。

「意見書」をあげた議会の議員として、引き続き考えていく責任を感じています。


【追記】以上の記事を投稿したあとで、文中に紹介した古谷横浜市会議員のブログに「一部訂正と補足」の記事が掲載されました。

「三陸全体では震災がれき処理の見通しはたったとは言えず、仮にうち(注;陸前高田)が大丈夫だからといって広域処理がいらないという立場ではない」という現地の声を紹介しておられます。

仮に「一定の広域処理」が必要だとしても、今の国のやりかたは合理性を欠き、現地の状況を充分にくみ上げたものではないことは確かです。

したがって、これまでここに表明してきた私の考え方も訂正するものではありませんがブログの引用をさせていただい関係から追記しておきます。
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2 コメント

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呆れてものが言えません…。 (汐見渚)
2012-05-18 19:08:17
>ある自治体の議会に対する当局の説明資料に「・・・一部反対派議員の主導によるもの」
>という府の見解が示されていること

それを言うなら、瓦礫受け入れ強要こそ「一部賛成派議員や府職員らの主導によるもの」ですよね。
むしろ一握りのそういう人達が府民・市民の声もロクに聞かないで、強引にゴリ押しし続けている訳で。

今日、大阪市の民生保健委員会において、井戸正利なる議員が
「仮に海に流出しても、海は膨大なのでかなり薄まる」
などという発言をしたそうです(議事録が出ましたらまた貼付します)。これも呆れた言い草です。
こんな屁理屈が罷り通るなら、下水処理施設など必要無く、水銀でもカドミウムでもどんな有毒物質でも
「薄まるんだからいいじゃない♪」で海に垂れ流せばいい事になります。

対して、小林道弘議員は宮古市・大槌町などの現地へ赴き、現地でのアンケートの結果、
職員の派遣、防波堤の設置こそが現地の希望する支援である、と報告されたそうです。
尚、瓦礫は異動されており、防波堤も一部完成している、との事です。

細野環境(破壊)大臣が各地で繰り広げた瓦礫の線量計測パフォーマンスも子供騙しであった事が
先週号のFRIDAYで暴露されております(現物あります。いつかコピーをお渡ししたいと思います)。

この国の政治家達はどれだけ国民を馬鹿にしたら気が済むのでしょうか。
勿論、そんな人達ばかりではないのでしょうけど…。
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Unknown (ただち恵子)
2012-05-19 23:09:44
汐見渚さん

国民をバカにしている政治家と、「大本営発表」を繰り返す大手マスコミ・・・。

ただし私達国民も、自ら「知る努力」をすればいろんな情報を手に入れられる時代に生きていることも事実だと思います。

だから、将来の世代の人たちに「知らなかった」「だまされていた」と言い訳することは、許されない。

それにしても「海は膨大なので・・・」は、いまどき考えられない暴論ですね。

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