長引くコロナ禍のもとで生活の基盤が大変深刻な状況に陥っている方が増えています。
働きたくても働く場所がない、年金その他の収入で、やりくりができない。その時は「ためらわずに生活保護の申請を」と厚労省もホームページで呼びかけています。
生活保護で補われるのは「最低生活の保障」です。
臨時的な支出の余裕がありません。
年金暮らしで医療費の負担が大きく、「医療の保障だけでも」と生活保護を申請された方が、昨年の夏はクーラーなしで過ごしたことをお聞きしました。
熱帯夜が続く中、眠れない夜を過ごしながら。
2018年6月に厚労省が出した「通知」によって、クーラー購入費が支給されることになっています。
上限金額が5万4千円、けして充分ではありませんが、工事費は別途、出るのでなんとか賄えそうです。
生活福祉資金貸付を受ける方法では、エアコンは設置できても、あとの返済でこれ以上、切り詰めることになります。3年前の「通知」ですが、今も生きているので、その適用を求めて相談者と窓口に同行しました。
この制度は、2018年4月以降に生活保護を開始した人が対象です。
その点、とても不合理です。
クーラーを入れれば電気代嵩みますが、冬季加算はあっても、夏季の加算はありません。
クーラーは一旦設置すれば、永久に使えるものではありません。
寿命があります。
「必要」なものなら、その修繕費も認められるべきです。
「保護の実施要領」に「被保護者が現に居住する家屋の、・・・従属物の修理・・・のため経費を要する場合」の「住宅維持費」に該当するものとして、例えば「風呂釜が壊れて使えない」という相談に対応して、支給されたことがあります。
2018年以前から生活保護制度を活用している場合に、エアコンが壊れて使えないなら「住宅維持費」として修理費の支給がされるか、またはエアコンの設置費用の対象にされるのが当然ではないかと思います。
まだまだ改善されなければなりませんが、「健康で文化的な最低限度の生活のためにクーラーが必要」であることを、国が認めたことは、大きなことだと思っています。
制度は知らせて、生かして、活用しながら改善を求めます。
ことは「人の命」がかかっていますから。