こんにちは! ただち恵子です

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自治体が「公設・公営」の病院を持つことの意味

2013-06-21 21:44:53 | 泉大津市立病院問題
市立病院の経営形態について「指定管理」「民間売却」の声も議会の一部からあがるなか、市長が6月議会に提案したのは「市立病院の現在の公営企業法一部適用から、全部適用とし、新たに事業管理者をおいて公設・公営の病院として引き続き運営する」という方針だ。

そのための条例改正の審議を付託された厚生文教常任委員会が今日、開かれた。

市民の皆さんの関心の高さを反映し、傍聴席はいっぱいになった。

私は委員ではないので、隣室で傍聴した。

委員長を除く5人の委員が全員質問し、午後採決が行われた。
採決の結果は、一名が「態度保留」で退席。4人が賛成で、反対意見はなかった。

同じ「賛成」でも、だいぶ中身は違う。
「条例改正には賛成」と態度表明しながらも、「民間は日進月歩。公立では立ち行かなくなくなるのは明らか」と言い切り、将来の民営化を求める意見もあった。

同会派の森下議員の賛成討論は、森下ブログにリンクしていますのでお読みいただければと思います。

今日の議論の中で、「議会の中ではほとんどが民間の活力を導入しての経営形態の変更を求めるなかで、今回の提案は後退だと感じる」という趣旨の発言があった。
「ほとんど」かどうかは、はっきりと確認されたものではないが、「指定管理」「民間売却」の意見があったことは事実であり、前市長が辞職直前に「指定管理」と発言したことも事実だ。
しかし、議会としての議論を経て議会の意思として「民間委託」や売却を決定したことはなく、前市長の発言も一議員の決算委員会での質問に応えたものであり、検討のプロセスも根拠も何ら明らかではない。
だから、それを基準として「後退」と評価するのはどうかと思う。

1月に就任した市長は、「市立病院の充実と改革」を公約し、「市民から信頼される市立病院となるよう、医療従事者と徹底した協議を行うとともに、市立病院に対する市民の皆様のご意見をお聞きし、ニーズを把握した上で、市立病院の健全化を強力に進めてまいります」と所信表明で述べた。その言葉の通りに、半年間、病院スタッフとの話し合いを重ね、市民アンケートで市民の意向を集約し、直接の市民の声を聴き、今回の提案に至ったと思う。

今日の議論のなかで、市立病院が単に「患者を診る」という病院単体としての医療活動だけではなく、行政組織の他の部門との連携のなかで、多くの役割を担っていることが具体的にに明らかにされた。
たとえば、児童虐待防止ネットワークの一翼としての役割、障害をもつ子どもたちの「発達外来」、新型インフルエンザ等感染症流行時の対応、介護予防事業との連携・・・・などはごく一例。健康福祉部長、危機管理監から詳細に報告された。

こういう事業のひとつひとつを、市立病院がなくて独自に継続しようとすれば相当な費用がかかることも報告された。

「医療・福祉・介護のネットワークの要としての自治体病院の役割」について、3月の予算委員会で発言してきたが、そのことがしっかり裏付けされたと思う。

人生の様々な場面で遭遇する事柄に行政が手を差し伸べるとき、公設・公営の病院を持っているか否かでは、できることの中身が違う。

病院で働く職員の皆さんも、そして市民もそのことに誇りが持てるような「市民のための病院」にしていくことの最大の保障は「公設・公営」の病院として残すことだ。


昨夜、病院で働く職員の方から「市立病院だからこそ就職し、働いてきた。市立病院のスタッフは泉大津市のためにがんばっている職員であることを忘れないでください。」という趣旨のメールをいただいた。
大切な声だと思う。私は委員会で発言できないので、森下議員にメールを転送し、その趣旨は、きょうの発言の中にも反映された。

こういう職員の方と市民が手を結ぶことができればと思う。


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