昨日は、「資料の返却を求められたこと」への思いだけを書いた。
審議の内容についての若干の感想を(続)として書いておきます。
1年前に示した「収支計画」(案)を「直近の決算見込みを反映して時点修正」したという。(当局の冒頭の説明)
現に推移している事業の状況、その数字上の反映である決算見込みを反映するのは当然のこととして、そのうえで「今後の事業についてどんなプランをもって臨もうとしているのか」の掘り下げた議論は、昨日の会議では、皆無という印象。
R14年度、2032年度までの中長期の計画であり、その間、現病院を改修し、新病院を指定管理で運営するというのに。
現病院の改修は今年度からの事業だが、入札参加者がなく、分離発注で再度の入札を行うという。委員として参加した今年1月末の特別委員会で、現病院の改修計画が議題となった。「実施設計ができあがるのは4月中の予定」というので、実施設計の作成が完了した折には、その概要を示して議会の議論に付することを要望したが、そうした議論はなかった。ハードの部分についての考え方の詳細、1月に議論になった空きフロアの活用や、産科病棟のバリアフリーの問題。そして、ずっと気になった質問を重ねてきた医師・助産師等の配置の問題、等々。
「他にない魅力ある入院出産のできる病院」の具体的なイメージもなく、「府中病院の約千件の分娩を受け入れて年間1600の分娩」を収支計画の論拠とするのは、あまりに雑駁ではないか。
新病院についても「一般会計からの繰り入れが大幅に圧縮される」という従来の説明の繰り返しだが、これも中味の議論がない。
特別委員会が設置された初めての会議、2019年6月の委員会で「指定管理導入のデメリット」について、市当局自身が従来、示してきた文書に基づいて質問した。すなわち、「不採算の事業の継続が困難」など。それらについて、どこでどんな議論がされているのかを問うたものだが、その当時の答弁は「指定管理者との協議 のなかで今後検討・・・」と言う通り一遍のものだった。
議会は指定管理の導入(昨年12月議会)、指定管理者の指定(今年3月議会)を議決した。正式に決定するはるか以前から、「唯一無二」で生長会との連携の道を爆走してきたことの是非は今は横に置くとしても、正式に決定した指定管理者との協定の内容については、明らかにして議会の議論に付すべき時ではないか。
委員会では、委員からの収支計画(案)の裏付けについての資料請求もあったので、今後より中味のある議論がされることを期待したい。