こんにちは! ただち恵子です

政治と社会、日々の暮らしの小さな喜び。思いつくままに綴ります。

台風一過・・・一夜あけて

2011-09-05 08:35:02 | つぶやき
大型台風12号はゆっくり、そして大きな傷跡を残して過ぎていきました。

行方不明者のひとり、那智勝浦町の町長の娘さんは9月4日が結納の日だったということが大きく報道されています。
亡くなった方、行くえ不明の方には、それぞれの積み上げてきた人生があり、それぞれのかけがえのない人たちのつながりがある。そのことを思うと、言葉がみつかりません。

高校時代、山に魅せられ、週末、長期休暇のほとんどを山で過ごした時期があります。
土曜日の朝は登山スタイルで登校、終業のチャイムとともに転がるように飛び出して、最寄の駅から山へ!

そんな日々に自然の美しさとともに、人の力では太刀打ちできない怖さにも何度か遭遇しました。

だから山に登る者はいつも万全の備えをし、慎重を期し、最悪の場合も想定して行くのだと、山岳部の先輩から繰り返し教えられました。

自治体の「防災対策」にも、同じことが言えると思います。自然をあなどらず、考えられる万全の備えを。
そして、被害状況の検証と、それをこれからに生かすこと。

長く続く雨の影響で大津川はどうだったのか、気になっていました。
大津川の近くにすんでいる森下議員がブログで報告してくれていました。

週末、個人的にはいろいろなことが重なって疲れました。
もともと、どちらかというと「ネクラ」な性格で、くよくよ悩む方かもしれないと自己診断しています。
この仕事をしている間に、多少鍛えられ、改善したかなとも思います。
自分の努力の足りない結果であることは、目をそらずしっかりと受け止めて、これからの糧にすること。
迷惑をかけた方には言い訳せずに、誠意を尽くしておわびすること。
そして前へとすすんでいこうと思います。

台風被害に心痛めながら、最後は自分のことになってしまいました。

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「今日は なん日、なん曜日?」

2011-09-05 06:24:47 | 読書


元衆議院議員・田中美智子さんのブログを元に編集した本。
カバーの装画と各章の扉絵は、美智子さんが絶賛するイラストレーター松本春野。松本善明・いわさきちひろのお孫さん。暖かく美しい絵。

8年前、「大腸がんで余命わずか」と宣告されてから出版した「さよなら さよなら さようなら」、2年前の、やはりブログを元にした「まだ生きている」に続く。

毎日のようにブログを覗かせていただいているが、まとまって読むとまた違う楽しさがある。

またブログにはない書き下ろし、特に「あとがき」は笑えて、かつ心にしみる。
これ以上の、下手な「解説」はやめます。
ぜひお読みください。


著者;田中美智子
装画・扉絵;松本春野
新日本出版社
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たたかってこそ道は開かれる

2011-09-04 08:46:08 | 日本共産党
昨日は日本共産党大阪府委員会の府委員会総会。
この会議に府委員のひとりとして出席するようになって2年目になります。

地元での活動の時間がいつも足りないのに、月に一度、たいていは土曜日に大阪市内まで出かけていくのは、正直もところ荷が重く、「なんで私が?」とも思ったものでした。

それでも、行けば日頃の活動をふりかえり気が付くことがたくさんあり、いろんな地域でがんばってる様子に元気をもらいます。
そして、聞くだけではなく、現場で有権者・市民の皆さんの声を聞いている地方議員の率直な思いを少しでも届けることが私の存在意義なのだとも思って、発言もするように心がけています。(かなり力がいりますが)

昨日は、8月28日投開票で行われた枚方市長選挙で候補者として闘った「いくめんパパ」こと36歳のみわ智之さんと、それを支えた前府会議員黒田昌子さんの発言に、励まされました。

候補者擁立にいたるまでの真剣な議論、福祉切捨ての現市長、談合事件で地裁・高裁で有罪判決を受けながら返り咲きを狙う前市長などが名乗りをあげる市長選挙を、黙って見送るわけにいかないと、立ち上がったのが、若さいっぱいの、みわ候補。

「訴えが届いたところでは確実に共感が広がった。」「応援してくれた人たちが、選挙戦は楽しかった、と言ってくれるのが嬉しい。」と語ります。

住民の願い掲げて闘えば、その先に道が開かれる。どんなに険しくても、次の勝利につながる道がそこから始まる。

青年政治家の決意と、ためらうことなくそれを支えた地元の力に学びたいとと思います。
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今日の朝ごはん

2011-09-03 13:08:06 | 私の食卓


お豆腐といろんな野菜がたくさん入った味噌汁、卵焼き、ゴーヤ、そして炊きたてご飯。けっこうヘルシー。
ゴーヤは長く食べず嫌いだったけど、最近は食べます。「薄切りにして電子レンジでチン。そうめんのダシをかける」という超簡単料理を教えてもらってからよく食卓に。カツオブシか煎りゴマをかけるのが私流。きょうは、おにぎりする時によく使う、ごまの入った「ふりかけ」にしたらけっこうでした

しっかり働くためにはしっかり食べないと
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大阪府からの権限委譲・・・府と市の役割

2011-09-03 06:46:42 | 市政&議会報告
昨日は午前中、私が所属している産業厚生常任委員会協議会。

私は、20年余の間、ほとんどこの委員会に。
今年は、「新人議員ふたりの希望を優先して、私は残ったところに」と思ったのですが、やっぱりここになりました。

小さな市の地方議員は、窓口広く、何でもこなせないといけないと思っています。
でも、やっぱり自分の関心、気になる分野は、社会保障、特に「介護、保育、そして国保」です。

昨日の協議会では・・・
☆老人集会所(通称 長寿園)に「バリアフリーなどの改修予算 928万円」という説明があったので、その内容を質問。「13箇所ある長寿園の入り口に段差があるので
手すりをつける」そうです。
昼間は地域の高齢者の方がカラオケや将棋・・・など、楽しんでおられますが、空いているときは、高齢介護課に申し込んで使わせてもらえます。私の市政報告会も、この長寿園をお借りします。
入り口の段差は確かにきつい。手すりもいいけど、段差そのものをなくして欲しい。
せっかく、車椅子で遠方から時間をかけて来ていただいた方、この段差のために「あきらめて帰りました」とあとからお聞きし、申し訳ない思いをしたことがあります。
ともあれ、13箇所の集会所は、いずれも老朽化し、いろんな点で使いにくい。「今、ある施設を大切に。今回の改修は第一歩として、全体の改修・改善の計画を」と要望しました。

☆「剪定枝活用事業」として、「公園、街路、公共施設等の樹木の剪定枝をリサイクルして活用するための粉砕機購入、88万円」
昨年12月から始まった「ゴミ有料化」後、庭に植木があるお宅では「剪定枝」の処理に困っている声をお聞きします。
「有料化」後の市の説明会でも「植木も植えられなくなりますねぇ」と嘆きの声がありました。
「リサイクルできるものは、分別し、焼却するゴミを限りなくゼロに近づけること」をゴミ処理の理念として、しっかりすえることが大切!だと、私は主張してきました。

現に、「ゴミゼロ」(すべてリサイクルする仕組みをつくり燃やすゴミをなくす)ことを近い将来に実現する目標を掲げている自治体もあります。
「公共施設だけでなく、家庭から出る植木の剪定枝も分別収集を」と要望しました。

☆「大阪府からの権限委譲」で、これまで府がやっていた事業の多くが、市に移管される(H22年から24年の3ヵ年で73項目)ことの説明がありました。
「住民に身近な基礎自治体で」という建前はいいのですが、中には、委譲を受けるのがふさわしくないのでは?と思う事業もあります。たとえば「障害者、高齢者等の福祉サービスを行う民間事業者の指定、認可」など。これらの事業者を利用するのは市民だけではなく、また市民の方も他市の施設、事業者を利用されます。これまで、府が、かなりのスタッフをおいて、指定、認可、また監査を行ってきても、時に不適切な事例がありました。
「岸和田など周辺5市で、連携して受ける検討会を開いている」とのことですが・・・。これまで、ノウハウの蓄積がない自治体が集まって「受け皿」を作っても、果たして民間事業者に対する適切な指導ができるか?これらは、本来、大阪府がその専門性を発揮して広域的に責任を持つべきだと思います。そいう意見を述べました。

午後は、議員団会議。上下水道料金の値上げに対してどう立ち向かうか?
9月議会に、会派として提案する「意見書」の内容。
そして、一般質問の検討など。

夕方は、歯医者と整骨院のはしご。整骨院の先生、いわく「こってますね。バリバリですね」。議会準備は、体のメンテナンスも欠かせません。これで、すこ~し、楽になりました

夜、前の日に作ったニュースを訂正、印刷。

これが昨日の一日でした。カテゴリー「市政&議会報告」で始めて、最後は「つぶやき」になってしまいました。
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大阪府下33市で一番高い上下水道料金?!

2011-09-02 22:16:27 | 市政&議会報告
昨日、建設水道常任委員会協議会が開かれて説明のあった、上下水道料金の値上げ案について、「堺以南の阪南9市のなかで一番高くなる」と書きました。
委員会協議会に示された資料には「堺以南の9市」の資料しかなかったので。

4年前、2007年9月議会に値上げが提案されたときの添付資料を調べると、「府下33市」の料金比較がありました。

そこで市役所2階の担当課に4年前の資料を持って、「こういう資料で新しいのがほしい」と言いました。一日おいて、きょう、府下33市(大阪市を除く32市)の料金一覧をもらいました。職員さんの手を煩わせたようですが、(私が求めたときにはなかった資料を、その後各市のホームページで調べて作ってくださったとのこと。)見てびっくり。

市の提案どおりの「値上げ」をすると、「使用水量10㎥」では高いほうから3番目。20㎥以上では、すべてトップです

たとえば「平均的使用量」と言われている20㎥でみると、一番高い泉大津(値上げ後)で上下水道料金の合計が5954円。一番安い吹田市では3544円。その差約2400円。年間にすれば3万円近い違い!!

国保料など、応益負担(使った分に応じて)と応能負担(負担能力つまり所得に応じて)で保険料を算出すると、その自治体の所得水準が低いほど、同じ所得の他の自治体の人と比べて高い保険料になってしまう仕組みです。

一方、水道料金は同じ公共料金でも基本的に応益負担。使った分に比例した料金です。なんで、こんなに格差があるのか?
なんで、私たちはこんなに高い水を買わなければならないのか?

納得いく説明を、しっかり求めていかなければならないと思います。

昨日、つくった「市政報告 こんにちはただち恵子です №798」は一部訂正、「堺以南の8市の中で最も高い料金になる」を、「府下33市で最も・・・」と書き直しました。

今、印刷機が働いています。
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水道料金・下水道使用料大幅値上げ・・・9月議会に上程の動き

2011-09-01 18:25:37 | 市政&議会報告
きょうから9月。
本日1日10時から建設水道常任委員会協議会が開かれました。
日本共産党議員団からは、はまぐち議員が委員として出席。私と森下議員は傍聴しました。

「水道料金平均16.1%、下水道使用料平均14.4%の値上げ」の条例改正が9月議会に提案されるとのことです。

前回の値上げは2008年(平成20年)4月。4年前の、やはり9月議会に料金改定が提案されました。
当初、「水道料金が15%、下水道使用料が16.5%のアップ」で提案されたものを、付託された委員会での審議の過程で「水道料金は13%、下水道使用料は、14.2%」に引き上げ幅を少し圧縮して再提案され、可決しました。

つまり、今回の値上げが来年4月から実施されれば、4年前に比べて2段階の値上げで約1.3倍、3割り増しの負担増となります。

この4年間といえば、多くの家庭で(現役で働いている人も年金生活の方も)収入は増えるどころか減っているのが現実。そのなかで、絶対必要な「水」を買うのに必要なお金が、1.3倍。これを「大幅値上げ」といわずに何と言うのか?

常任委員会のメンバーの話し合いで、値上げ案は議会開会中に、「委員会付託」で審議するようです。
私たちは、「全ての議案を専門委員会に付託して慎重に審議すること」を原則にするべきだと思っています。
「本会議即決」では、質問回数も限られ、十分な審議ができないからです。
「委員会付託」を求めても、他の委員が「その必要はない」と主張、合意できないことが昨年も何度かありました。

公共料金の値上げなど、市民生活に関わる重要案件は「委員会付託」が、ならわしです。

それにしても、9月13日開会の定例会に上程、(正式な上程は一般質問終了後なので、14日か15日の見込み)、それから2週間足らず、30日には議決・・・という、スケジュールだと、「これは、たまらん」と市民の方が思っても、声を上げることさえできずに、決まってしまう。「市民のみなさんにはご理解、ご協力を」ということでいいのでしょうか?

少しでも早く、市民の皆さんにお知らせするのも議員の仕事のうち。ということで、「こんにちは ただち恵子です №798」を、大急ぎで作りました。

以下は、その「ニュース」より転載。

水道料金・下水道使用料 今でも高いのにまたまた大幅アップ?!

9月1日に開かれた市議会建設水道常任委員会協議会で、水道料金、下水道使用料を、ともに大幅に引き上げる条例改正案を、まもなく開かれる第3回市議会定例会に提案する市の考えが示されました。

水道料金と下水道使用料は、今でも「高くて大変」と市民の皆さんの声が寄せられています。多くの世帯で収入が減っている状況で、公共料金の引き上げはますます暮らしを圧迫します。 
 今回示されている値上げ案は、水道料金で平均16・1%、下水道使用料で平均14・4%、実施時期は来年の4月とされています。
 前回の2008年4月の料金改定は、基本料金の設定を変えることで使用水量の少ない世帯では負担が減った場合もありましたが、今回の改定案では全ての世帯で値上がりとなります。実施されると、平均的な使用水量の場合、堺市以南の9市のなかで最も高い料金となります。

(追記)その後の調査で、「堺以南の9市」だけでなく、「府下33市で一番高くなるであろう」ということがわかりました。
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神戸で学んだこと

2011-09-01 06:11:41 | 活動報告
8月の22日・23日、自治体問題研究所の市町村議員研修会に参加した。

多くの刺激を受けて帰ってきたが、ちょうどパソコンの接続ができない状態で、携帯から長い文章を投稿するのは私にとっては、煩わしくそのままにしてきた。

「学ぶ」ということの基本は「独習」「活字を読む」ことだと思っている。
一番、身につくのは「人前で話す」ことを前提に「読む」ことだとも、経験的に思っている。

「聞く」ことは、受身になりがちで、そのときは「いいお話でした」と思ったり、感激したりしても、すぐに忘れてしまうことも多い。しかし、たまには今回のように2日間を日常の様々な用事から離れて「聞く」ことに集中するのも、新たな発見やその後の学習へのきっかけになる。

3日間の講義のなかで、塩崎賢明氏(神戸大学大学院)の「東日本大震災の復興と地方自治体」と題する講演が一番心に残っている。塩崎氏は復興の理念として「被災者の生活を再建することであり、被災地を再興すること」と強調された。一見、あたりまえのこのことが実はとても大切であることは、1時間の講演を通じて胸に落ちる。
神戸の街は美しく整って、「ここで16年前にあの大惨事があったこと」は想像しにくいほどだ。塩崎氏は言う。「しかし、・・・いまだに立ち上がれない人、復興の途中で命を落とした人が少なからずいる。」として、「仮設住宅と復興住宅での孤独死は914人」、「大震災での重傷者が10684人。重症の結果、災害障害者見舞金を受け取ったのはわずかに64人」など。

阪神・淡路の復興事業費16.3兆円のうち、多くが復興とは直接関係のないハード事業に「復興」の名をかぶせたもの。その結果が「光と影」。それを教訓とすれば、東日本大震災で最優先するべきなのは、「鎮魂の森やモニュメントの建設」ではなく、命以外の全てを失った人々の暮らしを再建すること。そのために、場当たり的でない「恒久的な住まい」の再建支援に力を注ぐ重要性も強調された。

今回の研修には、議員に年間30万円支給されている政務調査費の一部を使った。そのため、議長宛に「報告書」を提出している。
以下、そのうち「所見」。


所見

「9月議会を前に地方自治を基礎から一通り学べる」と銘打った、第16回市町村議会研修会(自治体問題研究所)に、この春の市会議員選挙で当選したふたりの同僚議員とともに参加した。5期20年、議会議員として活動をしてきたが、常に「地方自治の基礎」について問い直していきたいと思う。

1日目に「実践報告」された松本市議会の取り組みは、議会基本条例に至る経過のなかで「随時市民の意見を聴取」し、市民参加、市民との連携のもとに進めてきたことを詳細に報告され、おおいに刺激を受けた。「市民に開かれた議会」とは、政治的立場、信条を超えた共通のスローガンになってはいるが、問われるべきはその内実である。本市議会においても、議会改革検討委員会を設置し、基本条例制定に向けての議論が始まっているが、一定の時期に、市民に情報発信しながら、より広い市民とともに条例を考え、創りあげていくことが大切であると痛感した。
2009年4月に施行された松本市の議会基本条例のもと、現在、どのような運用がされているのか、ぜひ現地を訪ねて学ぶ機会を持ちたいと思う。

「東日本大震災の復興と地方自治体」と題する塩崎賢明氏(神戸大学大学院工学研究科教授)の特別講義は、2日間を通じて最も心に残るものだった。東日本の大震災を「過去の関東大震災や阪神・淡路大震災とも異なる特徴を持つ災害」として、その「特徴」についても明らかにしつつ、「阪神大震災における復興の教訓」について特に言及された。1995年の大地震から16年経過し、高速道路・鉄道・港湾施設などのインフラ整備が進み、また「創造的復興のシンボル」とうたいあげた神戸空港の建設が推進された影で、「仮設住宅・復興公営住宅での孤独死が16年間で914人」、また震災障害者やアスベスト被害などおきざりされてきた問題がある。阪神大震災で自ら被災し、その復興の過程をつぶさにみてきた塩崎氏が、復興の理念とするべきは、「何よりも被災者の生活を再建することだ」とする提言は重く、また説得力がある。

2日目の加藤幸雄氏(元全国市議会議長会調査広報部長)による特別講義は、日本の政治制度、自治体の議会制度の歴史、自治体議会、議員の役割について憲法と地方自治法に基づく原則をふまえつつ、全国の具体的事例にもふれながら、「新しい議員像」として今の時代に地方議会に身を置く私たちに厳しくも暖かいメッセージを送っていただいた。氏が講演の結びとされた「目先にとらわれずに、5年先、10年先をみるという先見性が求められる」ということと、私が常に念頭におきたいと思っている「住民の目線にたち、住民多数の合意形成のもとに市政運営がなされるために、住民の代表者としての役割を果たす」ということの整合性を自分自身のなかで保つことは、相当な努力が求められるが、それだけにやりがいのある仕事として探求、挑戦を続けていきたい。

最後の財政問題についての講義、初村尤而氏(社団法人大阪自治体問題研究所)の「地方財政の基礎知識」は、年間の予算循環のプロセスのなかでの決算審査の意義をあらためて明らかにし、具体的な決算認定のポイントについても貴重な問題提起をいただいた。氏は「ポイント」の筆頭に「住民への公約、マニフェストとの関係でみる」という点をあげられた。そういう立場にたてば、決算審査は、行政執行が適正に行われたかどうかをチェックするだけでなく、「予算審議のなかで議員として何を求めてきたのか」、そして「求めたことが的確であったのかどうか」、議会議員としての自らを問い直す機会でもある。
大阪府の橋下知事のもとでの「財政再建」は「収入の範囲で予算を組む」と言ってスタートした。本市の行財政の指針である現行「泉大津経営指針」も「入りを図りて、出ずるを為す」と言い、「歳出ではなく歳入を原点とする方向への転換」を掲げた。私はこうした行財政運営の考え方に、従来から違和感を持ち、機会があればそれを表明してきた。「収入の範囲で・・・」と言っても、自治体の収入は、家計の収入とは異なり、固定的なものではない。事業の選択、実施に伴って収入の増減があり、また、国の施策等の影響でも大きく変わる。
初村氏は、府や本市が掲げる行財政の考え方とは全く異なる財政の論理として「出ずるを量って入るを制す」が基本であると唱える。その端的な実例として、【「収入の範囲で予算を組む」では震災復興事業はできない。】と指摘する。災害によって納税者の担税能力は激減し、一方、行政に対するニーズ、先送りできない課題は逆に激増するのであるから、当然である。
もちろん、今回のような大規模災害はめったにない非常事態ではある。しかし、非常時であるなしに関わらず、「地域の課題を明らかにして、その負担の方法を考える」ことが自治体の役割に照らして常に大原則であるべきであるという指摘は、忘れてはならないと、あらためて思う。「地域の課題」を明らかにすることが、自治体財政を考える時の出発点であり、そこに議会議員として発揮すべき役割があるとも思う。

2日間、集中して学ぶ時間を持てたなかで、多くの刺激、示唆を与えられたとともに、今後の課題も多く残した研修会であった。

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